アジア政治経済掲示板から転載貼り付け14

会員番号4655 佐藤裕一 投稿日:2010/09/23 22:39

 会員番号4655の佐藤裕一です。

 更に続けてアジア政治経済掲示板から転載貼り付け致します。

 【佐藤裕一による転載貼り付け始め】

 開発しているかもし
れないというだけで、その国を先制攻撃する権利があると主張している。この
理論は国際秩序を破壊する。これが黙認されれば、違法な武力行使が世界中に
広がってしまう」と述べ、名指しこそしなかったものの、アメリカを強く非難
した。
http://www.un.org/apps/sg/sgstats.asp?nid=517

 こうした中、宇宙船に国連旗を積み、国連に対して恭順の意を表す中国の行
動には、自国の宇宙開発に対して国際的なお墨付きを得ようとする意図ととも
に、アメリカによる宇宙の軍事化を国連とともに批判することで国連を自分た
ちの側につけ、アメリカからの脅威に対抗しようとする意図が感じられる。

▼国連安保理での「非米同盟」に参加する中国

 この一件以外にも中国は、アメリカと国連やEUの間に亀裂が入ったイラク
戦争前後から、国連を舞台にした外交活動を活発化させている。国連の安全保
障理事会では、EU(フランス・ドイツ)、中国、ロシアといった国々が「非
米同盟」を組み、アメリカ・イギリスのアングロサクソン同盟による世界支配
に対抗するケースが増えている。
http://www.heritage.org/Press/Commentary/ed062104d.cfm

 5月末には、米軍からイラク人への政権「移譲」を前に、英米が出した決議
案をめぐって国連安保理でイラクの体制について議論した際、中国が米英の提
案に対する修正案を提出した。英米は、イラク人に「完全な統治権」を与える
ことを提案していたが、その中身は曖昧で、フランスやロシアなどは反発した。
http://news.ft.com/servlet/ContentServer?pagename=FT.com/StoryFT/FullStory&c=StoryFT&cid=1085944394668&p=1012571727269

 そこに提出された中国案は、イラク人の政権がイラクの軍隊の完全な指揮権
を持つことや、米軍は大きな作戦の前にはイラク人の政権に相談しなければな
らないといった条項が入っており、フランスやロシアなどの賛同を得た。従来、
中国は中東の問題に関しては、欧米の影響圏と考えて独自の意見を表明するの
に慎重な態度をとることが多かったため、この中国の動きは関係者を驚かせた。
http://www.atimes.com/atimes/Middle_East/FE29Ak01.html

 1989年の天安門事件以来、欧米は中国に対する武器輸出禁止政策を続け
てきたが、フランスとドイツは今年に入って、EUがこの規制を解禁するよう
主張し始めた。これに対してEUの他の国々は「中国は国内の人権問題を解決
してない」として禁輸の解除に反対し、今年4月の時点でいったんこの話は棚
上げされた(EU内では、イラク戦争後アメリカの威信が崩れた分の空白を埋
めるかたちで国際覇権力を拡大したい独仏と、覇権拡大に反対する中小諸国と
の対立が続いている)。
http://washingtontimes.com/upi-breaking/20040418-071134-7222r.htm

▼中道派と中国

 その後6月になって、イギリスのブレア首相が、中国への武器輸出を再開し
たい独仏を支持する姿勢を見せた。このイギリスの転換は重要だ。ブレア政権
は911事件まで、アメリカとの関係とEUとの関係をバランスさせる外交戦
略をとり、どちらかというとEUとの関係を重視する姿勢だった。911後、
アメリカが単独覇権主義を打ち出すとともにブレア政権はアメリカ一辺倒の姿
勢となったが、イラク占領が泥沼化して失敗色が強まった後、ブレアは911
以前のような欧米間のバランスをとる状態に戻ろうと模索している。

