「私は小沢一郎を支持する(2)~魚住昭」

投稿日:2010/09/05 07:40

「ゲンダイ的考察日記」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010/09/04(土) 22:36:35
「私は小沢一郎を支持する(2)~魚住昭」

金持ちから貧しい人に富を分配する「社会民主主義」的な政策が有益なのは歴然
菅体制がこのまま続けば、ごく一般的な生活者にとってヒドイ政治になる。小沢さんは代表選に勝って、それを阻止してほしいと思っています。

なぜそう思うのか。菅政権の考え方が「新自由主義」だからです。つまり資本の論理が第一で、金持ちの人や企業の利益を優先する。これは小泉政権下の構造改革路線と全く同じです。資本の論理をムキ出しにした政治をやれば、国民の大多数は貧困のドン底に突き落とされてしまいます。

小泉構造改革路線を踏襲しているから、消費税増税や財政支出抑制といった話が出てくる。しかし、政策の中にあからさまに資本の論理を掲げるわけにはいかないため、「クリーン」や「オープン」といった抽象的な言葉でゴマかしているのです。

対する小沢さんの政策は極端に言えば「社会民主主義」。金持ちから貧しい人に富を分配する考え方です。それは政策を見てもハッキリしています。例が「子ども手当」の満額支給です。仮に子どもが3人いた場合、月額7万8000円が家計に入る計算ですが、これは首都圏では難しいが。家賃が安い地方なら、収入が低くても暮らしていける金額です。「子ども手当」ですべてが救われるわけではないが、収入の低い人も生活ができるという最低限の生活保障や「安心感」がもたらされることになるのです。

年収200万~300万円の貧困層が増えている中で、人間社会にとって基本的な単位である「家族」が営めるようになるのは、非常に大きなことだと思います。

メディアは「国民不在」「政策論争なし」などと報じていますが、今回ほど争点が明確な代表選はありません。金持ちだけが裕福になる「新自由主義」がいいのか、それとも皆で支え合う「社会民主主義」がいいのか、ということです。本来は、生きていくのに精いっぱいで、政治との関わりを持てない生活者の声なき声を生かすのが政治の役目。小沢さんの支持者の多くは、地方の有権者だから、こうした実情が耳に入るが、菅首相の支持者は、都会でいい生活を送る、いわばエリート層だから、よく分かっていないのです。

政治とは「言葉」。小沢さん、菅首相双方の政策を吟味して比べれば、どちらが我々(国民)にとって有益なのかは一目瞭然です。安全保障に対する考え方など、小沢の政策には(私にとって)相容れない部分もあり、支持は「期間限定」ですが、今の局面では小沢さんに勝ってほしいと考えています。

▽うおずみ・あきら 1951年、熊本県生まれ。一橋大法学部卒業後、共同通信に入社。87年から司法記者クラブに在籍し、リクルート事件などの取材に携わる。96年、フリー。共同通信社会部チームで連載し、その後出版した「沈黙のファイル 『瀬島龍三』とは何だったのか」で、日本推理作家協会賞受賞。04年に「野中広務 差別と権力」で講談社ノンフィクション賞受賞。「特捜検察の闇」「冤罪法廷」など著書多数。
【私は小沢一郎を支持する 連載②】より

(日刊ゲンダイ 2010/09/03 掲載)

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社会主義的な政策を歓迎するわけではありませんが、現在の行き過ぎた格差是正のためには必要なものだと思う。

野田は財務官僚の代表か
小沢の主張に「財源が見えない」と反発
これでは小沢前幹事長が熟慮の末に立ったのもうなずける。3日の閣議後の会見で、役人に“洗脳”された経済閣僚から、ビックリするような発言が次々に飛び出したのだ。

野田佳彦財務相は、小沢が子ども手当の2010年度からの満額支給など、09年衆院選マニフェストの完全実施を目指す政策を打ち出していることに対して、「財源をどう確保するのか明確に見えてこない」と批判した。まるで財務官僚のような言い分。すっかり官僚に取り込まれている。

衆院選マニフェストは、民主党が国民と約束したものである。国民は、そのマニフェストに期待して民主党政権を選択したのだ。野田も財務大臣なら、マニフェスト実現のために脳ミソとカラダをフル回転させ、財源確保を目指す努力を続けるのが当然だろう。それが国民主権の政治主導である。役人の代弁をするだけの大臣など必要ないのだ。
菅内閣に政治主導はムリ
「何ら成果を残していない野田は、国民から“怠慢”“無能”と批判されても仕方がない。それが無反省で小沢さんを批判するのだから、呆れます。勘違いも甚だしい」(民主党関係者)

荒井聡経済財政担当相も、ひも付き補助金の見直しなど「ムダ削減で財源が出る」という小沢の主張に対し、「行政の無駄を省くだけで、どれだけの財源が出てくるのか」とか言っている。荒井は菅の腹心だ。その男が財務官僚か自民党議員のような批判をするのだ。

ほかにも、「政治主導の予算配分はこれから」(前原国交相)、「1兆円単位の特別枠は過去にない取り組み」(野田財務相)なんて言い訳も出ているが、菅内閣に「政治主導」を期待するなんてどだいムリなのである。

(日刊ゲンダイ 2010/09/04 掲載)

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こんな大臣たちでは政権交代の意味がありません。
ところで、選挙のたびにマニフェストを変えられたのでは、国民は戸惑います…。

(転載貼り付け終了)