「サイバー官僚」の蠢動

会員番号4655 佐藤裕一 投稿日:2010/10/04 18:01

 会員番号4655の佐藤裕一です。

 前回の書き込み文章と一緒に書いていた文章なのですが、バランスが悪くなったので投稿を2つにわけました。クラウド・コンピューティング事業について、関連して思ったことを書きます。

 クラウド・コンピューティングは、今流行りのあの人がテレビで解説していたから、最先端の表面だけ眺める感じの庶民にも認知されてきたのでしょうね。

 個人単位ではまだ身近な話じゃないし、すぐには関わりのある話題ではないでしょう。私も、概念が雲のようにモヤモヤしていて、あまりよく掴めないのです。スパコンが巨大サーバーみたいになって情報保存装置として甦ったみたいな話でしょうが、違うでしょうか。

 とにかく商売として成立するのであれば、外野が文句を言う筋合いでもないのでしょう。そんなに持ち上げるほど革新的な事業かなぁ、とは正直感じますが、一般にまで普及浸透してくると生活スタイルに影響するから、そうなってはじめて実感するのでしょうね。利便性向上の流れには逆らえません。

 技術の進歩によって、人類社会にインターネットの現出という、確かに面白い現象が起こる世の中ではあります。しかし自己表現がし易くなる一方で、集中管理化という嫌な流れも並行して続いています。

『すでに世界は恐慌に突入した ――デリバティブとドルはあと数年で崩壊する!!――』(船井幸雄、朝倉慶著、ビジネス社刊、2009年12月1日第1刷発行)にあるWEBBOT(ウェブボット)って、そういう監視システム作成の一環じゃないのかな。人間行動を機械で予測しようという試みというか、無条件で礼賛しようとは思えませんが、今も活動しているんでしょうか。話題が耳に入って来ないのでよく分かりません。

 もちろんそうそう簡単に陰謀完了、完全なる情報支配社会の到来、なんてのはまだまだ程遠くて、これからもぐちゃぐちゃと紆余曲折するのでしょう。最終的には官僚達が管理統制を主導するのです。

 先生の会員用の今日のぼやき「1160」「グローバル・ビューログラット・ユナイテッド(世界官僚連合)というものが存在する。現在の政治情勢と金融(為替)やふわふわとした匿名でのネット言論についての私の考えを載せます。副島隆彦記 2010年9月30日」は重要です。

 世界官僚連合、グローバル・ビューログラット・ユナイテッド(Global Bureaucrat United)、GBUの正体、実態がどういうものなのか、おいおい先生が話をされるでしょう。

 それにしても略称が頭文字をとって、GBU。ゲーペーユーならぬ、ゲーベーユーでしょうか。より下衆っぽくて薄汚い語感がしますから相応しい感じですが、言い難いから普通にジービーユーでいいですね。

 インターネットにおいては、多国籍ネットワーク企業の陰謀なんかよりも、インターネットの誕生とともに少しずつ出現してきた警察の「サイバー官僚」が定着する方をこそ、より警戒すべきです。

 ネット犯罪撲滅を大義名分にして、「サイバー官僚」達が勢力を強めています。更には法的根拠と政府のお墨付きを後ろ盾に、「サイバー官僚」が影の職場どころではなく堂々と専門の役職と居場所を構えて、国民を監視しようという動きです。最近も一斉摘発などで締め付けを強めています。

 前田充浩さんという情報社会学者が早くから「サイバー官僚制度」「サイバー官庁制度」設立構想を提唱していたようです。あくまで氏の意図は効率化と人員削減のようですから、私が勝手にこういう使い方をしていいのか分かりませんが、どう考えてもまず実行力と強制力ある「サイバー官僚」と化すのは総務官僚や警察官僚です。ネット犯罪防止、ネットにも治安対策をとかいうスローガンを叫びだす。

 情報収集活動と治安維持こそ彼らの仕事であり生きがいであり、こっち方面では法務官僚や公安調査庁、検察官僚達よりも熱心でしょう。それから防衛官僚ですが、そっちはまぁいいですよ。対外的な諜報活動、防諜活動といった防衛行動こそが主な任務なんだから。対内的な国民に対する警察官達の管理統制を第一に警戒すべきです。

 それにしても目に見えていることは、これからも引き起こされるであろう不愉快な事態です。もうやることはテロ、戦争と同じで、仕組まれたサイバー戦争が起こされるのですね。今までよりも大規模なサイバーテロやサイバー攻撃がかの国から仕掛けられて大騒ぎにして、マッチポンプで日本も諸外国に遅れをとらず、本格的なサイバーテロ対策が必要ということになるのです。