 イギリスの姿勢は、アメリカ中枢での国際協調主義(中道派)と単独覇権主
義(タカ派)との対立とも同調している。911以後、米政界でタカ派勢力が
強くなり、政権中枢では中道派の代理人であるパウエル国務長官が孤立し、ホ
ワイトハウスはタカ派に乗っ取られた。中道派はEU(独仏英)、ロシア、中
国、国連など、タカ派に乗っ取られたアメリカに対抗できる他の勢力を支援す
ることで対抗し、イラク占領が泥沼化してブッシュ政権が窮した後、やや優勢
を取り戻した。今年1月にパウエルがフォーリン・アフェアーズに書いた「ブ
ッシュ政権は中国、ロシア、インドといった大国を支援する」という趣旨の論
文は、そうした動きを象徴している。
http://tanakanews.com/e0122powell.htm

 中道派は中国やロシアを応援することで、第一次大戦以降、国際社会の理想
的なかたちとして希求してきた「バランス・オブ・パワー」(アメリカを含む
多くの大国の力が均衡し、戦争が起きにくくなる状態)を実現しようとしてい
る。国連や中国を強化することは、以前から中道派の世界戦略の一つだった。
アメリカがイラクの泥沼で窮している間に、EU、中国、ロシア、インドなど
が力をつけて国連など国際社会での発言力を増し、イギリスもアメリカより
EUを重視するようになり、中国への武器輸出の解禁に賛同する姿勢に転換す
るというのは、まさに中道派が希望する動きと同じである。

 タカ派は朝鮮戦争以来、反中国の姿勢を続けてきたが、アメリカがイラクの
泥沼から抜け出るには国連の協力が必要で、それには安保理常任理事国の一つ
である中国の賛同が不可欠だ。アメリカは北朝鮮の核武装問題の解決でも中国
が調停役となっている6カ国協議の存在が欠かせず、その点でも中国に対する
敵視政策は採れなくなっている。中国は、日本や台湾、韓国と並んで、アメリ
カの国債を多く買っている国でもある。財政赤字を急増させているブッシュ政
権は、仮想敵である中国に債券を買ってもらって軍備を増強しているわけで、
アメリカは中国を本気で敵に回すことができなくなっている。

 歴史的に中国と不即不離の関係を保ってきた日本では、中国の覇権拡大を危
機ととらえ「中国の脅威に備えるためには、日本はアメリカに対する従属(同
盟)関係を強めるしかない」と主張する人が多い。この考えは、911以前の
ようにアメリカで国際協調主義が強かった時代には一理あったが、今のように
アメリカが信頼できる国でなくなっている時代には、むしろ中国が強くなって
アメリカとバランスをとった方がアジアは安定する。

 国際社会ではアメリカの覇権縮小と反比例するように中国の覇権が増してい
る。米ニューヨークタイムスも最近の社説記事で「ブッシュ政権が何と表現し
ようと、つまるところ(東アジア地域での)中国の影響力は急速に拡大し、ア
メリカの影響力は急速に縮小している」と書いている。
http://www.nytimes.com/2004/07/12/opinion/12SHAP.html
http://www.axisoflogic.com/artman/publish/printer_10104.shtml

▼行き詰まる中国の対台湾戦略

 とはいうものの、中国は強くなりながらも、決定的な弱みを持っている。そ
れは、台湾の存在である。中国共産党政権は「中国を列強に支配されている状
態から再統一する」ことを存在意義の一つとしており、その関係で、冷戦時代
にアメリカが国民党を支援したため中共の統治が及んでいない台湾を再統合す
ることを目標としている。

 ところが台湾では、中国との統一に反対する傾向が強い民進党(民主進歩党)
の陳水扁が2000年と2004年3月の2回の大統領選挙(総統選挙)で勝
ち、統一を支持する傾向が強かった国民党と親民党は連敗してしまった。

(台湾の民意は、中国と統一すべきだとする「統一派」から、中国からの独立
を明確に宣言すべきだとする「台湾独立派」までの多様性を持っているが、国
民の大半は「中国との統一には反対だが、中国を刺激するので独立宣言もすべ
きでない。事実上中国とは別の国である現状維持の状態でよい」と考える「現
状維持派」である)

