EUの羊たちが、「ロシア産エネルギー年内輸入停止」の柵の中から、逃げ出している。

かたせ2号 投稿日:2022/05/14 15:31

かたせ2号です。
ドイツを「ロシア産エネルギー年内輸入停止」の柵の中に追い込むために、DS最高幹部の意思の代弁者であるウクライナのゼレンスキー大統領とイギリスのトラス外相とが、2022年4月の1ヶ月をかけて奮闘する姿を、私はこれまで、この掲示板の投稿の中で追いかけました。

そして、その最終結果として、以下の記事を掲載します。
ドイツによるDS最高幹部への降伏文書調印式の様子です。やっとここまで来ました。

ロイター通信のサイトから。
記事名:ドイツ外相、ウクライナ訪問 キーウの大使館再開へ
2022年5月10日配信

(引用開始)(下線部はかたせ2号が引いた)
ドイツのベーアボック外相が2022年5月10日、ウクライナ入りした。ロシアのウクライナ侵攻後にウクライナを訪れたドイツ政府関係者としては最高位となった。
ドイツ政府は当初、ウクライナへの重火器の供与に消極的で、関係が悪化していた。しかし、ドイツはウクライナが目指す欧州連合(EU)加盟に支持を表明し、ロシアへのエネルギー依存低減を鮮明にするなど、関係修復に動いている。
ベーアボック外相は、ロシアからのエネルギー輸入をゼロとし、「永続させる」ことを目指すと述べた。
さらに、米英の動きに追随し、ウクライナの首都キーウの独大使館を再開させる方針を表明した。
また、ドイツがオランダと連携し、ウクライナに榴弾砲(ハウビッツェ)12両を供与する方針を示した。
ウクライナのクレバ外相は共同会見で、「ドイツがウクライナの平和、領土保全、主権のために立ち上がったことは歴史的転換」とし、独政府に謝意を表明した。
(引用終わり)

かたせ2号です。
これでDS最高幹部がドイツを屈服させて正式な決着がついた。それは確かな事実です。
ただし、これで一段落ついたなと、個人的には思っていたのですが、全然、そんなことはなかった。
甘かった。

以下に記事を3本掲載します。

<その1>
藤原直哉さんのツイッターから。
https://twitter.com/naoyafujiwara/status/1525246525529411584
2022年5月14日のツイート。

(引用開始)
要するに欧州は引き続きロシアのガスを買えるわけだ(大笑)

ロイター通信サイトから。
記事名:欧州委、ロシア産ガス支払い方法で従来の指針踏襲
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-eu-gaspayments-idJPKCN2MZ1T9
記事本文: 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のティム・マクフィー報道官は2022年5月13日、域内企業がロシアへの制裁措置に違反せずにロシア産ガスの代金を支払う方法について、これまでの指針を踏襲し、必要に応じてさらなる説明を行うために各国政府と連絡を取り合っていると述べた。
指針の更新に関する質問に対し「その件に関するわれわれの立場は揺るぎない」と指摘。「欧州委は指針の更新について話し合ったが、状況説明という点で全ての加盟国と対話を続けている。しかし、以前発表された法令とその法令がわれわれの制裁体制とどのように関連するかに関する指針に変更はなく、この問題について加盟国と緊密に協力し続けるという立場に変わりはない」とした。
(引用終わり)

<その2>
田中宇さんのツイートから。
https://twitter.com/tanakanews_com/status/1524580188788760576
2022年5月12日のツイート
(引用開始)
ロシアの天然ガスを輸入する欧州諸国のほとんどは、プーチン提案のルーブル口座をこっそり作ってガス輸入を続けていると伊首相が訪米時に暴露。みんなEUの対露制裁法に違反。実はロシアを制裁してない欧州。

