「小沢さんの「白紙の色紙」に「百術不如一誠」という文字が見えた(昨日の反省から)」

投稿日:2010/09/03 13:39

「日々坦々」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010/09/03(金) 10:37
「小沢さんの「白紙の色紙」に「百術不如一誠」という文字が見えた(昨日の反省から)」

昨日のエントリーで、あまりに菅陣営のメディアを意識した姑息な戦略を目の当たりにして、小沢陣営ではもっとメディア戦略を意識したほうがいいのではないか、「心配」だ、と書いた。

これについて、「インナーマザー様」からコメントいただき、即、反省させられた。
その視点の高さには、いつも驚かされ、唸らされる。

多くの方に読んでいただきたい思いで、ここにもアップさせていただくことをお許しいただきたい。

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制御出来るという発想が落とし穴

小沢さんにスピン技術を指南する「コントロール出来る側近」を求めてしまう発想自体が落とし穴になると思います。

菅さんは左翼思想の構築主義者ですから、人間の知恵で設計したプランで人的コントロールが可能だと思っている。だから発言する言葉の中に、敵をネガティブな印象に誘導するキーワードを埋め込みます。国民を操作、制御出来るという「動員」の発想です。頭の中で構築した人為的な設計図に従えば国民をスピンコントロール出来ると考えているのでしょう。
目に見える国民だけを目に見える理念だけで動員可能だと思い上がっていますからスピン技術に頼るのでしょう。

小沢さんは右翼・保守思想ですから、人間は偏見を越えられない生き物だと分かっています。己の偏見も国民の偏見も包摂してまず認める。人智の限界を認めるところから出発します。国民をスピン出来るという発想には立ちません。人為的工作には限界があると分かっているからです。
もちろん基本的な心理戦術は取り入れていますが、国民をコントロールするという発想は小沢さんにとって二義的な問題です。

小沢さんは自分と国民を動かしている力は、賢しらな知恵ではなく歴史の流れだと感じ取っています。
人智の外側にある目に見えない何かによって自分は動かされている。だから人為的なスピンを駆使して小手先の技に溺れる賢しらな手は使わないでしょう。今回の小沢さんは政治理念を超えた歴史の必然に導かれていますから、勝ち負け、生死に関わらず国民とつながり続けて行く。

小沢さんは自分を嫌い、憎み、恐れる国民をすべて包摂して、国民の捨て石になる覚悟が伝わって来ますから、スピンごときを心配する必要はなく、相手の土俵に乗ってスピンゲームに興じるとかえって歴史の流れを見失います。

菅さんは、国民がコントロールされる無思考な「愚民」だという発想に立ちます。結論はエリートの人為で構築出来るというイデオロギー信仰です。

小沢さんは、国民が魂で考える「思考する世論」だという発想に立ちます。結論は国民を経由して人智を超えた北極星の妙見様が導くという信仰です。

ですから、あまりスピンに依存する必要もなければ、勝ち負けの結論に執着し過ぎない構えが何よりの応援歌になると思います。

小沢さんには二つの機能が体現されています。「私が首相になる」という当事者としての「わたくし」の機能と、「われわれが主人公になって歴史を進める」という「おおやけ」の機能です。
換言すれば、「私はこう思う。あなたはどう思いますか。一緒に考えて行きましょう」という姿勢です。私とあなたが一緒に考える。そして結論は天から降りてくるのだという弁証法で貫かれている。
畏ろしいくらいに国民との一体感を取り戻そうとしています。

官僚はアメリカに、マスコミは官僚に形而上的な畏れを抱いています。
しかし小沢さんは国民に形而上的な畏れを抱き、同時に天に畏れを抱いています。それが国民の集合的無意識を刺激し「繋がっていく」のだと思います。

官僚やマスコミがこのような小沢さんの「天と国民を結び合わす蝶番のような機能」を恐れるのは無理もない。自分に理解出来ない天地人を恐れて攻撃するのは、目に見える利権だけで物語を構築しようとする賢しらな人間の限界です。

小沢さんの危うさは良くも悪くも、われわれが忘れていた国民の絆に気付くためのプロセスだと思います。
報道のうずまきに飲まれないように、スピンな人智の原理とは別の「天の視座」があることを小沢さんは教えてくれたのだと思います。

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このコメントを読んで、そういえば、と小沢一郎ウェブサイトに出ている色紙を思い出した。

「百術不如一誠」(ひゃくじゅつはいっせいにしかず)
百の術策も一つの誠意には及ばないという意味の言葉です。

「敬天愛人」 天をうやまい人を愛すること。
「至誠通天」 まごころをもって事に当たればいつかは認められる。

若い頃から歴史に興味があり、幕末から明治維新にかけての色々な書物を読んだが、なかでも維新の功労者、西郷隆盛の「敬天愛人」「至誠通天」という言葉が好きだ。「人を愛し、誠意を尽くす」というのは、政治はもちろん、人生において重要な部分だと思っている。

昨日エントリーの「心配」は全くもって杞憂であり、心配する必要の無いことがよくわかった。反省しきりである。

14日までつづくこの戦いに、重要な視座を与えていただいたと、貴重なコメントに感謝申し上げたい。

さて、色紙と言えば、昨日の会見で小沢さんは白紙だった。

これに対して「やっぱり小沢さんは説明責任を果たしてない」だの、「説明不足」だのと批判がある。

それぞれの立場で、想像力を駆り立てられ、言葉を入れたがる。

フジテレビの「特ダネ」でコピーライターの谷山雅計氏が、二人の色紙について面白いことを言っていた。

菅さんの「初心を貫く」は菅さんが政治家を目指したきっかけがロッキード事件だったと、いうことから
おそらく「カネと対決するぞ」という意気込みを書いたのではないか、というようなことを言っていた。
この「初心」と言う言葉に皮肉を入れているという分析。

