公務員業界用語(1)官吏、キャリアとノンキャリ
伊藤睦月です。また間違ってボタン押してしまった。
お恥ずかしい・・・
では、改めて、「官吏」とは。「官」とは。「吏」とは。
小室直博士の本(天皇おそるべし)を読んでいたら、この区別が説明してあって、「官」は科挙に合格して、地方に赴任した高級官僚、「吏」は「官」が自費で雇って連れてきた、スタッフとのこと。(伊藤の記憶による)実はこの言葉、現代日本でも生きてます。
(1)現代日本では、「官」は国家公務員、「吏」は地方公務員、をいいます。
(2)実際、40年ほど前、私、伊藤が大学を卒業して、某県庁に採用になったときの辞令には、「某県事務吏員を命ず。某課勤務を命ず」、となっていました。一方で、関係する、国の出先機関に挨拶にいったら、高卒っぽい若手職員が名刺をくれまして、「某省事務官」と印刷されていました。
(3)地方自治体では、「官」という職名はありません。似たような文字として「監」をつけることはあります。管理職の職名の一つです。公務員以外の人々から、しばしば間違われます。「官」は国家公務員のみに許された文字です。そこは組織として、現然たる(根拠法令はしりませんが)区別があります。
(4)例え、学歴や学力(大体、採用試験の難易度は、国家1種、地方1種(主要都道府県、政令市)、国家2種、地方2種の順です(大卒の場合)国家3種、地方3種は、原則高卒限定です。大卒が奪うのを防ぐためです。
(5)また、よく聞く語で、「キャリア」「ノンキャリ」があります。
(6)「キャリア」は国家公務員であれば、1種試験に合格して、管理職以上の上級公務員になることを予定(期待)されてる人たち。「ノンキャリ」はそれ以外の人たち。ノンキャリは本省の管理職に登用される人もいますが、少数です。ほとんどは、地方出先機関に配属されます。地方公務員では、おおむね1種試験合格で採用された人たちで、管理職、人によっては、トップクラス(副知事、副市長、部長)まで可能性はあります。副知事(市長)は特別職なので、部長まで昇進できれば大出世、です。また、いわゆるノンキャリの人たちにも管理職登用のチャンスがありまして、その障壁は国ほどではありません。
(7)ちなみに、職制ですが、
(7-1)国、東京都、政令都市は、局長、(国のみ審議官(事業系)、官房長(総務人事財務系))部長、次長、課長、係長、主任、担当、が基本であとごちゃごや役職名がつくられます)
(7-2)道府県、市町村は、部長、次長(局長)、課長、係長、主任、担当が基本
(7-3)どちらも、課長以上が管理職。但し、出先機関は、そのトップと総務系のトップが管理職のことが多い。あとは、なにかえらそうな役職名でも、管理職ではないことが多いです。
(7-4)役所系は、いわゆる組織で仕事をしますので、そのなかで、昇進(出世)はある程度必要です。(7-5)佐藤優氏のその手のノウハウ本がでたとき、身に覚えのあることが多くて参考になりました。自分の経験に照らしても、賛否は別にして、佐藤の本にウソはない。少しスペックが高いように思いますが、一読する価値は十分あります。
(7-6)管理職の数について、あくまで私の勤務先の、個人的な印象です。全職員のうち、部長で0.3%、次長で0.5%、課長で10%、位です。多いか少ないかは、よくわかりません。
(7-7)ちなみに私は、次長クラスで定年を迎えました。周囲の見方はさまざまですが、まあ昇進したほうでしょう。50代後半から、持病が悪化して、本庁勤務が困難になり、出先勤務が長くなったので、(これは民間会社でも本社勤務と支店勤務とは微妙なところがあるでしょう?)、配慮してくれた上司には感謝しかありません。定年後、現在進行形でさまざまあっておりますが。(少し、ぼやきました)
少し脱線しました。次回、もう少し補足します。
また、ご質問等あれば、可能な限りお答えします。
(以上、伊藤睦月筆)