佐藤裕一による2010年・年間読書ランキング ベスト10
会員番号4655の佐藤裕一です。
本日は2010年12月29日です。いよいよ年の瀬も押し迫って参りました。
今回は私が今年はじめて読んだ書籍の中から、年間ランキングでベスト10冊を選びます(ワースト10は、選ぶほど読んでいませんので止めておきます)。私の独断と偏見なので購読を推薦するということではありません。
なお、副島隆彦先生や小室直樹先生・岡田英弘先生・片岡鉄哉先生・吉本隆明先生関連の本を入れると埋め尽くされてしまうので、あらかじめランキングから除外しています。
第1位 コンノケンイチ著 『宇宙論の超トリック 暗黒物質の正体『現代物理の死角』復刻補強版』
第2位 遠藤周作著 『沈黙』
第3位 今西錦司著 『生物の世界』
第4位 小沢一郎著 『日本改造計画』
第5位 世川行介著 『泣かない小沢一郎が憎らしい』
第6位 内藤湖南著 『東洋文化史』
第7位 梅棹忠夫著 『文明の生態史観』
第8位 ダン・ブラウン著 『天使と悪魔』
第9位 田中清玄、大須賀瑞夫著 『田中清玄自伝』
第10位 土居健郎著 『「甘え」の構造』
なんと今年の新刊本としては、第1位(復刻版ですが)と第5位の2冊だけという結果になりました。
第1位のコンノケンイチさんの『宇宙論の超トリック 暗黒物質の正体『現代物理の死角』復刻補強版』は、それこそ21世紀現代におけるコペルニクス的転回としか表現のしようがありません。現時点では私の理解力において到底把握出来ていないので、批評などは控えます。とにかくインパクトと面白さ抜群で、ぶっちぎり断トツの1位獲得です。
第2位の『沈黙』は読めば読むほど気が滅入ってくる小説ですが、カトリックでありながらにして教会離脱者の姿を真正面から描き、真の信仰とは何であるかをつきつめる遠藤周作の姿勢には最大限の敬意を払います。小説部門を設けたとしたら迷いなく1位でした。映画完成を待望中。
同じくキリスト教が中心の小説で第8位にランクインしたのがダン・ブラウン原作の『天使と悪魔』。こちらは主にヴァチカン市国が舞台ですが、娯楽推理小説としては面白かったです。ビッグバン理解について衝撃を受けたことも評価に入っています。映画は……地上派で放送されたら観ます。
第3位は今西錦司の『生物の世界』。今西は第7位『文明の生態史観』の著者である梅棹忠夫の先生格にあたります。『文明の生態史観』については確かに著者畢生の大作であり素晴らしいのですが、私と意見・見解が異なる部分が多いために抑えめで7位としています。
第4位『日本改造計画』では、改革者としての国民政治家・小沢一郎の原点を見る思いがしました。第5位の世川行介著『泣かない小沢一郎が憎らしい』と合わせて、私の小沢理解が進みました。
第6位は内藤湖南の『東洋文化史』がランクイン。
第9位。田中清玄、大須賀瑞夫著『田中清玄自伝』は文庫版の方を読みました。獄中転向者である田中は山本玄峰の弟子となり、前出の今西錦司のことも尊敬しています。戦中・戦後における田中の人脈と影響力が実際どのぐらいあったのか、先生の本や学問道場でも言及されることが少なく、いまいち掴めていません。
第10位は土居健郎著『「甘え」の構造』。後日取り上げる予定。
本来は小説・文芸作品と一般書籍とでは評価方法が異なってくるので別にするべきなのですが、今年はじめて読んだという小説は10冊もなかったので仕方なく一緒に致しました。小説2作品を外せば次点の近藤誠著『患者よ、がんと闘うな』、三井環著『検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着』などが繰り上がります。
さて、おまけで「佐藤裕一による2011年に読みたいランキング ベスト10」を、発表する意義はありませんが個人的に「読むぞ」という決意を込めて発表致します。除外対象条件は読書ランキングと同じです。実はほとんど積読ですが。
第1位 植草一秀著 『日本の独立』
第2位 マルティン・ハイデッガー著 『存在と時間』
第3位 李漢栄著 『癌患者を救いたい PSA検診の嘘』
第4位 エミール・デュルケーム著 『自殺論』
第5位 羽仁五郎著 『都市の論理』
第6位 渡部富哉著 『偽りの烙印―伊藤律・スパイ説の崩壊』
第7位 トーマス・マン著 『魔の山』
第8位 高橋昌一郎著 『ゲーデルの哲学』
第9位 スピノザ著 『エチカ』
第10位 ダン・ブラウン著 『ロスト・シンボル』