(493)冊府元亀について:まず、基本情報、関連情報、をおさえよう。
伊藤睦月(2145)です。2054様、表記投稿ありがとうございます。とりあえず、現時点で私がもっている関連情報、お知らせします。
(1)冊府元亀について
(引用開始)①さっぷげんき:中国の書名。王欽若(おうきんじゃく)、楊億(ようおく)、らが北宋の真宗の勅を奉じて1005年編集に着手、1013年に完成した。1000巻。皇帝の政治に資するために、古代から五代までの歴代の君臣の政治に関する事績を、帝王部から外臣部まで31部1115部門に分類して、列記。当時現存した各種の書冊の中から、政治の要項を広く集めて編集。「冊府元亀」と名付けられた。このような形式を類書とよび、「文苑栄華」、「太平御覧」などとともに、北宋期につくられた代表的な類書である。とくに唐・五代に関する部分は亡失して現在伝わっていない史料を含み、史料的価値が大きい。(日本大百科全書)
➁類書:中国独特の百科事典。多くの書物の中にみえる事項を項目別に分類編集したもの。唐代以降盛んになり、「芸文類聚」、「太平御覧」、「冊府元亀」、「永楽大典」、「古今図書集成」などがその代表である。(ブリタニカ国際大百科事典)
(引用終わり)伊藤睦月です。上記2事典は、カシオの電子辞書(高校生普通モデル)に標準搭載されているものです。私が、高校教科書レベルにこだわるのは、基本、学会通説なので、実証の手間を節約できると考えたからです。通説では、説明できないときに少数説を主張すべきと考えているからです。その分、手間暇かかってしまうのですが、単なるファンタジーで終わらせないための、知的態度です。私が基本、支持する副島説は大半が少数説ですから、私は学会の人間ではありませんのでなおさら、心意気としては、「素人のたわごと」と言わせない工夫でもあります。
伊藤睦月です。この「冊府元亀」は、2054様のいわれるように、「マイナーな扱いにしてしてよい史料ではないように思われる」、また、ある程度史料的評価も得ている。それではなぜ、「マイナー扱い」なのか、考えたことありますか。それは、この書物が、他書からの引用でしかない、「二次史料」の集まりだから。実証史学では、一次史料のほうが、史料的価値が高く、一次史料を補うことでしか、史料として認められてこなかったからだと思います。賛否はあるでしょう。小林恵子(多分学会主流ではない)や井沢元彦(歴史推理作家)はファンタジーの名手なので、そのルールからは自由な人たちだろうと思います。しかし、学会主流からは、野球の試合をやっているのに、ラグビーをやろうとしている人たち、ということになろうかと思います。「太平御覧」もしかり。私は副島史学を実証に耐えうるものにしたい、と分不相応な、野望を持っています。そのための「ふじわら掲示板」だし、2054様のような投稿は大歓迎なのです。
次回は、「晋書」について考えてみます。
(以上、伊藤睦月筆)