古九谷の暗号:加賀藩主・前田利常がつくった洗礼盤 孫崎紀子 (著)
古九谷の暗号:加賀藩主・前田利常がつくった洗礼盤 単行本 - 2019/1/29
孫崎紀子 (著)
加賀藩ゆかりの焼き物「古九谷」。加賀藩第二代藩主・前田利常(としつね/1594-1658)。キリスト教において罪を清める儀式で使用する「洗礼盤」。この3つのキーワードを手掛かりに、歴史の闇に葬られた謎を解いてゆく。南蛮貿易によりキリスト教が布教され、1605年の日本の信者数は75万人ともいわれる。加賀でも高山右近の影響で多くの大名が信者となり、利常の時代にも多くのキリシタン藩士を抱えたが、「バテレン追放令」により、彼らは表向きは棄教する。利常は自分のために犯した罪(大坂の陣等)の洗礼ができるよう、キリシタンのシンボルを忍ばせた古九谷の絵皿=洗礼盤を藩士に贈り、後世には「伝世品古九谷平鉢」と呼ばれるようになった「利常の洗礼盤」。その誕生の背景や過程なども明かされ、興趣は尽きない。(オールカラー)
【目次】
第一章 加賀の利常とキリシタンの間
利常とは?/洗礼とは?/利常は、なぜ、洗礼盤をつくらせたか?/キリスト教と茶の湯/金沢と高山右近/キリスト教の伝来と茶の湯/加賀の一向一揆と蓮代寺/加賀藩前田家の支配/大坂冬の陣・夏の陣/利常の意図/寛永十四年(一六三七)のこと/寛永十五年(一六三八)のこと/寛永十六年(一六三九)のこと/寛永十七年(一六四〇)のこと
第二章 三一二枚の追賞
「利常の洗礼盤」と「古九谷」/後藤才次郎と九谷村/才次郎は釜山へ/「倭館」の釜山窯/九谷村の色絵九谷焼/加賀藩の藩窯「越中瀬戸」/再興九谷
第三章 隠されたキリシタンマーク
「伝世品古九谷平鉢」とよばれてきた「利常の洗礼盤」/「利常の洗礼盤」の素地と同じ窯の山辺田遺跡の色絵/「利常の洗礼盤」に見えるキリシタンのシンボル/キリシタンマークの実例/意図して描きこまれたキリシタンマーク/巧妙に隠されたキリシタンマーク/キリシタンマークのいろいろな隠され方/「利常の洗礼盤」に見られる水の表現のいろいろ/一掃された加賀でのキリシタンの影
第四章 「洗礼盤」の誕生と利常の守り
長崎から来た明の陶工/瓦焼の蓮代寺とは/蓮代寺の飛地/「利常の洗礼盤」の誕生地は、蓮代寺の飛地/「利常の洗礼盤」の誕生を守った武士たち
第五章 炭倉の三人の侍はどこへ
「九谷村の古九谷」誕生への道のり/秘密が守られた陰には、武士たちの繋がりが……
第六章 キリシタンの残照
野村家/脇田家と玉泉園/松平忠輝遺品の古九谷の謎
第七章 利常の関与――図柄はどこから?
