議論とは、相手を言い負かすことではなくて、自分の弱点を徹底的に考えることである。ー「覇権アメ」第4章を読む。(1)
伊藤睦月です。本日は、2025年8月11日です。最近の副島先生による、米国政治情勢分析を、読み解くためには、「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち(通称「覇権アメ」講談社アルファ文庫1999年)の第4章の理解が必須だとのこと。ご本人が強調しておられる。
この文庫本にして400頁余の本は、「属国日本論」と並び、副島隆彦の主著とされ、「副島学」入門者は、まず、この2冊を読め、ということになっている。(学問道場ホームページ)
そこで、この「覇権アメ」特に「第4章「法」をめぐる思想闘争と政治対立の構図」について、私の理解しているところを書く。まあ、副島学徒としては、凡庸な学力しか持ち合わせていない、年金暮らしの貧乏老人の繰り言のようなものだから、「ああ、この程度か」と思っていただければ、それで結構。この文庫本は皆さんお持ちである、という前提で書かせていただく。
1、「覇権アメ」の全体構成(まずここを押さえよう)
この文庫本は、次の構成から編集されている。
1)文庫本のためのまえがき
2)凡例
3)現代アメリカ政治思想各派見取り図
4)アメリカ政界の思想派閥の全体図
伊藤睦月です。この本は、上記1)、3)、4)を理解し、運用能力を身に着けさせることが、目的である。
以下、第1章~第9章は、そのための各論、補足説明である。なお、巻末の
5)単行本のあとがき
6)人名索引
7)付録1 シンクタンク(研究所・研究財団)一覧
8)付録2 政治評論誌一覧
9)付録3 政治討論・ニューズ番組一覧
伊藤睦月です。この巻末付録は、専門家であればあるほど、「おいしい」資料だ。本書の初版は、1995年の「アメリカ政治思想大研究」(筑摩書房)で、2024年最新のアップデートが必要だとも思うが、私の能力を超える。
なお、第1章~第9章の表題は以下の通り。
第1章 「ネオ・コン」派の正体
第2章 共和党保守本流という存在
第3章 試練に立つ民主党リベラリズムと行動科学
第4章 「法」をめぐる思想闘争と政治対立の構図(今回の主目標)
第5章 ユダヤ系知識人と財界人の政治力
第6章 リバータリアン保守思想の台頭
第7章 宗教右派の運動と社会問題対立の激化
第8章 黒人イスラム勢力の動き
第9章 左翼知識人と急進左翼運動の現在
伊藤睦月です。これだけのラインナップで、アメリカ政治思想全体を見渡した本や論文集は、わが国においては、個別テーマ別にはあったかもしれないが、以前は存在しなかった。もしこれらを改変、アップデートする必要があるとすれば、それは、この本がみずから、そうした、というほかはない。唯一無二の本。
さて、イントロはこれくらいにして、次回から、第4章を読んでみることにします。
以上、伊藤睦月拝
なお、この