 陳水扁は大統領になる前に台湾独立派の陣営にいた。その経歴から、中共は
2000年に政権に就いた陳水扁を信用しない態度をとり、国民党や親民党の
側とだけ連携しようとした。中共は、2004年の大統領選挙で国民党側が勝
ち、陳水扁政権は1期4年で終わると予測したようだが、結果は逆で、
2000年の選挙では39%だった陳水扁の得票率は、2004年の選挙では
50%にまで上がった。
http://www.atimes.com/atimes/China/FE22Ad05.html

(2000年の選挙は民進党、国民党、親民党の3者で戦われたが、2004
年には国民党と親民党が連合して民進党との一騎打ちとなった)
http://news.ft.com/servlet/ContentServer?pagename=FT.com/StoryFT/FullStory&c=StoryFT&cid=1079419817029&p=1012571727269

 1979年の米中国交正常化で台湾の国際的地位が危うくなった後、一党独
裁だった国民党(蒋経国政権)は、それまでの「国民党は共産党を打ち負かし
て中国を再統一する」という目標から少しずつ離れ、現実的な「台湾化」路線
を取り始めた。それ以来、約20年かけて台湾の政治は現実化を強め、今や中
国との再統一を希求する声はほとんど消えている。

 今後、国民党や親民党が政権をとるには、従来のような中国寄りの姿勢を捨
て、民進党と似たような「台湾人のための政党」を目指す姿勢に転換し、台湾
国民の民意をつかむ必要がある。つまり今後国民党が復権するとしても、その
ときには中共との関係は今よりも冷却していることになり、中共が台湾の政治
に影響を与えることはますます難しくなると予測される。

▼台湾に侵攻したら中国は破滅

 中国の中枢からは「武力で台湾を併合することも辞さない」といった言説が
よく聞こえてくる。だが私が見るところ、中国はそんなことをできる状態にな
い。今の中国にとって最も大事なことは、世界における立場を強化することと、
国内の政情を安定させることであるが、台湾への侵攻はその両方を破滅させか
ねない。

 中国が台湾に侵攻したら、たとえ侵攻が成功したとしても、中国共産党は国
際社会でクウェートに侵攻したサダム・フセインと同じ「凶悪犯」のレッテル
を貼られ、国際的な信頼を一気に失う。そのダメージは、天安門事件よりも大
きいだろう。アメリカの対中国政策は、中道派とタカ派の微妙なバランスの上
にあり、何とか親中国の政策が勝っている状態が続いているが、中国が台湾に
侵攻したら、一気にタカ派が優勢になる。タカ派は世界を不安定にすることを
躊躇せず、むしろ世界の不安定化を望んでいるふしがあるので、大喜びで中国
との戦争の必要性を叫び出す。行き着くところは、東アジアの「中東化」である。

 中国が台湾に侵攻しても、台湾を長期間占領できるとは限らない。米軍が参
戦したりして中国軍が台湾から撤退させられたら、中国共産党は負けたことに
なり、中国の内政における共産党への支持が失われ、政情不安に陥る。いずれ
のシナリオも、中共にとってリスクが非常に大きい。イデオロギーの皮はかぶ
っていても、実体的には非常に現実的な思考をする中国共産党が、巨大なリス
クを無視して台湾に侵攻するとは考えにくい。

 中国が台湾を併合するには、台湾の過半数の国民に「中国と統一したい」と
思わせる必要があるが、今の中国の政治体制は台湾より政治的な自由がはるか
に少ないので、中国がかなり国内の民主化を進めない限り、それは実現できな
い。共産党は国内の市町村長の選挙でさえ、政情を不安定にさせそうだと懸念
して実施しておらず、民主化はまだほとんど進んでいない。

 もう少し現実的な「統一」は、中国と台湾の国家体制はそのままにして、2
つの政府の上に「中華連邦」のような統一機構を置く「EU型」の統合方法で
ある。陳水扁大統領は、EU型が望ましいと述べているが、問題は、中国側は
台湾と対等の統一など望んでおらず、台湾が中国の一部になる形式を求めてい
ることだ。
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2004/07/29/2003180861