狩野派との関わり/漆器制作との関わり/『八種画譜』との関わり/景泰藍(七宝)との関わり/日本の意匠との関わり
加賀藩ゆかりの焼き物「古九谷」。加賀藩第二代藩主・前田利常(としつね/1594-1658)。キリスト教において罪を清める儀式で使用する「洗礼盤」。この3つのキーワードを手掛かりに、歴史の闇に葬られた謎を解いてゆく。南蛮貿易によりキリスト教が布教され、1605年の日本の信者数は75万人ともいわれる。加賀でも高山右近の影響で多くの大名が信者となり、利常の時代にも多くのキリシタン藩士を抱えたが、「バテレン追放令」により、彼らは表向きは棄教する。利常は自分のために犯した罪(大坂の陣等)の洗礼ができるよう、キリシタンのシンボルを忍ばせた古九谷の絵皿=洗礼盤を藩士に贈り、後世には「伝世品古九谷平鉢」と呼ばれるようになった「利常の洗礼盤」。その誕生の背景や過程なども明かされ、興趣は尽きない。(オールカラー)
【目次】
第一章 加賀の利常とキリシタンの間
利常とは?/洗礼とは?/利常は、なぜ、洗礼盤をつくらせたか?/キリスト教と茶の湯/金沢と高山右近/キリスト教の伝来と茶の湯/加賀の一向一揆と蓮代寺/加賀藩前田家の支配/大坂冬の陣・夏の陣/利常の意図/寛永十四年(一六三七)のこと/寛永十五年(一六三八)のこと/寛永十六年(一六三九)のこと/寛永十七年(一六四〇)のこと
第二章 三一二枚の追賞
「利常の洗礼盤」と「古九谷」/後藤才次郎と九谷村/才次郎は釜山へ/「倭館」の釜山窯/九谷村の色絵九谷焼/加賀藩の藩窯「越中瀬戸」/再興九谷
第三章 隠されたキリシタンマーク
「伝世品古九谷平鉢」とよばれてきた「利常の洗礼盤」/「利常の洗礼盤」の素地と同じ窯の山辺田遺跡の色絵/「利常の洗礼盤」に見えるキリシタンのシンボル/キリシタンマークの実例/意図して描きこまれたキリシタンマーク/巧妙に隠されたキリシタンマーク/キリシタンマークのいろいろな隠され方/「利常の洗礼盤」に見られる水の表現のいろいろ/一掃された加賀でのキリシタンの影
第四章 「洗礼盤」の誕生と利常の守り
長崎から来た明の陶工/瓦焼の蓮代寺とは/蓮代寺の飛地/「利常の洗礼盤」の誕生地は、蓮代寺の飛地/「利常の洗礼盤」の誕生を守った武士たち
第五章 炭倉の三人の侍はどこへ
「九谷村の古九谷」誕生への道のり/秘密が守られた陰には、武士たちの繋がりが……
第六章 キリシタンの残照
野村家/脇田家と玉泉園/松平忠輝遺品の古九谷の謎
第七章 利常の関与――図柄はどこから?
狩野派との関わり/漆器制作との関わり/『八種画譜』との関わり/景泰藍(七宝)との関わり/日本の意匠との関わり
出版社からのコメント
石川県九谷焼美術館館長 武腰潤氏推薦!
「古九谷誕生の謎に迫る。知られざる加賀キリシタンと利常の智恵。こんな切り口があったのか!驚きがとまりません。」
著者について
一九四八年生まれ。金沢大学薬学部卒業、同医学部附属ガン研究所助手を経て、一九七一年に結婚後、外交官である夫と共に、ロンドン、モスクワ、ボストン、バグダード、オタワ、タシケント、テヘランに住む。
「マンナ」「ムミヨとウズベク語」「日本語とウズベク語の比較」「舎衛女のうた」などのエッセイ・論文がある。
二〇一四年から二〇一七年まで、上智大学・山岡三治教授「文化交渉学特講」(文学研究科)の講師を務めた。
著書に『「かぐや姫」誕生の謎――渡来の王女と"道真の祟り"』(現代書館)がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
孫崎/紀子
1948年生まれ。金沢大学薬学部卒業、同医学部附属ガン研究所助手を経て、1971年に結婚後、外交官である夫と共に、ロンドン、モスクワ、ボストン、バグダード、オタワ、タシケント、テヘランに住む。2014年から2017年まで、上智大学・山岡三治教授「文化交渉学特講」(文学研究科)の講師を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
* 発売日 : 2019/1/29
* 単行本 : 208ページ
* ISBN-10 : 4768458432
* ISBN-13 : 978-4768458433
* 出版社 : 現代書館 (2019/1/29)
* 言語: : 日本語