 あとはインターネットを利用して起きた現実の大犯罪をもっと起こして、わざとらしく過剰宣伝するんでしょう、犯罪予告があったらもっと即座に取り締まろうとか、心の闇とかどうとか吹聴して回って、こいつらは。そういう世界的な流れを作り出して、それに従うように日本もこれからも誘導されて乗せられていくのでしょう。そのために自作自演で検閲・管理と摘発強化を謳いだすわけです。

 重掲の、黒瀬祐子さん投稿[93]「ネット言論検閲に対抗を! アクセスを強制的に遮断する「ブロッキング(検閲)」の試験運用が、警察庁の研究調査事業により10月開始[93]ネット言論検閲に対抗を!」による注意喚起に賛成致します。

 インターネットも広義の放送に当たるから放送法(電波法じゃない方か)が適用されるとまで言い出して、統制強化をしたがる連中までいて、何かと蠢いている。くたばれお前ら。断固阻止!

 そのうち裏方の専門部署だけじゃ飽き足らず、冗談でも比喩でもなく正式に「サイバー官庁」を創設しようと言い出すでしょう。「サイバー官僚」本人達が増長するだけじゃなく、政治家が率先して必要なんだ説き出して追認するどころか、こんなところで政治主導を発揮する始末になるまで行き着くでしょう。ふざけるなよ。まーた国民の自由を妨害しながら、新しい税金の無駄使いの言い訳を作るつもりか。この国は中国なのか。

 では、本当に行われ蔓延しているネット犯罪について放置せよというのか。ほとんどのネット犯罪者が逮捕されずに野放しになったままの現状でいいのか? それもこれから先において国内海外問わず、うじゃうじゃネット犯罪が増えていきこそすれ減ることのないであろう世界は、一体全体どうするのか? 無法の荒野のままにせよというのか?

 答えはまず最初に、その行為によって直接生じた犯罪被害者が、実際に存在するかどうかが判断材料になる、ということが言えます。不当な仕打ちを受けた被害者が実在するのならば、公正なる捜査をしなければならないでしょう。あとは人が何をしようが本人の自由だから国家権力は干渉するな。放っておけ。被害者がいないところについて、ネット犯罪取締りという見込みのある成長市場があるからといって、勝手に嘘犯罪を作り出すなよ「サイバー官僚」ども。

 しつこく繰り返しますが、実際に犯罪被害者がいる犯罪行為への対応は個々の事例に合わせて捜査して取り締まり、違法捜査がなくして、明白なる証拠をもって、裁判で有罪となれば処罰すればいいと思います。それについては明確な罰則基準と適切な量刑を設定することが必要であることまでは否定しません。あとは脱税とかマネーロンダリングとかの、ようはカネの流れを追跡して掴むという話で、これは昔っからあることだから形態がかわっているだけですね。

 恐ろしいのは捜査体制の名目でも監視強化、管理統制の方ですが、現行法規では対応出来ない事態の出現とか喧伝されていって、法改正もさせられるのでしょう。なし崩し的に自由が制限されるのを阻止したい。それを防げる国会議員達には本当に、軽々しく安易な判断をしないよう申し上げたいです。

 日本の民主党はアメリカの民主党と対応する位置関係にあり、実は左翼・革新政党の亜種でから、そういう全体主義的傾向があり、管理統制に対して元来からの親和性があります。

 それでも民主党政権に求む。「サイバー官僚」の中でも、真面目に捜査している部署の人員達はいいとして。小泉政権以降特にひどかった警察の中の、おぞましいネット謀略実行部隊や撹乱情報展開部隊として、愛国派政治家、官僚、財界人追い落としのために害毒情報撒き散らし活動に従事した公務員どもは氏名を特定して、現職でも公務員である者は即座に罷免せよ。

 逮捕や訴追については命令した側はともかく、命令された側は公務員の服務規定で忠実に職務を実行したということだから、時効などもあり判断に迷うところだ。罷免については判断を迷わない。1人残らずクビを切れ。

 それにしてもこういう治安維持対策、犯罪防止や取締り対策名目で、国民も仕方ないと首肯する状況、情勢を作り上げられて、いつも都合よく騙される。何やらかっこ良くて目新しいからといって、何でもすればいいというものではないということです。悪質なる「サイバー官僚」達が定着出来るような居場所がなくなるような社会運動を盛り上げたいものです。

 そのためにはまず国民大多数が肯定しない、積極的に否定するということが必要で、国民の総意という背景がないと政治家も官僚押さえ付けに動かないし、よく分かってる政治家であっても有権者の固い支持が少ないと当然ながら動きにくい。

 国民感情に対して揺るぎない決意表明、意思の明確化などを求めても仕方ないのだが、この点は大人の態度であるいつもの、仕方ない、を止めたい。仕方ないという台詞を言わないで、自由への侵害は許せない、という意思表示を明確にしたい。