「天下り根絶・企業献金禁止に背を向ける悪代菅」

投稿日:2010/08/04 06:44

「植草一秀の『知られざる真実』」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年8月 4日 (水)
「天下り根絶・企業献金禁止に背を向ける悪代菅」

政権交代の実現はゴールではなく、スタートである。菅直人首相は、7月29日の民主党両院議員総会で、「政権交代が実現して、政治家としての最大の目標が実現した」と述べたが、菅首相が述べなかった本音の本音は、総理大臣になることこそ、政治家としての究極の目標だったのではないか。
 
 その究極の目標を手に掴んだ以上、死んでも総理の椅子は手放したくないのだろう。
 
 政権交代が実現しようが総理大臣に就任しようが、そのうえで、日本政治を刷新しないのなら、何の意味もない。
 
 菅首相は6.2クーデターにより、民主党内少数の対米隷属派議員と結託して、日本政治の実権を不当に奪取してしまった。政権交代は日本の主権者国民が日本の歴史上、初めて実現した権力の掌握であった。歴史的な偉業だった。
 
 政権交代のよって樹立された政権は主権者国民の意思に沿って運営されなければならないが、菅首相を含む対米隷属市場原理主義者たちは、主権者国民の意思に反する自分たちの利益を充足するための政治を始めてしまった。
 
 政権交代に託された三つの政治課題は以下の通りだ。
①官僚の天下りを根絶すること
②企業団体献金を全面禁止すること
③対米隷属外交を排し、自主独立外交を確立すること
 
 さらに、
④取り調べ過程の全面可視化
⑤市場原理主義から共生重視主義への転換
も、必ず実現しなければならない課題である。
 
 ところが、これらの五つの重要課題がすべて脇に放り出され始めている。
主権者国民政権は6.2クーデターにより破壊されてしまったことを、主権者国民は正確に認識しなければならない。米官業政電の悪徳ペンタゴンは小沢一郎氏を軸とする主権者国民政権に対して、激しい攻撃を展開し続けてきたが、その延長上で6.2クーデターが実行され、悪徳ペンタゴンが日本政治の実権を奪還してしまったのである。
 
 8月3日の衆議院予算員会でみんなの党の江田憲司氏が質問に立った。みんなの党は対米隷属と市場原理主義を基本政策に据えていると見られ、悪徳ペンタゴンの一味であると見なさねばならないが、天下り問題および企業団体献金全面禁止に関する民主党に対する批判は正当なものである。
 
 菅直人氏は官僚主権構造を打破することを訴え続けてきたはずだ。天下り根絶も強く主張してきた。ところが、財務大臣に就任し、総理大臣の椅子が視界に入ってから、まったく別の人物に入れ替わったのではないかと思われるほど、基本姿勢が変質してしまった。

現政権の下で、天下りはこれまでの役人パラダイス=天下り天国に完全に復帰してしまった。
 
 天下りを根絶するには、
①公務員に対して定年までの就労を保証する
②公務員人件費を抑制するために、年功制賃金体系を変える
③公務員に労働基本権を付与して公務員に対してもリストラを実施すること
④公務員を退職する直前10年間に関与した業界、企業、団体には、退職後10年間は就職できないことを法定化すること
⑤独立行政法人などの政府系機関を徹底的にスリム化すること
などの施策が不可欠である。
 
 ところが、菅政権の下で、天下りが根絶される可能性はほぼ消滅している。役所による天下りのあっせんを禁止しても、OBが支配する天下りを容認するなら、天下りは完全に温存されることになる。
 
 玄葉光一郎担当相は蓮舫行政刷新相が事業仕分けによって不要な政府系機関を廃止すると答弁したが、事業仕分けによって、どれだけの機関が廃止されたのかを示して発言するべきだ。事業仕分けなど、これまでの実績はゼロに等しく、単なるガス抜きの域を出ていない。
 
 企業団体献金全面禁止を法制化する政府案をいつ国会に提出するかについて、菅首相は何も答えなかった。政府が何の行動を示さないなかで、みんなの党には、法案提出権も確保されたのだから、法案を提出されたらどうかなどと、開き直った発言を繰り返した。
 
 「政治とカネ」の問題に根本からメスを入れる考えを持つなら、企業団体献金全面禁止を実行するしか道はない。この制度が導入されれば、日本政治は根本から大変革する。
 
 しかし、政治を私物化してきた大資本は、企業団体献金全面禁止に猛烈に反対する。利権政治屋も利権の源を断つことを意味する企業団体献金全面禁止に猛反対する。
 
 菅直人氏はもはや、完全に悪徳ペンタゴンの使い走りに堕したと言わざるを得ない。

 
 
 菅直人氏は2002年に、抑止力の視点から海兵隊が沖縄に駐留する必要はないと明言している。それが、総理の椅子が視界に入って以降は、米国の言いなりの人間に堕してしまった。
 
 菅民主党は参院選マニフェストから「取り調べ過程の全面可視化」を消した。また、消費税大増税凍結公約を、党内での民主的な論議を経ることなく、消費税大増税実施公約に変更してしまった。
 
 菅直人政権に主権者国民政権を名乗る資格も内容もない。菅直人政権はまったく正統制を保持しない政権である。
 
 菅首相自ら、菅政権に対する信任を問う国政選挙であると規定した本年7月11日の参院選で、菅政権は国民から鮮明なレッドカードを突き付けられた。
 
 メディアは悪徳ペンタゴンの一味であるから菅政権を擁護しているが、主権者国民は菅政権の続投を容認していない。
 
 大きく歪められた日本政治刷新の道筋を正道に戻す最重要の機会が9月の民主党代表選になる。民主党は菅直人氏を退陣させ、正統制を持つ主権者国民政権を再樹立しなければならない。
 
 そのうえで
①天下り根絶、②企業献金全面禁止、③対米隷属からの脱却
の三大課題を確実に実現させなければならない。

(転載貼り付け終了)