 最近、中国の中枢からは「北京でオリンピックが開かれる2008年までに
台湾問題を解決せねばならない」というメッセージが発せられている。中国側
は依然として「武力での解決も辞さず」と言っているが、すでに述べたように、
私にはこれは口だけの主張であると思える。それを差し引いて考えると、中国
のメッセージは「早く台湾問題を(平和理に)解決し、世界から大国としてき
ちんと認められたい」という意志表示であると読める。今後、連邦制的な枠組
みを作る方向で中台間の交渉が進む可能性はゼロではない。
http://www.csmonitor.com/2004/0722/p06s03-woap.html

【続く】

この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/e0802china.htm

(佐藤裕一による転載貼り付け終わり)

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[1460]阿修羅掲示板から転載。08憲章=中華連邦共和国憲法要綱和訳全文掲載 投稿者:会員番号4655 佐藤裕一投稿日:2009/12/26(Sat) 09:35:31

 会員番号4655の佐藤裕一です。

 私の投稿[1458]は題名入力の仕方が良くなかったのか、レイアウトが少し変になりまして失礼致しました。それでは阿修羅掲示板から08憲章=中華連邦共和国憲法要綱の和訳全文を転載貼り付けし掲載します。

(佐藤裕一による転載貼り付け始め)

【これは日本も他人事ではない、21世紀の人権宣言】08憲章=中華連邦共和国憲法要綱【blog:思いつくまま】
http://www.asyura2.com/08/china01/msg/346.html
投稿者 一市民 日時 2008 年 12 月 14 日 08:01:25: ya1mGpcrMdyAE

http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/597ba5ce0aa3d216cfc15f464f68cfd2
08憲章=中華連邦共和国憲法要綱
[ 中国異論派選訳 ] / 2008-12-12 01:19:56
08憲章

一、まえがき

 今年は中国立憲百年、「世界人権宣言」公布60周年、「民主の壁」誕生30周年であり、また中国政府が「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に署名して10周年である。長い間の人権災害と困難かつ曲折に満ちた闘いの歴史の後に、目覚めた中国国民は、自由・平等・人権が人類共同の普遍的価値であり、民主・共和・憲政が現代政治の基本的制度枠組みであることを日増しにはっきりと認識しつつある。こうした普遍的価値と基本的政治制度枠組みを取り除いた「現代化」は、人の権利をはく奪し、人間性を腐らせ、人の尊厳を踏みにじる災難である。21世紀の中国がどこに向かうのか。この種の権威主義的統治下の「現代化」か? それとも普遍的価値を認め、主流文明に溶け込み、民主政体を樹立するのか? それは避けることのできない選択である。

 19世紀中葉の歴史の激変は、中国の伝統的専制制度の腐敗を暴露し、中華大地の「数千年間なかった大変動」の序幕を開いた。洋務運動はうつわ面での改良を追求し、甲午戦争(日清戦争1894年)の敗戦は再び体制の時代遅れを暴露した。戊戌変法(1898年)は制度面での革新に触れたために、守旧派の残酷な鎮圧にあって失敗した。辛亥革命(1911年)は表面的には2000年余り続いた皇帝制度を埋葬し、アジアで最初の共和国を建国した。しかし、当時の内憂外患の歴史的条件に阻害され、共和政体はごく短命に終わり、専制主義が捲土重来した。うつわの模倣と制度更新の失敗は、先人に文化的病根に対する反省を促し、ついに「科学と民主」を旗印とする「五四」新文化運動がおこったが、内戦の頻発と外敵の侵入により、中国政治の民主化過程は中断された。抗日戦争勝利後の中国は再び憲政をスタートさせたが、国共内戦の結果は中国を現代版全体主義の深淵に陥れた。1949年に建国した「新中国」は、名義上は「人民共和国」だが、実際は「党の天下」であった。政権党はすべての政治・経済・社会資源を独占し、反右派闘争、大躍進、文革、六四、民間宗教および人権擁護活動弾圧など一連の人権災害を引き起こし、数千万人の命を奪い、国民と国家は甚だしい代価を支払わされた。

