「「ほめ殺し」が政界再編のきっかけになっていた!」

投稿日:2010/09/05 07:27

「日々坦々」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010/09/05(日) 05:41
「「ほめ殺し」が政界再編のきっかけになっていた!」

昨日の緊急エントリーで右翼の街宣車が「新宿駅西口で演説会があります」「小沢一郎を総理にしましょう」などと目の前を通り過ぎたため、右翼の演説会が行われるのかと思ってしまった。

すわ、「ほめ殺し」か、ということがすぐに頭に浮かび、思わずケータイエントリーした。

演説会でも右翼のではなく、小沢さんと菅さんの街頭演説会のことを言っていたのだ。

残念ながら新宿西口近くにいたのに、この二人のには行けず、聞いたのは右翼の怒鳴り声だけという、何とも情けない話になってしまった。

ただ、あの大音量で街宣車から流れる「小沢一郎を総理に」のガナリ声を聞いた人にとっては、かなりのイメージダウンになることだけは間違いない。

毎日新聞が4日「小沢氏が一歩リード」と動向調査で打ち出したが、地方は菅さん有利といわれ、拮抗してきているようだ。

現政権ということと、官僚などは特に小沢さんが総理になれば既得権益が全て奪われてしまういう恐怖感もあり、マスメディアともタッグを組んで、小沢陣営を貶め、分裂工作をしてくることが予想される。

これからは表よりも裏で、常識的には考えられないようなこともしてくるだろう。

この右翼の「ほめ殺し」も菅サイドの仕掛けと考えておいたほうがいいかもしれない。

小沢さんは正面から政策で直球勝負している。

姑息なスピン多用のカンさんも、あまり批判ばかりでは、さすがに現職総理としてどうかと身内からも戦略の訂正の声があるようで、新宿の演説では趣向を変えたようだが、これがまた評判が悪い。

小沢さんの新宿での演説はよかった。

「去年の衆議院選挙で国民に約束した政策を実行するには、政治主導の政治を確立しなければならない。菅氏も閣僚も一生懸命頑張っていることは否定しないが、今の手法は自民党政権から続く官僚主導のやり方であり、最終的には総理大臣が予算を増やしたり、むだだから削るという判断をしなければならない。わたしが政治の責任者の立場に立てば、ことばではなく現実の結果で示す。政治生命のすべてをかけて頑張りたい」と述べました。また、小沢氏は「雇用の安定と増大を図るには景気をよくしなければならない。政府は追加の経済対策として、今年度予算の予備費2兆円のうち、9200億円を執行すると言っているが、財政出動は小出しにするのでは本当の効果はあげられない。もう1兆円を思い切って直ちに執行し、景気の浮揚を図ることが第一だ」

菅さんは、

「元気な経済を取り戻すための鍵は、1に雇用、2に雇用、3に雇用だ。雇用があるということは仕事があり、経済が拡大するということであり、給料の中から税金も払うことになるので財政の再建にもつながる。雇用を軸に経済と財政健全化と社会保障の充実を一体的に好循環で進めるのが、わたしの経済政策の骨格だ。必ずや雇用を増大し、景気や経済を立て直すことに重点を置いた予算を示すことを約束するので、12月に決定する政府の来年度予算案を見て判断していただきたい」(参照:NHKニュース)

景気を良くするために、「まず雇用」とか、「最小不幸社会」もそうだが、菅さんが言っていることが、どうもピントがズレズレとしか思えない。また、やること、やろうとしていることが実に小さくこじんまりとしている。

一昨日、小沢さんは、表の堂々としたメディア戦略を見せてくれた。

ワイドショーに生出演し、ニコニコにも登場したとのことだ。これなら心配することはないと再び思った。

一昨日といえば、40代から60代の六人で政治談議の飲み会だった。

民族主義者だが昨年は民主党に入れたという人、民主党支持者で今回はどちらかというと菅支持が一名、自民党支持者一名と無党派一名、そして小沢支持者は私一人だけ、というメンバーだった。

