岩上安身による柳澤協二元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)インタビュー
投稿日:2010/06/11 16:40
概要
沖縄の海兵隊の抑止力には以下の三つがある。
1.対北朝鮮の陸戦用
2.中国との軍事バランス
3.アフガニスタン等のアメリカの世界戦略の一部
どれを「抑止力」と呼ぶがによって、意味が全く異なる。
対中国について、
中国の軍事力の中心は、空軍力、海軍力である。
小競り合いは、空軍力、海軍力でおこる。
海兵隊を出すということは、米中直接対決を意味する。
米中の全面戦争を想定すれば、沖縄は、米軍にとっては、中国に近すぎて、叩かれる
可能性が高く、グアムの方が理想的。
日本が、アメリカの中国に対する報復に同意するということは、
日本が、アメリカの対中戦争に参加することを意味する。
当然、その場合、日本は中国との全面戦争を覚悟する必要があるが、「抑止力」
の議論にそのような覚悟がみられない。
現在の日本は、戦略的確信が欠落したまま、場当たり的政治判断がなされている。
軍事力の両義性、
軍事力を増強するということは、相手に脅威を与え、バランスを崩し、かえって緊張を高めることが多分にある。そしてまた、軍拡競争に至る可能性があるので、ほどほどにするのが現実解である。
中国の海軍力、空軍力、核兵器は、すでに、日本に勝っている。日本は、弱者の戦略をとらざるを得ない。
尖閣諸島は、たとえ占拠したところで、爆弾落とせば、ケシ飛ぶ。