 20世紀後期の「改革開放」で、中国は毛沢東時代の普遍的貧困と絶対的全体主義から抜け出し、民間の富と民衆の生活水準は大幅に向上し、個人の経済的自由と社会的権利は部分的に回復し、市民社会が育ち始め、民間の人権と政治的自由への要求は日増しに高まっている。統治者も市場化と私有化の経済改革を進めると同時に、人権の拒絶から徐々に人権を認める方向に変わっている。中国政府は、1997年、1998年にそれぞれ二つの重要な国際人権規約に署名し、全国人民代表大会は2004年の憲法改正で「人権の尊重と保障」を憲法に書き込んだ。今年はまた「国家人権行動計画」を制定し、実行することを約束した。しかし、こうした政治的進歩はいままでのところほとんど紙の上にとどまっている。法律があっても法治がなく、憲法があっても憲政がなく、依然として誰もが知っている政治的現実がある。統治集団は引き続き権威主義統治を維持し、政治改革を拒絶している。そのため官僚は腐敗し、法治は実現せず、人権は色あせ、道徳は滅び、社会は二極分化し、経済は奇形的発展をし、自然環境と人文環境は二重に破壊され、国民の自由・財産・幸福追求の権利は制度的保障を得られず、各種の社会矛盾が蓄積し続け、不満は高まり続けている。とりわけ官民対立の激化と、騒乱事件の激増はまさに破滅的な制御不能に向かっており、現行体制の時代遅れは直ちに改めざるをえない状態に立ち至っている。

二、我々の基本理念

 中国の将来の運命を決めるこの歴史の岐路に立って、百年来の近代化の歴史を顧みたとき、下記の基本理念を再び述べる必要がある。

自由:自由は普遍的価値の核心である。言論・出版・信仰・集会・結社・移動・ストライキ・デモ行進などの権利は自由の具体的表現である。自由が盛んでなければ、現代文明とはいえない。

人権:人権は国家が賜与するものではなく、すべての人が生まれながらに有する権利である。人権保障は、政府の主な目標であり、公権力の合法性の基礎であり、また「人をもって本とす」(最近の中共のスローガン「以人為本」)の内在的要求である。中国のこれまでの毎回の政治災害はいずれも統治当局が人権を無視したことと密接に関係する。人は国家の主体であり、国家は人民に奉仕し、政府は人民のために存在するのである。

 平等:ひとりひとりの人は、社会的地位・職業・性別・経済状況・人種・肌の色・宗教・政治的信条にかかわらず、その人格・尊厳・自由はみな平等である。法の下でのすべての人の平等の原則は必ず実現されなければならず、国民の社会的・経済的・文化的・政治的権利の平等の原則が実現されなければならない。

 共和:共和とはすなわち「皆がともに治め、平和的に共存する」ことである。それは権力分立によるチェック・アンド・バランスと利益均衡であり、多くの利益要素・さまざまな社会集団・多元的な文化と信条を追求する集団が、平等な参加・公平な競争・共同の政治対話の基礎の上に、平和的方法で公共の事務を処理することである。

 民主:もっとも基本的な意味は主権在民と民選政府である。民主には以下の基本的特徴がある。(1)政府の合法性は人民に由来し、政治権力の源は人民である。(2)政治的統治は人民の選択を経てなされる。(3)国民は真正の選挙権を享有し、各級政府の主要政務官吏は必ず定期的な選挙によって選ばれなければならない。(4)多数者の決定を尊重し、同時に少数者の基本的人権を尊重する。一言でいえば、民主は政府を「民有、民治、民享」の現代の公器である。

 憲政:憲政は法律と法に基づく統治により憲法が定めた国民の基本的自由と権利を保障する原則である。それは、政府の権力と行為の限界を線引きし、あわせて対応する制度的措置を提供する。