最初から小沢支持者としては不利だったが、うち二人が、小沢さんが生出演したというテレ朝の「スーパーモーニング」を見たということで、小沢さんに対する見方が変わったと言っていた。

その内の一人は、これを見て今度の代表戦は小沢支持になった、とまで言っていた。
(参照:「カナダde日本語」 動画あり)

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「ほめ殺し」について少し調べてみた。

竹下登氏が総理になる時も、右翼からの「ほめ殺し」には、かなりまいったようで、円形脱毛症になったといわれている。

1987年に、当時総理大臣だった中曽根康弘氏から、次期総裁の指名をめぐって安倍晋太郎、宮澤喜一と争っていた竹下登が、暴力団とつながりが深いとされる右翼団体である日本皇民党から執拗に「日本一金儲けのうまい竹下さんを総理にしましょう」と「ほめ殺し」を受けた、という事件である。

この日本皇民党が竹下登氏を「ホメ殺す」ためだけに政治団体をつくったということで、ある意図があるとされている。

この団体が設立された1987年1月の月末から、早速街宣は開始していて、その年の10月初旬までの丸々8ヶ月間続くことになる。

このままでは総理のイスが遠のくと焦った竹下氏は、金丸信氏に相談する。

その金丸氏が東京佐川急便の渡辺広康社長に相談し、渡辺氏が稲川会の石井進前総裁に皇民党との仲介をお願いした、ということだ。

≪同年10月2日、東京の某ホテルで石井前総裁と皇民党の稲本総裁は会談した。石井前総裁が「活動を中止してもらうには、どうしたらよいか?条件はどんなことですか?」との問いに、稲本総裁は「竹下が田中元首相を訪ね、謝罪すること。それだけです。竹下がこのまま総裁選に当選すれば、裏切り者が天下を取ることになりませんか。だったら、あの明智光秀も英雄ということになり歴史を書きかえなくちゃならなくなる」と言ったという。
石井前総裁は、先方にその条件を伝えることを約束。これ以降、日本皇民党の゛ほめ殺し゛活動はピタっと止まった。その結果が、冒頭の竹下が田中邸に訪問した経緯であった。

同年10月31日、竹下は中曽根から指名を受けて念願の総裁となった。翌月の11月6日、国会で首相指名を受けて竹下は内閣総理大臣に任命された。まさに、暴力団の介入によって内閣総理大臣になった稀有の元首誕生の瞬間だった。≫(参照1:ウィキペディア)(参照2:事件史探求)

また、その真相として「エコノミスト」を「ただの奇人変人物語」ブログが次のように引用している。

≪その目的は何だったのか。稲本前総裁の後を継いだ大島竜珉現総裁は「竹下氏が田中元首相への裏切りを謝罪し、道徳倫理を踏まえた政治をしていくかどうかだった。金では動かない」と説明する。しかし疑問点は残る。なぜ竹下氏があれほど一右翼団体の攻撃を気に病み、周辺がこぞって動いたのか。ある政界関係者は「竹下氏が蔵相時代にまとめた平和相互銀行と住友銀行の合併に絡むスキャンダルなどを握っていた可能性がつよい」と言う。稲本前総裁が裏人脈を通じて何らかの情報を持っていたというのだ。さらに旧田中派の遺恨や他派閥の思惑を背景にしたとする説も飛び交っている。≫ 

参照:≪政治家 右翼 ヤクザ 1~4 竹下登 皇民党 任侠右翼誕生の歴史と政治≫ News & Media  

結局この事件で、か、また、その前からかは不明だが、稲川会に「貸し」を作った東京佐川の渡辺氏は、稲川会に債務保証という形で、数千億円とも言われる巨額を出資させられ、この内回収不能は950億円あるとのことだ。

まあ、儲け話に乗っかっていた、ということもできる。

ただ、乱発した資金の大半は暴力団・右翼団体に流れたと言われ、この東京佐川急便事件で金丸信が逮捕され、創政会が分裂し、細川政権ができることになる。

「ほめ殺し」で政界再編が起きた、ということもできるかもしれない。

(転載貼り付け終了)