「フィナンシャル・タイムズの「The wrong man for Japan」論説について

投稿日:2010/09/01 06:50

「反戦な家づくり」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010-08-31(Tue)
「フィナンシャル・タイムズの「The wrong man for Japan」論説について
小沢氏の出馬は歓迎しつつも、気になることを書いてみる」

■フィナンシャル・タイムズの記事

反小沢の人々が、大喜びで引用しているフィナンシャル・タイムズの「The wrong man for Japan」という記事は、たしかに内政干渉そのものの、激烈とも言える小沢誹謗記事になっている。

英フィナンシャル・タイムズが、「小沢氏が日本の首相には良くない男だ」という根拠は、二つ。

一つは、対米従属ではないこと。これが「困惑させる外交の政治スタンス」だという。

二つ目には、それ以上の理由として、1993年に成立した連立政権を壊したことらしい。だから、今度も壊すに違いないと書いている。


最初におさえておくべきは、小沢氏が「壊した」のは新進党であり、それは細川・羽田の非自民連立政権が1994年に敗北してから4年後の1998年ことだということ。

1994年に羽田連立政権が敗北したのは、直接的には社会党のせいだ。
社会党の村山富市が、首相の座に目がくらんで、連立政権を裏切り、社会党そのものを裏切って、あろうことか自民党と手を結んだことが、原因だ。
その裏の立役者が、羽田政権に閣外協力と言いながら「自社さ」の根回しをした、さきがけの武村正義であったことも、比較的よく知られている話。

10年以上前のことで、しかも党首になった途端に新進党を解党したというイメージが強いために、あたかも小沢一郎が羽田連立政権を潰したように、よくよく知っているハズの日本のマスゴミも書き立てるが、意図的な誤解、というかデマの類である。


ただし、英フィナンシャル・タイムズとしては、こんな話は付け足しだろう。
本当に言いたいのは、一つ目の外交姿勢のほうだ。
それを、あまり正面から言うと露骨すぎるので、壊し屋のイメージを書いているだけだ。

ところが、やっぱりと言うべきか、日本のマスゴミは、この「外交姿勢」の中身についてはひと言も書かない。
日経だけが全文翻訳を掲載している。(これも、少々問題ありだが)

そこにはこう書かれている。
(以下引用)

「普通の国」として戦後体制を脱却し、米国に頼らない独自防衛を最初に唱えた政治家の1人だ。1990年代には小沢氏を「改革者」と持ち上げた米国だが、最近は冷淡だ。野党だった民主党が海上自衛隊のインド洋での給油活動に反対していたころ、シーファー前駐日米国大使は当時民主党代表だった小沢氏と会談することすら拒否された。小沢氏は中国の1党独裁政治には露骨な軽蔑(けいべつ)を示しつつも、対中関係強化には熱心だ。

(引用以上)

これこそが、英フィナンシャル・タイムズが「小沢はダメ」という最大の理由なのである。
それを、日本のマスゴミは、ひとっことも書かない。書けない。

ちなみに、こうした小沢の外交政策のスタンスについて、日経は「首尾一貫しない外交姿勢」と訳しているが、原文は、 confusing foreign policy stance  である。

confusing は「混乱させる」「困惑させる」であり、この文章が英国で書かれたことを考えると、「イギリスを困惑させる外交政策スタンス」というのが、直訳になるのではないか。
あるいは、外交政策であるから 「外交の相手方であるアメリカを困惑させる外交政策スタンス」であろう。

少なくとも首尾一貫しない ではない。内容の是非はともかく対米従属でないという点では、フィナンシャル・タイムズに書かれていることは首尾一貫しているのだから。


問題は、この記事が、「単細胞」と小沢に言われたアメリカからではなく、イギリスから出てきたことだ。
アメリカから、もっと激烈に反応があっても良さそうなものなのに、意外とおとなしい。

米、小沢氏出馬に警戒感 政治不透明化に懸念も
2010.8.26 ワシントン共同より引用

米シンクタンク戦略国際研究センター(CSIS)のニコラス・セーチェーニ日本部副部長は、小沢氏が最近の講演で米国人を「単細胞」と表現したことに触れ「対米外交は難しいのでは」と皮肉った。