 中国では、帝国皇帝の権力の時代はすでに過去のものとなった。世界的にも、権威主義体制はすでに黄昏が近い。国民は本当の国家の主人になるべきである。「明君」、「清官」に依存する臣民意識を払いのけ、権利を基本とし参加を責任とする市民意識を広め、自由を実践し、民主を自ら行い、法の支配を順守することこそが中国の根本的な活路である。

三、我々の基本的主張

 そのために、我々は責任をもって、また建設的な市民的精神によって国家政治制度と市民的権利および社会発展の諸問題について以下の具体的な主張をする。

1、憲法改正:前述の価値理念に基づいて憲法を改正し、現行憲法の中の主権在民原則にそぐわない条文を削除し、憲法を本当に人権の保証書および公権力への許可証にし、いかなる個人・団体・党派も違反してはならない実施可能な最高法規とし、中国の民主化の法的な基礎を固める。

2、権力分立:権力分立の現代的政府を作り、立法・司法・行政三権分立を保証する。法に基づく行政と責任政府の原則を確立し、行政権力の過剰な拡張を防止する。政府は納税者に対して責任を持たなければならない。中央と地方の間に権力分立とチェック・アンド・バランスの制度を確立し、中央権力は必ず憲法で授権の範囲を定められなければならず、地方は充分に自治を実施する。

3、立法民主:各級立法機関は直接選挙により選出され、立法は公平正義の原則を堅持し、立法民主を行う。

4、司法の独立:司法は党派を超越し、いかなる干渉も受けず、司法の独立を行い、司法の公正を保障する。憲法裁判所を設立し、違憲審査制度をつくり、憲法の権威を守る。可及的速やかに国の法治を深刻に脅かす共産党の各級政法委員会を解散させ、公器の私用を防ぐ。

5、公器公用:軍隊の国家化を実現する。軍人は憲法に忠誠を誓い、国家に忠誠を誓わなければならない。政党組織は軍隊から退出しなければならない。軍隊の職業化レベルを高める。警察を含むすべての公務員は政治的中立を守らなければならない。公務員任用における党派差別を撤廃し、党派にかかわらず平等に任用する。

6、人権保障:人権を確実に保障し、人間の尊厳を守る。最高民意機関(国会に当たる機関)に対し責任を負う人権委員会を設立し、政府が公権力を乱用して人権を侵害することを防ぐ。とりわけ国民の人身の自由は保障されねばならず、何人も不法な逮捕・拘禁・召喚・尋問・処罰を受けない。労働教養制度(行政罰としての懲役)を廃止する。

7、公職選挙:全面的に民主選挙制度を実施し、一人一票の平等選挙を実現する。各級行政首長の直接選挙は制度化され段階的に実施されなければならない。定期的な自由競争選挙と法定の公職への国民の選挙参加は奪うことのできない基本的人権である。

8、都市と農村の平等:現行の都市と農村二元戸籍制度を廃止し、国民一律平等の憲法上の権利を実現し、国民の移動の自由の権利を保障する。

9、結社の自由:国民の結社の自由権を保障し、現行の社団登記許可制を届出制に改める。結党の禁止を撤廃し、憲法と法律により政党の行為を定め、一党独占の統治特権を廃止し、政党活動の自由と公平競争の原則を確立し、政党政治の正常化と法制化を実現する。

10、集会の自由:平和的集会・デモ・示威行動など表現の自由は、憲法の定める国民の基本的自由であり、政権党と政府は不法な干渉や違憲の制限を加えてはならない。

11、言論の自由:言論の自由・出版の自由・学術研究の自由を実現し、国民の知る権利と監督権を保障する。「新聞法」と「出版法」を制定し、報道の規制を撤廃し、現行「刑法」中の「国家政権転覆扇動罪」条項を廃止し、言論の処罰を根絶する。