記事名:欧州の制裁は吹き飛んだ。ドラギ総裁、「ほとんどのガス輸入業者がガスプロムにルーブル建て口座を開設している」と発言
https://www.zerohedge.com/markets/european-sanctions-blown-bits-draghi-says-most-gas-importers-have-opened-ruble-accounts
記事本文:3週間前、我々は、いくつかのヨーロッパのガスバイヤーがブリュッセルの制裁に違反して、ロシアが要求したように静かにルーブルで供給を支払うようにヨーロッパの偽の統一戦線が速やかに亀裂を入れたことを報告し、すぐにヨーロッパの事実上すべての人が彼らの足跡に続いて、同様にEU制裁を回避すると予測した。先程、欧州で最もパワフルな人物の一人、元ゴールドマンのパートナーでECBのトップであるマリオ・ドラギが、まさにそれを確認したのである。
ジョー・バイデンとの会談後、ワシントンD.C.で記者会見したドラギは、ヨーロッパのガス輸入業者はすでにガスプロムにルーブル建ての口座を開設していると述べたのである。
イタリア首相は、イタリアが制裁に違反することなくガス代を支払うことができ、したがってイタリアへのガスの流れが影響を受けることはないと確信しているかという質問に答えている。
「実はかなり自信があるのだが、愚かな理由もある。制裁に違反するとはどういうことか、公式には何も発表されていない。ルーブルの支払いが制裁に違反するかどうか、これらの支払いがどのように組織されているかについては、誰も何も言っていないのです。だから、ここはグレーゾーンなんです」。
しかし、2022年4月27日、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ロシアからのルーブルでのガス代支払いの要求に屈しないよう、企業に明確に警告を発した。「そのような契約を結んでいる企業は、ロシアの要求に応じるべきではない」とフォン・デア・ライエン委員長は述べた。「これは制裁違反となり、企業にとって大きなリスクとなる」。言い換えれば、ドラギは今世界で最もホットな話題の実態を全く知らないか、あからさまに嘘をついており、その過程で、プーチンに対する「欧州統一戦線」が巨大な茶番劇であることを証明しているのである。
その結果、ドラギ総裁の驚くべき結論が導き出された。「実のところ、ほとんどのガス輸入業者はすでにガスプロムにルーブルで口座を開いている」とドラギは付け加えた。裏では、ヨーロッパはロシアに毎日何十億も積極的に支払い続けているのではなく、プーチンの条件に従ってそうしており、ルーブルの高騰を助けているという驚くべき事実が明らかになった。
(引用終わり)

<その3>
ブルームバーグのサイトから。
記事名:ロシア石油禁輸、ハンガリーの抵抗でEUは導入先送り検討も
2022年5月13日配信
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-12/RBS88IDWX2Q101
(引用開始)
欧州連合(EU)加盟国の一部は、ロシア産石油の禁輸措置について導入延期を検討するべき時期かもしれないとの見解を示している。禁輸に反対するハンガリーをEUが説得できない場合でも、包括制裁案の残りを進められるようにするためだという。
複数のEU外交当局者によると、各国政府は依然、段階的な石油禁輸を含む包括制裁案の合意を2022年5月16日までにまとめることを目指している。同日にはEU外相会合がブリュッセルで開かれる。
(引用終わり)

かたせ2号です。
EUの羊たちが、「ロシア産エネルギー年内輸入停止」の柵の中から、逃げ出しています。

せっかく、ブチャの事件を引き起こして、柵の中に入れ込んだはずなのですが、DS最高幹部としてもどうしようもありません。DS最高幹部によるコントロールの限界が露呈している状況です。
(ここまでくれば、SWIFTからガスプロムを排除すれば一気に解決する話ですが、それが実はできないのですよ。ふじむら掲示板[298]を参照ください。)

そこで、DS最高幹部が最終手段(?)として、とったのが以下の記事です。

J Satoさんのツイッターから。
https://twitter.com/j_sato/status/1525038500348760064
2022年5月13日のツイート

(引用開始)
ウクライナエネルギー省:欧州諸国にロシア産ガスの輸入停止を呼びかけ

欧州諸国、ロシア産ガスを買い続け

ウクライナがガスパイプラインを止める!

ロイター通信サイトから。
記事名:ウクライナはパイプラインシステムをコントロールするまでガスルートを再開しない。
https://www.reuters.com/business/energy/exclusive-ukraine-will-not-reopen-gas-route-until-it-controls-transit-system-2022-05-12/
2022年5月12日配信
記事本文:ウクライナは、キエフがパイプラインシステムを完全に管理できるようになるまで、ロシアから欧州へのソフラノフカ・ガス中継ルートを再開しない、と運営会社GTSOUの責任者が2022年5月12日にロイター通信に語った。
同社は火曜日(2022年5月10日)、ロシアに支援された分離主義者によるガス盗難を理由に不可抗力を宣言し、ソフラノフカを経由するガスの流れを停止させた。
パイプラインはウクライナのルハンスク地方を通っており、その一部は2014年以来、ロシアに支援された分離主義者の支配下にある。
「我々は開通しない。資産を完全にコントロールするまで」とGTSOUのボス、セルギー・マコゴンは文書コメントで述べた。
彼は、ロシアの国営ガス会社ガスプロム(GAZP.MM)は、分離主義者がウクライナを通過するガスを盗み始めたことに気づいていなかったと述べた。
「ガスプロムは、分離主義者が我々から通過ガスを盗み始めたことに気づいていなかったと思う。」
マコゴン氏によると、ガスプロムはスジャのトランジットルートを使用することで、ヨーロッパ向けの全量を供給することが可能であり、ルートはまだ開通している。
ガスプロム社からのコメントは得られていない。
同社は、スジャ経由の全供給量を迂回させることは技術的に不可能であると述べており、キエフもこの主張は真実ではないと述べている。
(引用終わり)

かたせ2号です。

今回わかったのは、DS最高幹部が、自分の命令をEU諸国に受け入れさせるのにとても苦労しており、それは、DS最高幹部のとりうる行動範囲に実は限界点があるからだということです。彼らの支配力は無限では決してないですね。

以上