(引用以上)

あのCSISにしてこの程度だ。
たしかに「単細胞」という言葉は褒められたモンじゃないが、どうも小沢一郎は、アメリカを試すために敢えて言ったのではないか という気もする。

つまり、アメリカの一部の層とは一定の合意ができている可能性を示唆していないか。
アメリカの経済崩壊は、凄まじい勢いで進行しているはずだ。
大量にマグマのように溜まった不良デリバティブが、これから吹き出して、高い山だったはずのアメリカはカルデラ湖のように陥没していく。

その決定的な状況証拠は、ドルの暴落を放置しはじめたことだ。
輸出を増やすという目的もあるだろうが、何よりも借金を棒引きにするには貨幣価値を下げるに限る。
ドル建ての借金は、ドルが半分になれば、借金が半分になったのと同じだからだ。

世界最高のドル建ての借金は何か。
それはもちろん、アメリカの国債だ。
だから、ドルが下がり続ければアメリカの国債は紙くずに近づいていく。
そんなものを、買う人はどんどんいなくなる。

いなくなると どうなるか。
アメリカは、財政破綻する。
イチコロだ。

それを阻止するためにはどうするか。
日本にアメリカ国債を買い支えさせ、中国になんとか売らないでくれと懇願するしかない。
そこまで、アメリカは弱い立場に陥っている。

そこを、小沢は突いたのではないか。
何の証拠もないし、中身も分からないが、どうも、そんな気がする。


もしそうだとすると、これは微妙な問題を生じる。
これまで、小沢氏を支持してきたのは、主に対米従属からの脱却を目指す勢力だからだ。
アメリカとナシをつけた というのは良いイメージにはならない。

しかし、考えようによっては、武力で対決するのでない以上は、何でも条件交渉である。
それが、良いか悪いかは、交渉された条件次第。

明日の小沢氏の政策発表に、それがどのように反映されるのか。
また、このまま順当に小沢氏が首相になったとき、どのような影響を及ぼすのか。

これは、他人事ではない。
鳩山の普天間をめぐる交渉も同じことだが、国民の圧倒的な声を背景に交渉するのか、首相が孤立してやるのかで、結果は大違いだ。
鳩山は全国民からの圧倒的な「辺野古反対」の声を期待したはずだが、情けないからそういう状況は作れなかった。

だから、仮にアメリカとの下交渉をしてから成立する小沢内閣であったとしても、その後の本交渉の正否は国民の声にかかっている。
逆に言えば、そのような国民への働きかけがあるかどうか、これが小沢内閣の真価を問われるとも言える。


小沢一郎の敵は、自民党でもなければ菅直人でもなく、アメリカ・マスゴミ・検察である。
アメリカというのは国民のことではなく、日本を操ろうとしている勢力のこと。
このなかの、検察にたいしてはほぼ勝利した。
アメリカに対しては、勝利はできなくとも、敵の弱みにつけ込んで条件交渉で黙らせた。(たぶん)
残るはマスゴミだけである。

そのマスゴミも、今日一日で論調が代わりはじめている。
「開いた口がふさがらない」とまで一方の候補者をこき下ろした、公正中立とは縁もゆかりもない朝日新聞ですら、すっかりおとなしくなってしまった。

しかも、各社が横並びで、小沢氏の記者会見発言を、全文掲載している。
いったいこれはどうしたことだ。

などなど、いろんな状況から、どうやらナシを着けたのではないか と予測する次第。
そして、仮にそうであっても、短兵急にアメリカに屈したなどの言うのではなく、その「ナシ」がどのように政策に反映されるのか、冷静に見極める必要がある と考えた。

見極めた結果、なるほどアメリカの弱みを突いたな ということであればアッパレだし、万が一逆であれば声をあげなくてはならない。
いずれにしても、国民が望むことを声高に唱えなくては。
もしも、国民の側を少しでも向いている首相になったならば、首相一人を孤立させてはならない。

(転載貼り付け終了)