「菅直人に宰相の資質なし(上)」

投稿日:2010/06/17 07:20

「心に青雲」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年06月16日 | 政治問題
「菅直人に宰相の資質なし(上)」

《1》
 私は正直言って、小沢一郎という政治家にあまり関心がなかった。マスゴミが「闇将軍」だの「毒」だの「壊し屋」だのと言うからには、逆に本当は違うのだろうと思ってはいた。マスゴミは嘘つきなのだから。だが、それ以上の関心はなかった。

 副島隆彦氏などは、彼こそ「日本国王」なのだと以前から主張しているけれど、それは対米関係(属国で隷属させられている)においてそうだと言えるだけで、小沢氏の主体性においては、リーダーたらんとしているのか、裏方に徹しようとしているのか、どっち付かずの存在だったという印象を拭えない。

 それに関連して、「阿修羅掲示板」にあった記事を紹介したい。テーマはあくまでリーダーとは何か、である。

 民主党・自由党合併直後の小沢インタビュー「次の総理菅直人について 」(週刊現代 2003年11月29日号)が、ブログ「日々坦々」に掲載されている。重要な箇所を引用する。当時は民主党が菅直人代表で、自由党の小沢一郎党首と合併したところであった。
http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-494.html
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――民主党と自由党が合併して1ヵ月半ほど経った。民主党の良くない点は、どこか。

小沢 日本的なところ。日本的コンセンサス社会の体質をまだ残していますね。会議を例にとっても、時間をかけ、全員の意見を聞きさえすればいい、それが素晴らしいことだという意識が根強い。その結果、意見がまとまらない項目について、採決したり、リーダーが責任を持って決めたりすることはない。自民党も労働組合も、この文化に根差している点では同じです。
――トップダウンにすべきということか。

小沢 トップダウンが一概に悪いわけではない。トップが、理念や哲学をちゃんと持っていて、失敗した際に責任を取れるならね。しかし、民主党の場合、それ以前に、議論ばかりしてないで、結論を出すことの重要性に気付かないといけない。角が立たないように玉虫色に、難問を先送りし、コンセンサスを形成する。これは日本的民主主義であって、真の民主主義ではありません。

――菅代表にも、そうした体質が残っている?

小沢 菅さんだけではありません。みんな旧来の体質を引きずっています。民主主義は、結論を出すために多数決というシステムがあり、ポジションがあるわけです。民間の会社をご覧なさい。役員会が真っ二つに分かれたら、社長が決断する以外ないでしょう。それができない会社は、市場から退場させられます。

 菅さんは、日産の社長、カルロス・ゴーン流を学ばなくてはいけない。「私は改革をこのように進める。それができなかったら、責任をとって辞める」この一言をズバッと言うことこそが、欧米流の民主主義の神髄です。今までは日本的民主主義で済んできました。しかし、グローバリゼーションの中、それでは立ち往かなくなっています。幕末と同じ時代背景なのかもしれない。
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 小沢氏がいう「日本的コンセンサス社会の体質」すなわち「会議を例にとっても、時間をかけ、全員の意見を聞きさえすればいい、それが素晴らしいことだという意識」は、民主党にかぎらず、わが国のほとんどの組織がかかえる宿痾であろう。さすがにこの指摘は小沢ならではだ。私は小沢氏を見直した。

 7年前から菅の愚かさを的確に見抜いている。だが、こういうことを言うから小沢は、「 日本的コンセンサス社会の体質」を引きずる政治家や官僚、マスゴミ記者から嫌われるのだ。菅も、陰で小沢の悪口ばかり言っているそうだ。
 「議論ばかりして」「結論を出すことの重要性に気付かない」「角が立たないように玉虫色に、難問を先送りし、コンセンサスを形成する」これがこれまで官僚・役人が主導してきた「日本型民主主義」だと小沢氏は言っている。まったくそのとおりである。

 昨年8月の民主党政権奪取で、そうした病態を変えて政治家が主体的に政策立案と実行をしていこうじゃないかと発足したはずが、鳩山がこけたら、菅直人があっと間に、元の官僚主導に戻してしまった。これは官僚どもによるクーデターである。
 国会では「議論ばかりして」「結論を出すことの重要性に気付かない」「角が立たないように玉虫色に、難問を先送りし、コンセンサスを形成する」ように仕掛けておいて、すべてを官僚の利権に沿うよう誘導してきたのが、本邦の明治このかたのありようだった。
 これをマザコンという。

 さらに引用を続ける。
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小沢 菅さんは庶民派ですし、市民との交流もある。これはすばらしいことだと思います。けれど、宰相に求められる資質はそれだけではない。俗に等身大の政治などというでしょう。だけど、僕は総理大臣というのは一般大衆とは同じ感覚であるべきではないと思っています。同じ感覚では総理大臣は勤まりません。

 一般大衆の関心というのは、基本的には家庭であり会社であり、隣近所です。だけど総理は全国的というよりは国際的な視野をもって、国のため国民のためと信ずることを断固としてやらなければなりません。それが総理の重みということになるんでしょうが、それを菅さんに身につけていただきたい。その意味で庶民派から一歩、脱皮していただきたいと考えています。
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 小沢氏は、民主党と合併した直後だから、穏便な表現をして菅を叩いていないが、本心は菅をバカにしていることが見て取れる。菅は庶民派ですばらしい、などとおべんちゃらを言っているが、小沢氏のホンネは、「菅みたいな等身大の政治なんていう奴はバカだ、マザコンだ。一国のリーダーが一般庶民と同じ感覚で、政治の修羅場がくくれるか」と言うのだ。

 まさにそのとおりだ。だからマスゴミをはじめとして、官僚も、自民党も、大企業も小沢が嫌いなのである。庶民感覚で政治をするのが良いと思っているのか、大衆がそういう感覚(等身大で、市民派)なら御しやすいと考えているからだろう。
 アメリカとて、優秀なリーダーが登場して日本を団結させてしまうのが、一番困るから、真性のリーダーらしい萌芽が出るとすぐに潰しにかかる。アメリカの言う事に隷属する首相ばかり据える。

(転載貼り付け終了)