「鳩山前首相日本的玉虫色仲裁は重大禍根残す」
「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年8月25日 (水)
「鳩山前首相日本的玉虫色仲裁は重大禍根残す」
民主党代表選に向けての動きが大詰めを迎えつつある。
悪徳ペンタゴンは小沢一郎氏の出馬を阻止しようと懸命の情報工作を続けている。
小沢一郎氏と政治行動を共にしてこられてきた元参院議員の平野貞夫氏が「メルマガ・日本一新」で「メルマガ・日本一新臨時増刊」を配信されたことを「父さんの日記」様が伝えてくださっている。
重要事実が示されているので、緊急で情報拡散をお願い申し上げたい。
以下に平野貞夫氏記事の核心部分を転載させていただく。
「(民主政治を危うくする情報操作)
8月23日の夜から、小沢一郎の代表選出馬はないとの情報が流され始めた。菅支持派からのもので、鉢呂氏を入閣がらみで選対本部長にすることで旧社会党を取り込んだ。仙石官房長官と川端氏の関係で旧民社党の支持を取り付けたというものだ。
これに影響されて、各メディアも口を揃えて「小沢の出馬はない」とのコメントを始めるようになったが、これほど議会制民主政治を冒涜するものはない。このメルマガで幾度も述べてきたが、代表選挙は理念・政策で争うべきであり、旧来の手法である人事で離合集散をくり返せば、これこそ官僚支配に終始した自民党政治の復活でしかない。
菅民主党政権が発足して約3ヶ月、この間、政権交代の党是を放棄し、官僚支配の自民党政治より一層悪質化した。代表選挙は、菅政権のままで国家と国民の存立ができるか否かを問う唯一の機会である。」
小沢一郎氏が出馬しないとの情報が意図的に流されている。
悪徳ペンタゴンは、対米隷属・官主導・大資本癒着の菅政権続投に向けて必死の情報工作活動を展開している。
「小沢氏が出馬すれば党を二分することになる」も小沢氏出馬を阻止するための口実である。2008年秋の民主党代表選で、複数候補擁立を最後まで主張したのはどこのどいつだったか。総選挙を目前に党を二分することが望ましいことだったのか。逆に言えば、党を二分させるために複数候補擁立が要請されていたことがよく分かる。
この時も、老害渡部恒三氏をはじめとする対米隷属悪徳8人衆が複数候補擁立論を最後まで主張していたことを思い起こす必要がある。
もっとも悪質な解説を付しているのがテレビ朝日報道である。
「小沢一郎氏は強制起訴を回避するために出馬を検討している」と報道した。
これは、名誉棄損にあたる。放送倫理にも反する。テレビ局は、そのような見解を述べる議員がいるとの口実を使って逃げるだろうか、このような報道を行うには、本人の意思の確認が不可欠である。
まったく根拠のない虚偽報道を繰り返すことによって、小沢一郎氏に対するネガティブ・キャンペーンを展開しているだけである。
鳩山由紀夫前首相が小沢氏と菅氏の調整に乗り出していると伝えられるが、不当な行動を示すなら、批判は鳩山氏自身に向けられることを忘れるべきでない。
そもそも6.2クーデターにより、日本の政治権力が主権者国民の手から対米隷属・悪徳ペンタゴンに奪取されたきっかけを与えたのは鳩山由紀夫氏自身なのだ。
菅直人氏の反小沢政権樹立に半分手を貸した罪は消えたわけではない。この罪滅ぼしをする意思があるなら、中途半端な仲介は控えるべきである。
そもそも、民主党内における主権者国民派と対米隷属派の対立は本質的なものであり、これまでは、さまざまな経緯で水と油、呉と越が同舟していただけなのだ。
主権者国民が支持したのは主権者国民派の民主党である。米国・官僚・大資本が支配し続けてきた日本政治の構造を、主権者国民が支配する構造に刷新することを支持したのである。
ところが、6.2クーデターにより、民主党の実権を対米隷属・悪徳ペンタゴン派が握ってしまった。その修復を実行するのが9月14日の民主党代表選である。
菅直人氏が口先で挙党一致と発言したとしても信用することはできない。菅直人氏は6月4日の民主党代表選で代表に選出された際に、「ノーサイド」を宣言して挙党体制構築を宣言した。ところが、舌の根も乾かぬうちに反小沢体制を固めたのである。
菅政権が持続すれば、対米隷属・悪徳ペンタゴン政治に突き進むことは火を見るよりも明らかである。菅直人氏はすでに魂を売り払ってしまっているのだ。
国民本位の政治、政局ではなく政策を軸にする政治を実現するなら、対米隷属派と主権者国民派の同居状態を解消することが望ましい。
対米隷属派と主権者国民派では、政策の方向、日本政治の目指す方向が正反対なのだ。
いずれ、民主党は分裂することになる。他の政党も、対米隷属と主権者国民派の区分により二分され、政界全体が再編されることが望ましい。本質的な対立があるのに、表面だけまとめることに意味はない。鳩山由紀夫氏の人柄が良いのは分かるが、政治の本筋をはずれた中途半端な仲介をするのは百害あって一利なしである。
菅政権は存立の正統性をすでに失っている。政治家が自分の言葉に責任を持たず、権力の座にしがみつくことを容認することは、長い目で見て必ず大きな禍根を残す。
平野貞夫氏が指摘するように、
「代表選挙は、菅政権のままで国家と国民の存立ができるか否かを問う唯一の機会」
である。選挙も実施せずに、正統制のない政権を維持することは、昨年8月30日の総選挙のおける主権者国民の意思を踏みにじる行為である。
鳩山前首相は、鳩山氏の判断よりも主権者国民の意思を尊重することの重要性をしっかりと認識するべきである。
(転載貼り付け終了)