「攻勢の小沢一郎が、守勢の菅直人首相、仙谷由人官房長官・枝野幸男幹事長を叩き潰す構図が見えてきた」

投稿日:2010/08/13 07:33

「板垣英憲『マスコミに出ない政治経済の裏話』」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年08月12日 19時50分29秒
「攻勢の小沢一郎が、守勢の菅直人首相、仙谷由人官房長官・枝野幸男幹事長を叩き潰す構図が見えてきた」

◆国際金融機関(主に欧州ロスチャイルド系機関、米国ジョン・D・ロックフェラー系金融機関)は、日本金融市場に対する投資意欲を強め、その準備態勢を整えているという。ただし、積極投資を進めるには、条件がある。それは、「小沢一郎前幹事長が総理大臣就任が必要不可欠」ということである。
 アメリカ景気が減速し、依然として失業率9%という深刻な雇用情勢にあるなかで、オバマ政権が円高ドル安を容認して輸出策に積極的に乗り出している。欧州も、金融機関の立ち直りが遅く、景気停滞と高失業率から脱出できない状態にある円高ユーロ安を容認。加えて中国経済は、上海万博終了後の「バブル経済崩壊」が懸念されている。
 これに対して日本の金融機関だけが、健全経営を維持しており、日銀は、学者臭いが抜けきらない白川方明総裁の下で、「円高静観」の姿勢を続け、何ら手を打とうとしていない。
この結果、11日の外国為替市場の円相場は、ロンドン市場で一時、1995年7月以来、
15年ぶりの水準となる「1ドル=84円72銭」まで円高が進んだ。
◆国際金融機関は、この欧米と日本との間にある「金融政策のズレ」を狙って、一儲けしようと企んでおり、さらに日本の力強い経済成長を望んでいるようである。私は、拙著「国際金融資本の罠に嵌った日本-悪魔の経済・グローバリズムの正体」(日本文芸社刊)のなかで書いたが、名うての投資家(国際的バクチ打ち)であるジョージ・ソロスの著書「相場の心を読む」によれば、市場の真の動きと投資家の認識とのズレに投資のチャンスが生まれるのだという。
 ところが、現在の菅直人政権が掲げている「強い経済、強い財政、強社会保障」という掛け声だけの政策に、疑いの目を向けている。それは、強力な政治力に欠けていると見ているからであり、いまのところ国民人気が低くても、小沢前幹事長の実力に着目しているのである。
◆これまで「小沢叩き」「小沢潰し」の急先鋒だった読売新聞(渡辺恒雄会長=中曽根康弘元首相)と産経新聞(森喜朗元首相の出身会社、麻生太郎元首相は一日出社)の論調が、ガラリと変わってきている。このうち、読売新聞(8月12日付け朝刊)に目を向けてみよう。その変わり身の早さに驚かされてしまう。
 定期購読している人は、お手元の読売新聞4面(政治面)を開いていただきたい。①「自民参院会長に中曽根氏」と②「民主党代表選『反菅』で新人囲い込み 山岡氏『小沢擁立を狙う』」③「税制を問う 森田一・元衆院議員 国民の説得に努力を」の3本の記事である。
 ①は、くじ引きで勝った中曽根元首相の長男・中曽根弘文前外相(元文相)が「他党とのパイプば細い」と心配されているが、小沢前幹事長の宿敵だった青木幹雄・元参院議員会長引退を受けて、新しい人脈形成が期待でき、むしろ、大連立すれば、小沢前幹事長=輿石東参院議員会長(日教組闘士)との奇妙な連携の可能性が大となろう。
 ②は、山岡氏の言葉を紹介。「野党と連携し、安定政権をつくれる人が代表にならなければならない。『ねじれ国会』で予算審議が行き詰まれば、来春の衆院解散・総選挙もあり得る」「『ねじれ』国会で2011年度予算案や予算関連法案を確実に成立させるためには、小沢氏が代表にふさわしい」
 ③は、大平正芳元首相の娘婿である森田一元衆院議員(大蔵官僚出身)が、首相秘書官として仕えていた1979年、大平元首相が大型間接税導入の構想を打ち上げて総選挙に大敗した話を踏まえ、消費税アップについて、日本記者クラブで発言した要旨を紹介。「民主党が消費税率を引き上げるのであれば、小沢一郎前幹事長のような力を持っている人が、国のためにどうするかを考えることが大事だ。民主党が5年や10年は責任を持ってやるということでなければ、うまくいかないだろう」
 というように、読売新聞は、国民の思想・感情を「小沢一郎総理大臣」へと組み替えようとしているのが、気持ちが悪いほど、アリアリでミエミエなのだ。これこそ、マイケル・グリーン効果とも言えよう。
◆さて、ここで閑話休題。大日本帝国陸軍の将官・参謀のために説かれた作戦遂行の指導書「統帥綱領」(解説・大橋武夫)のなかから、「会戦」の一節を紹介しておこう。
 「会戦とは、敵を圧倒殲滅する目的をもって、軍以上の大兵団の行う戦闘及びその前後における総称なり。会戦の目的を達成する唯一の要道は攻勢にあり。従って敵のため一時機先を制せられるが如きといえども、なおかつ卓越せる統帥をもって主動権を奪還し、機に投ずる攻勢により、よく戦勢を挽回し、進んでこれを勝利に導くべく、また、戦略上の必要にもとづき一時守勢にたつの已むを得ざる場合ありても、適時攻勢を断行せざるべからず」
 古来防御で戦いに勝ったためしがない。理論と実際が違った結果になるのは、心の問題が原因で、防者には次のような精神的不利があるからである。すなわち、
 一、精神的に萎縮し、消極策に陥って自滅する。
 二、遊兵を生じやすく、決勝点に戦力を集中することができない。
 の二大欠点があり、命をかけた実戦場では、理論を超越して、致命的欠陥となる。
 攻者は戦いの場所、時機、方法を自主的に決定できる。したがって自分の希望する所と時に、主戦力を集中発揮できるが、防者は逆にこれらのことを相手から強要されるばかりでなく、つねに不安におそわれて、いたるところに常時配兵することになり、遊兵(役に立たない兵力)と労兵(疲れた軍医)を作ってしまう。
 なお防御の不利には「勝ってもともとだ」と言うことがある。病気をなおすのに苦労するのと同じで、積極的な効果がない。
 「攻撃は求心、防御は離心」 攻撃は人の心を中心に集中させる(求心)作用をもち、防御は人の心を中心から離散させる(離心)作用をもつ。これが群集の心理である。

