「主権在米菅政権では政権交代実現の意味がない」

投稿日:2010/08/16 06:29

「植草一秀の『知られざる真実』」

(転載貼り付け開始)

2010年8月15日 (日)
「主権在米菅政権では政権交代実現の意味がない」

9月14日に民主党代表選が実施される。
 
菅直人氏が分断した民主党は二つの勢力に分かれて代表選を戦うことになると考えられる。
 
 昨年8月30日の総選挙を経て、政権交代が実現した。政権交代は日本政治構造の刷新を希求する主権者国民が達成した偉業である。
 
 これまでの日本政治は、米国、官僚、大資本に支配され続けてきた。日本政治を支配する米官業トライアングルは政治屋(政)とマスメディア(電)と結託して日本政治を支配し続けてきたのである。これが「米官業政電=悪徳ペンタゴンによる日本政治支配構造」である。
 
 政権交代は長く続いたこの基本構造を刷新するために主権者国民が実現させた無血革命である。
 
 政権交代によって実現しなければならない喫緊の課題は、具体的には、
①対米隷属外交からの脱却
②官僚天下り利権の根絶
③企業団体献金の全面禁止
である。
 
 ①対米隷属外交からの脱却で、試金石になったのは普天間移設問題である。鳩山前首相は、普天間基地の移設先について、「最低でも県外、できれば海外」の方針を明示し、新政権の最大の課題として普天間問題を位置付けた。
 
 しかし、本年5月28日に示した政府案は辺野古海岸を破壊する基地建設案だった。岡田克也外相、前原誠司沖縄担当相、北澤俊美防衛相などが結託して米国に隷従する提案を示したと見られる。
 
 鳩山政権は普天間問題で主権者国民の意思を踏みにじる辺野古海岸破壊基地建設案を主権者国民の頭越しに米国と決定してしまったために内閣総辞職に追い込まれた。
 
 したがって、菅直人政権は岡田克也外相、前原誠司沖縄担当相、北澤俊美防衛相を更迭したうえで新体制を構築し、日米合意の見直しに着手すべきだった。
 
 しかし、菅直人政権は主権者国民に何らの説明もなく、日米合意を絶対のものとして政権を発足させた。日本国民の主権など眼中にないようである。主権在民政権ではなく主権在米政権である。
 
 ②官僚天下り根絶も完全に雲散霧消しつつある。天下りを根絶するには、たとえば退職直前10年間に関与した企業、業界、団体に退職後10年間は就職できないことを法制化する必要がある。ところが、菅政権は官僚の民間企業への天下りを根絶するどころか、逆に積極推進し始めている。
 
 ③「政治とカネ」問題を根絶するには、企業団体献金を全面禁止することが不可欠である。そのうえで、残る不透明なカネの温床となっている、「政党交付金」と「官房機密費」の透明性を確保する制度の確立が不可欠である。
 
 こうした根本的な対応なくして「政治とカネ」問題の解決はありえない。これまでの問題については、法令に基づいて厳正に対処すればよい。しかし、事実関係が明確でないことについて、単なる憶測から政治的な思惑で特定個人を攻撃することは、基本的人権尊重の視点からこれを糾弾しなければならない。

菅直人首相は参院選に際して、参院選が菅政権に対する国民の信任投票になることを明言した。その参院選で民主党が大敗したことは、主権者国民が菅政権に不信任を示したことを意味する。菅首相は自らの言葉に責任を持ち、首相を辞任するべきである。
 
 この後継代表を選出するのが9月14日の民主党代表選である。もっとも望ましいのは小沢一郎氏が新代表に就任することである。小沢氏周辺の「政治とカネ」問題が存在することを、小沢氏が代表に就任すべきでない理由に提示する人が多いが、小沢氏の問題は何も明らかにされていない。
 
 秘書や秘書経験者が逮捕されたが、内容を詳細に検証すれば、本来、刑事事件として取り扱われるような内容ではないことが明らかである。小沢氏の説明責任を問う声があるが、指摘されている内容を踏まえれば、小沢氏は十分に説明責任を果たしている。客観的な犯罪事実が明確でもないのに証人喚問を求めることは正しい対応でない。
 
 小沢一郎氏が健康上の理由で代表就任、総理大臣就任を固辞するなら、小沢氏に就任を強要することは妥当でない。その場合には、民主党内の主権者国民派議員の総意を結集できる人物が代表に就任するべきである。原口一博氏、海江田万里氏などは有力な候補者である。
 
 小沢一郎氏に対する検察の不起訴決定を不服として東京第五検察審査会に審査申し立てを行ったのが、「在日特権を許さない市民の会」(「在特会」)の桜井誠氏であることがネット上で明らかにされている。
 
 「杉並からの情報発信です」様が、この問題を丹念に追跡してくださっている。
 
 この「在特会」幹部4人が8月10日、京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)の周辺で拡声器を使い授業を妨害したなどとして、京都府警に威力業務妨害容疑などで逮捕された。
 
 この問題については稿を改めるが、検察審査会への審査申し立てについては、「審査申立は、告訴者、告発者、事件についての請求をした者、犯罪被害者(被害者が死亡した場合においては、その配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹)が出来る」(検察審査会法第2条2項、30条)と定められており、在特会代表桜井誠氏による審査申し立ては、この規定に反しているとの指摘がある。
 
 詳しくは「杉並からの情報発信です」様の各記事を御参照賜りたい。
 
「小沢幹事長を「東京第五検察審査会」に告発したのは「在特会」代表桜井誠氏だった!」
 
「「東京第五検察審査会」の「小沢幹事長起訴相当」議決は検察審査会法違反で「無効」」
 
「「在特会」にようやく警察の捜査」
 
 小沢氏に対する検察とメディアが結託した攻撃は常軌を逸しており、政治謀略の疑いが濃厚である。
 
 政権交代後の政権の変質が生じたのは6.2クーデターを契機にしている。民主党の実権が対米隷属派によって主権者国民派から奪取された。民主党代表選では主権者国民派が対米隷属派から民主党の実権を奪還しなければならない。

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