12、宗教の自由:宗教の自由と信仰の自由を保障する。政教分離を実施し、宗教活動が政府の干渉を受けないようにする。国民の宗教的自由を制限する行政法規・行政規則・地方法規を審査し撤廃する。行政が立法により宗教活動を管理することを禁止する。宗教団体(宗教活動場所を含む)は登記されて初めて合法的地位を獲得するという事前許可制を撤廃し、これに代えていかなる審査も必要としない届出制とする。

13、国民教育:一党統治への奉仕や濃厚なイデオロギー的色彩の政治教育と政治試験を廃止し、普遍的価値と市民的権利を基本とする国民教育を推進し、国民意識を確立し、社会に奉仕する国民の美徳を提唱する。

14、財産の保護:私有財産権を確立し保護する。自由で開かれた市場経済制度を行い、創業の自由を保障し、行政による独占を排除する。最高民意機関に対し責任を負う国有資産管理委員会を設立し、合法的に秩序立って財産権改革を進め、財産権の帰属と責任者を明確にする。新土地運動を展開し、土地の私有化を推進し、国民とりわけ農民の土地所有権を確実に保障する。

15、財税改革:財政民主主義を確立し納税者の権利を保障する。権限と責任の明確な公共財政制度の枠組みと運営メカニズムを構築し、各級政府の合理的な財政分権体系を構築する。税制の大改革を行い、税率を低減し、税制を簡素化し、税負担を公平化する。公共選択(住民投票)や民意機関(議会)の決議を経ずに、行政部門は増税・新規課税を行ってはならない。財産権改革を通じて、多元的市場主体と競争メカニズムを導入し、金融参入の敷居を下げ、民間金融の発展に条件を提供し、金融システムの活力を充分に発揮させる。

16、社会保障:全国民をカバーする社会保障制度を構築し、国民の教育・医療・養老・就職などの面でだれもが最も基本的な保障を得られるようにする。

17、環境保護:生態環境を保護し、持続可能な開発を提唱し、子孫と全人類に責任を果たす。国家と各級官吏は必ずそのために相応の責任を負わなければならないことを明確にする。民間組織の環境保護における参加と監督作用を発揮させる。

18、連邦共和:平等・公正の態度で地区の平和と発展を維持し、責任ある大国のイメージを作る。香港・マカオの自由制度を維持する。自由民主の前提のもとに、平等な協議と相互協力により海峡両岸の和解案を追求する。大きな知恵で各民族の共同の繁栄が可能な道と制度設計を探求し、立憲民主制の枠組みの下で中華連邦共和国を樹立する。

19、正義の転換:これまでの度重なる政治運動で政治的迫害を受けた人々とその家族の名誉を回復し、国家賠償を行う。すべての政治犯と良心の囚人を釈放する。すべての信仰により罪に問われた人々を釈放する。真相調査委員会を設立し歴史的事件の真相を解明し、責任を明らかにし、正義を鼓舞する。それを基礎として社会の和解を追求する。

四、結語

 中国は世界の大国として、国連安全保障理事会の5つの常任理事国の一つとして、また人権理事会のメンバーとして、人類の平和事業と人権の進歩のために貢献すべきである。しかし遺憾なことに、今日の世界のすべての大国の中で、ただ中国だけがいまだに権威主義の政治の中にいる。またそのために絶え間なく人権災害と社会危機が発生しており、中華民族の発展を縛り、人類文明の進歩を制約している。このような局面は絶対に改めねばならない! 政治の民主改革はもう後には延ばせない。

 そこで、我々は実行の勇気という市民的精神に基づき、「08憲章」を発表する。我々はすべての危機感・責任感・使命感を共有する中国国民が、朝野の別なく、身分にかかわらず、小異を残して大同につき、積極的に市民運動に参加し、共に中国社会の偉大な変革を推進し、できるだけ早く自由・民主・憲政の国家を作り上げ、先人が百年以上の間根気よく追求し続けてきた夢を共に実現することを希望する。

括弧内は訳注。
原文:http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/8f95023140c18356340ca1d707aa70fe  

(佐藤裕一による転載貼り付け終わり)

 【佐藤裕一による転載貼り付け終わり】