「菅直人首相、枝野幸男幹事長らが選挙後の連携視野に第3極へ秋波を送るのは、敵前逃亡に等しい」
「板垣英憲の『マスコミに出ない政治経済の裏話』」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010年07月06日 13時40分09秒
「菅直人首相、枝野幸男幹事長らが選挙後の連携視野に第3極へ秋波を送るのは、敵前逃亡に等しい」
◆「参院選2010 民主 第3極へ秋波-選挙後の連携視野」(読売新聞7月6日付け朝刊4面)、「菅がたくらむ一石二鳥「『11月総選挙』-次は『問答無用解散』だ」(サンデー毎日7月18日号)などと新聞、週刊誌は賑やかである。どれもこれも現在の民主党の分裂選挙を計算外においている。もちろん、一番勘違いしているのは、マスコミよりも菅直人首相、枝野幸男幹事長であることが、余計な混乱と憶測を招いている。
◆民主党の反主流派である小沢派とこれに同調する派閥が、参院選挙後、何も言わずに黙って菅直人首相、枝野幸男幹事長らに従っていくことが確実であるのならともかく、そんな生易しいものではない少なくとも小沢派が、ごっそり民主党から抜けたらどうなるか。民主党衆院議員は307人のうち小沢派は130人(42・3%)、参院議員は選挙後増減するが、改選前は116人のうち小沢派は37人(31・9%)という勢力を保有しているので、全員が小沢一郎前幹事長に従うとは限らないものの、民主党が分裂すれば、菅政権はたちまち瓦解してしまう。いきなり分列しないとしても、9月末の代表選挙で菅首相が再選されるという保証は何もない。
◆仮に菅首相が再選されたとして、「菅がたくらむ一石二鳥「『11月総選挙』-次は『問答無用解散』だ」というように、菅首相が決断し、伝家の宝刀を抜けるかといえば、空想にはあり得ても、現実は自殺行為になる。衆院議員142人が、一年生議員(100人近くは、小沢派)である。よほど頑張らなくては再選は難しい。それは「小泉チルドレン」の惨状を見れば明らかである。菅首相が小沢派を減らそうと意図して、現実に思い通りになったとしても、返り血を浴びて、民主党が過半数割れして、菅政権は、瞬く間に潰れてしまうだろう。
◆つまり、菅直人首相、枝野幸男幹事長ら主流派は、消費税アップなどの政策論議にかまけて、参院選挙後の政局にまったくと言っていいほど、ノー天気に見える。それは、連立与党の国民新党はもとより第3極勢力を目指している小政党に対して、実に「非礼」の限りを尽くしているからである。たとえ小なりと言えども、それぞれの党首は、いずれも一国一城の主である。枝野幹事長は、「大政党の懐の深さを示す」という姿勢で、「秋波」を送っている。しかし、これは傲慢というものである。しかし、それ以前に参院選の真っ最中であり、全国各地で候補者がドンパチ、死闘を繰り返している最中に、最高指揮官が負け戦に尻込みして、敵前逃亡するかのような発言をしたのでは、士気が粗相してしまう。とくに「みんなの党」などと戦っている候補者にとっては、最高指揮官の手で背後から鉄砲の弾を打ち込まれるようなものである。「連立」を前提とした発言は、まだ早いのである。
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