 民主党代表選は現在、、序盤戦から中盤戦に移行しつつある。告示(9月1日)から投開票の14日までは、終盤戦となる。
 〔攻勢側=小沢一郎前幹事長・山岡賢次前衆院国対委員長〕VS〔守勢側=菅直人首相・仙谷由人官房長官・枝野幸男幹事長〕という合戦構図である。中間派(最後は勝ち組につく)は、鳩山派、羽田派、横路派、川端派、前原・枝野派。野田派、リベラルの会。
 守勢側の菅直人首相は、「逃げ菅」と言われている。首相番記者の「ぶら下がり会見」拒否、沖縄普天間飛行場問題解決先送り、経団連主催のセミナー出席ドタキャン、北方領土問題で首相官邸訪問の少年たちとの面会拒否、中国訪問を鳩山由紀夫前首相にお任せ-など数え上げたらキリがない。
 この何でもかんでも「逃げ姿勢」の菅直人首相・仙谷由人官房長官・枝野幸男幹事長に対して、国民新党の亀井静香代表や自民党の平沢勝栄衆院議員ら警察官僚出身の国会議員は目下、「カネと女性」「カネと思想」をテーマに悪材料を懸命になって収集しようとしている。かつて亀井静香代表は、細川護熙首相の「カネと女性」問題についてデータをダンボール箱3個分に詰め込んで、細川元首相の最有力後援者だった右翼の大物・四元義隆に送りつけ、この資料を読んだ四元が細川元首相に引導を渡した。これがために細川元首相は、「もはやこれまで」と観念し、突然辞意を表明したのであった。亀井代表は、「カネと女性」問題について、二度同じようなことを行い、細川元首相を議員辞職に追い込んでいる。この実績が、今度は、菅首相らに対しても威力を発揮することになる。

(転載貼り付け終了)