ニコニコチャンネル「小沢一郎すべてを語る」より抜粋
(政策)3つ目の緊急課題 地域が主役の社会を!
民主主義体制においては、政治・行政について国民に責任を負うことができるのは、主権者である国民に選ばれた政治家だけであり、官僚はそのスタッフに徹する、というのが鉄則です。ところが、日本では、国政の最重要課題である消費税の増税も原発の再稼働も、官僚がシナリオを作り、政治家はその通りに行動したに過ぎません。
しかも、そのやり方たるや、「脅迫政治」と言っても過言ではありません。「増税しないと日本国債は暴落して、国家財政が破壊する」と脅し、「原発を再稼働させないと、電力不足で大停電が起きる可能性がある」と脅迫しました。しかし、実際には、消費税増税の行方とは関係なく日本国債は国内外で買われ続け、歴史的な円高も続いています。全国の電力会社では、連日の猛暑にもかかわらず、電力が余っているのです。
およそ民主主義国家ではあり得ないことがまかり通っているのは、官僚が事実上政治、行政を支配して、中央集権体制を維持しているからです。中央の官僚が国会議員をも差配して全てを決めて、地方に押し付けています。
この中央集権体制を打破して、地域主権の仕組みに改めないと、日本を本当に立て直すことはできません。正に、「地域のことは地域で決める地域が主役の社会を!」です。
そのために、行政の権限と財源を大胆に地方自治体に移しますが、特に国の補助金と政策経費51兆円のうち、年金繰入分を除く40兆円強は原則、自主財源として地方に交付する対象とします。自主財源として交付する仕組みにすると、そこから10数兆円のムダを省き、新たな財源を捻出できるという試算もあります。それは実に、今回の消費税の増税分に相当するほどの巨額な財源です。
この巨額な財源は、最低保障年金の創設を含む年金改革やその他の新しい政策の財源とすることができます。このことについては事実、私の郷里の知事をはじめ全国各地の首長も、地方で全く自由に使える財源としてもらえるならば、いま国からもらっている補助金のトータルの半額で、いま以上に住民のためにより良い行政ができると言っています。それくらい中央の官僚支配によるムダづかいが大きいということが、ご理解いただけると思います。
このような仕組みに改めることにより、ムダづかいを止めるだけでなく、それぞれの地域の創意工夫で間違いなく地域経済は活性化され、その結果、日本経済の回復、すなわちデフレからの脱却を早めることになります。
さらには、「地域が主役の社会」を実現することは、国民が主役の政治を確立することであり、地域が自立することでもあります。それによって初めて、日本は自立した国家に脱皮できると思います。(貼り付け終わり)