「会見の二人をみて「月とスッポン」「天と地」その差は歴然だが心配が一つ」
「日々坦々」から貼り付けます。
(転載貼り付け開始)
2010/09/02(木) 08:24
「会見の二人をみて「月とスッポン」「天と地」その差は歴然だが心配が一つ」
代表選での共同記者会見は、ちょうどオンタイムで最初からテレビで観ることができた。
大きく二つの感想を持っている。
一つ目はその印象からである。
二人が並んだ画像を見た瞬間から、その力の差は歴然と顕(あらわ)れていた、ということだ。
以前、ヒクソン・グレイシーという、とんでもなく強い格闘家がいた。
当時、「400戦全勝で負けなし」というキャッチコピーがついていて、日本では高田延彦氏と対戦した相手ということで知っている方もいると思う。
アメリカでブラジリアン柔術を広めるためにグレイシー一族が立ち上げたといわれる「UFC」という興行団体で何回も優勝したホイス・グレイシーが「兄はオレより10倍強い」と言ったのをきっかけに、一躍有名になった。
そのヒクソンは、山に籠もって瞑想したり、ヨガのような独特な呼吸法をしたりして、強靱でしかも柔らかい肉体と共に、身体からあふれ出ているような、強い精神力が伝わる、心技体を兼ね備えた最強の格闘家といわれていた。
何故こんな話を出すかというと、昨日の二人の代表選における記者会見でヒクソンを思い出したからだ。
高田延彦がヒクソン・グレイシーと戦いたい、ということを実現するため、彼の周りにいた人達が「PRIDE」という興行団体をつくりイベントを行った。
最初の対戦は圧倒的強さでヒクソンが勝ったが、その一年後、高田がリベンジとして再度、ヒクソンと戦った。
ちょうどその試合をリングサイドから観られる機会を得て観戦したが、二人がリングに揃った瞬間に、既に勝負あったと思った。
ヒクソンから出ている動物的とも言えるものすごいパワーや、落ち着いた中で虎視眈々と狙いを定めている、その立ち居振る舞いなど、余裕からかもしれないが、高田延彦氏には悪いが、その差は歴然、小学生と大人がやるような、試合前から勝負はあったと感じた。
試合内容は1戦の時よりもよかったが、ヒクソンが手加減をして、少し高田選手にやらせてあげていた、という印象だった。
余談・前置きが大変ながくなってしまったが、この絵を小沢さんと菅さんが並んだ時に、思い出したのだ。
二人が並んだのを見た時に、40年の議員生活の中の20年間、だた、ひたすら日本を普通の国にするために走り続け、何度も打ちのめされて、それでもなお立ち上がり、昨年ようやく政権交代を達成した。
その政権交代に対する思いや政治改革に対する執念、国民との約束に対する信義の捉え方、国家ビジョンなど、全てにおいて「月とスッポン」比べ物にならない。
小沢さんにとっては政権交代が目的ではなく、その上で政治主導で国民のための政治にすることであり、今までの官主導で疲弊した社会システムを改革しつつ、二大政党制をつくることにある。
カンさんにとっては政権交代は、ただ権力を奪うことだと考えていたのだろう。
この違いは、まさに天と地ほどの差がある。
********** ******
もう一つの感想としては、カンさんの話の中に流れる仕掛けが計算しつくされているということだ。
政策などを淡々と語る小沢さんに対して、カンさんのは、誹謗、中傷、悪意を内に含んだ、聞いていても気分が悪くなるようなものばかりだった。
そのカンさんの隠れている言葉を文字化してみると、
≪私は清廉潔白な市民運動家出身でクリーンだけど、あたなはあのロッキードでつかまった田中角栄を師と仰いでいるんでしょ。そもそも出自が違うんですよ。≫
≪消費税でよく私が批判されますが、小沢氏が代表の時にはしっかりマニフェストに書かれてますよね。あなたも増税論者じゃないんですか≫
≪参院選には負けましたけど、ねじれになったことは結果的に良かったと思っています。≫
≪小沢さんが総理というイメージがどうもわかない。予算委員会に座っている場面が想像できないなんですよ。お体は大丈夫ですか?心臓は耐えられますか?本会議をよく欠席してますが持ちこたえられますか?≫
もう、書いててイライラしてきた。
そこには政策を語るというよりも、全てにおいて小沢批判を言葉の端々に含め、あるいは批判に繋がるものを連想させる言葉を意図的に出している、ということがよくわかった。
まず、カンさんは「クリーン」と言う言葉を多く使い、暗に小沢さんをダーティイメージを浮き立たせる。
また、世論調査の結果を後ろ盾に、小沢さんには国民の支持はないから、総理の資格はない、と印象づけている。
これに呼応するかのようにメディアがその部分を大きく取り上げている。
姑息ではあるが、「メディアリテラシー」や「スピンコントロール」に長けた人物が、しっかり戦略を立てていることがよくわかる。
それに対して小沢さんは、あくまでも淡々と述べ、政策重視だが、そこにはメディア戦略というものがなかった。
同じ土俵に乗ることはない、と言われそうだが、これも今や考えていく必要があると思う。
「小沢総理」を確実なものにしていくためにも、誰かしっかりコントロールできる側近はいないのか?
(転載貼り付け終了)