また小沢さんの白紙については、「コワモテな人間なんだけど、ボクは実はこういう洒落っ気のあるお茶目な人間なんだよ」
という部分を言いたかったと思いつつ、一方では「無言で睨みを効かせるよ」というものが含まれている。
と言っていた。

このひろがりからも、言葉以上のものが、白紙の中にはあるようだ。

この色紙で私が感じたことは、菅さん全体のバランスの悪さが、まず、気になった。
自分の名前がほとんど半分を占めていて、どの文字よりも大きい。
それに比べて、一番重要な言葉だと思われる「初心」があまりに力なく小さく、しかも誤字だった。

これを私流に分析させていただくと、全体の印象は、かなり精神的に追い込まれてバランス感覚を失っている。
ただ、自分の名前だけは、堂々と書けていることに象徴されるが、権力欲はかなり強いものがあり、意欲は満々といったところ。

それこそ、心理学の専門家に鑑定・分析してもらいたい。

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また、これも特ダネでの一コマなのだが、昨日の代表選の会見の質問者は、錚々(そうそう)たる顔ぶれで、日本を歪めている記者クラブメディアの代表であり象徴的人物達といったところである。

原田亮介・日本経済新聞編集局次長
倉重篤郎・毎日新聞論説副委員長
橋本五郎・読売新聞論説委員
星浩・朝日新聞編集員

まず最初に、質問者一人ひとりが挨拶をしている映像が流れ、そのたびに小沢さんも会釈しているが、その横で座っている菅さんは顔を見るでもなく、気にもせずに下を向いて資料か何かを読み込んでいて、まったく余裕が無い様子が映像で映っていた。(この映像は他では流れていない)

色紙と含めて面白かった。

まあ、この4人の質問内容などを聞いていると、よくわかったのが、「マスメディアの劣化」ということだ。

国民の知りたいこと、国民にとって重要であろうことは一切質問せず、ワイドショー的観点での質問に終始したといえる。

そこには、国民を代表して質問しているという意識が皆無だった、といえる。勿論そんな意識はハナから持っていないとは期待はしていないが・・・。

これに対する小沢さんの受け応えで、内容はともかく、メディアからの陳腐な質問を誠実には答えてはいたが、ちょっとした言葉じりで、メディアに対する姿勢が、表れていてまたこれも面白かった。

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挙党態勢で公示前のゴタゴタについて

――それなら、何でそれほど迷走したのか。

小沢氏「あん?」

――もう一つ確認しておかなければいけないが、小沢氏が代表に選ばれても、総理は他の人がやるのではないかという、総理と代表を分離するのではないかという人もいる、見方もある。

小沢氏「ああ、そうですか」

 ――そういうことは絶対ないと、ここで言い切れるか

 小沢氏「それは私個人レベルの話ではなくて、議院内閣制ですから、・・・」

財源について

――そのときに地方に落ちる総額が減ることになる。いくら国についているものを地方に移しても、移す分が減る

小沢「ですから余るっちゅうことですよ。予算がそこから捻出できるっちゅうことですよ・・・」

――菅氏ではねじれ国会を乗り切ることはできない。だから小沢氏だ、ということだが、それはどういう形で乗り切るのか、国民に示し、説明する必要があるんではないか

 小沢氏「また説明責任ですか、ははは(笑)。・・・」

――外国が日本を心配している。存在感がない。これから総理大臣になる人は大きな国家戦略をきちんと示す必要がある。「国民の生活第一」は当たり前だ 

 小沢氏「だから政権交代になったんですよ!!!」

――小沢氏に聞きたい。健康問題はどうなのか

 小沢氏「健康?身体?」

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こうしたマスメディアを代表するようなお歴々が、これでは、それこそ開いた口が塞がらなくなる。

こんなマスメディアによってつくられた世論など気にする必要は全くない。

ネット投票では圧倒的に小沢さんが勝っている。

報道調査は完敗 小沢ネットでは“優勢”(ZAKZAK 2010.08.30)
≪民主党代表選をめぐるインターネットの世論調査で、小沢一郎前幹事長が、菅直人首相を上回る数字を獲得していることが分かった。小沢氏には心強い援軍か。ロイター通信のオンライン調査では30日正午現在、「小沢氏3692票、菅首相3663票」と、29票差で小沢氏がリードしている。また、「世論調査.net」というサイトのアンケートでも「小沢氏101票・菅首相51票」と、母数は少ないが小沢氏がダブルスコア状態。果して、党員・サポーター票に近いのは?≫

参照

●Yahoo!みんなの政治投票<「計 3736 票」
◆小沢一郎氏・・1915票(51%)、◆菅直人氏・・1220票(33%) ◆棄権・・601 票(16%)

●≪毎日新聞世論調査の「首相にふさわしい」菅氏が78%で、小沢氏の17%は妥当かどうか≫毎日新聞
◆民意を反映してない変な数字・・84.7%、◆民意を反映した妥当な数字・・15.3%

●YOMIURI ONLINE みんなのYES/NO 
小沢一郎氏が民主党代表選に立候補します。支持しますか、支持しませんか?
◆支持する・・76%、◆支持しない・・24%

● @nifty投票「3384票」 
菅内閣と小沢内閣、全体的にどちらが期待できますか
◆小沢内閣・・2856票(84%)、◆菅内閣・・152票(4%)

●ロイター:民主党代表選に小沢前幹事長が出馬へ。あなたは誰を支持しますか? 
◆小沢一郎氏 (7352 票, 44%)、◆菅直人氏 (7279 票, 43%)、◆その他 (2177 票, 13%)

ロイターが接戦なので皆さんも清き1票をお願いいたします。

(転載貼り付け終了)