鎮守の森

会員番号7535 清水 投稿日:2013/03/18 07:10

3月5日のIWJ(インディペンデント ウェブ ジャーナル)の記事です。昨今、ぐったりする情報が多い中で、風鈴の音を聞いたような錯覚を覚えました。85歳になるという宮脇昭氏の、清々しい話しぶりも教わるところが多かったです。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/64723

〈転載始め〉
「世界で唯一の防波堤林、がれきを活かした鎮守の森を作ろう!」宮脇昭氏インタビュー
本物の森、『鎮守の森』が日本を、地球を救う」と、60年間で4千万本の木を植え続けてきた、宮脇昭氏(地球環境戦略研究機関国際生態学センター長)はインタビューで語った。森作りのスペシャリストである宮脇氏は、自身の長年の研究と実践を活かし、「日本人と鎮守の森ー東日本大震災の防潮堤林についてー」と題した、命を守る森作りについて解説。「何があっても日本の国土と国民の命を守るために、三陸海岸の南北300キロに渡って本物の森を作り、さらにそれを日本全土、アジア、世界に発信するためにがんばります」と意気込みを語った。そして、三陸海岸を出発点として始まろうとしている「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を、国家プロジェクトとして、国民運動を通じ日本全体が命の森に囲まれるよう、「一人ひとりが木を育み、皆で共に植え続けていきましょう」、と呼びかけた。
 「本物の森、『鎮守の森』が日本を、地球を救う」と、60年間で4千万本の木を植え続けてきた、宮脇昭氏(地球環境戦略研究機関国際生態学センター長)はインタビューで語った。森作りのスペシャリストである宮脇氏は、自身の長年の研究と実践を活かし、「日本人と鎮守の森ー東日本大震災の防潮堤林についてー」と題した、命を守る森作りについて解説。「何があっても日本の国土と国民の命を守るために、三陸海岸の南北300キロに渡って本物の森を作り、さらにそれを日本全土、アジア、世界に発信するためにがんばります」と意気込みを語った。そして、三陸海岸を出発点として始まろうとしている「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」を、国家プロジェクトとして、国民運動を通じ日本全体が命の森に囲まれるよう、「一人ひとりが木を育み、皆で共に植え続けていきましょう」、と呼びかけた。

 宮脇氏は、日本人はこれまで、森林を破壊したり焼いたりしてきたが、必ず鎮守の森を作ってきたという歴史的経緯を紹介し、自身の進める「日本人と鎮守の森ー東日本大震災の防潮堤林についてー」と題した、命を守る森作りについて解説した。鎮守の森を作るという日本の文化は、世界で唯一のものであり、「ふるさとの木による、ふるさとの伝統だ」と、先人たちに敬意をはらい、鎮守の森という名の本物の森作りが、日本、引いては世界をも救えるという可能性について言及した。

 戦前においては、日本の国土の98%は自然の森、主にシイ・タブ・カシなどの広葉樹の一種である照葉樹林で覆われていたことから、その自然の状態の森に戻す森作りが必要だと宮脇氏は語る。東日本大震災でも、自然の状態で育った本物の木は生き残り、偽物は全てダメになったという。津波が襲った海岸沿いの被災地の森で撮影した写真を用い、本物の木は6メートルもの根を張り、津波を止めたというエピソードも紹介した。宮脇氏が本物の木と称する照葉樹のシイ・タブ・カシの木は、針葉樹の倍ほど根を張る。そのため、海岸沿いだけではなく、市街地に自生していた本物の木も、車などのがれきが流れるのを食い止めていたとした。

 宮脇氏を中心として計画が推進されている、三陸海岸の南北300キロに渡る森作りは、「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」と名付けられ、がれきの汚染物質を取り除いて土と混ぜ、マウンドを作り、そこに植林を施すというものである。土とがれきが混ざることによって、土壌に隙間が生まれて空気が入るため、それが木の生育を高め、しっかり根が張るのだという。また、がれきについて、宮脇氏は「がれきはがれきではない。亡くなった方々の命の遺品が混ざっているかもしれない。生き延びた人々の生活の歴史が濃縮されているもの」だと述べ、がれきを活用する理由として、単なる利便性を追求したのではないという思いも語られた。

〈転載終わり〉

人間の文明は、とどのつまり、大地の砂漠化を助長します。砂漠化を克服できる民族が、人間の将来を担うことになるだろうと思います。