記録 日米安保条約上での「第三国軍の日本国内での訓練参加」容認に解釈を変えた安倍晋三

かたせ2号 投稿日:2024/04/30 09:39

かたせ2号です。

(リンク先)
2016年8月1日 糸数慶子参議院議員による質問主意書
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/191/syuh/s191001.htm

2016年8月8日安倍晋三総理答弁書
 https://sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/191/touh/t191001.htm

かたせ2号です。
表題に関連して、
「参議院議員糸数慶子君提出米軍以外の外国軍隊等が日本国内において訓練を行うことに関する質問に対する答弁書」および「米軍以外の外国軍隊等が日本国内において訓練を行うことに関する質問主意書」を再構成して、掲載します。
記録として保存。

要は、以下の『もっとも』以下が、安倍晋三による「創意工夫」となります。
個々の事案に即して『誰が』判断するのかも不明確。

「米国以外の外国の軍隊や軍人が、その訓練の目的で在日米軍の施設・区域を使用することは、同条約上認められない。
『もっとも』、在日米軍の施設・区域内における米軍の活動に米国以外の外国の軍隊や軍人が参加することが、いかなる態様であっても同条約上禁じられているというものではなく、在日米軍の施設・区域内における米軍の活動への米国以外の外国の軍隊や軍人の参加が同条約の許容する範囲内のものであるか否かについては、個々の事案に即して判断されるべきものと考える。」

なお、漢数字の表記を算用数字に改めています。

(糸数慶子議員による質問の主旨説明)
 米国以外の国の軍人が日本国内で訓練を行うことについて、1971年(昭和46年)12月1日の参議院本会議において、福田赳夫外務大臣は「安保条約はわが国の施設・区域を米軍に提供するものであり、第三国人に対して提供するものではない。したがって、第三国人の訓練をわが国において行なうことは許されない」旨述べている。
 他方、本年【2016年】7月、英国海兵隊の将校がキャンプ・シュワブやハンセンにおいて米海兵隊の訓練に参加していたことが、英政府の情報公開により判明したと報じられた(7月18日付、沖縄タイムス)。記事によれば、英国防省海軍司令部は、訓練が双方の合意に基づき2015(平成27)年1月に始まったと説明している。
 これについて、以下質問する。

(質問1) 本件について、政府の承知しているところを明らかにされたい。
(質問2)本件について、米国及び英国政府から、日本政府に対して、事前申請もしくは協議等があったか、明らかにされたい。
(質問3)本件と国連軍との関係を明らかにされたい。
(質問4)米軍及び国連軍以外の外国軍隊や軍人が日本国内で訓練を行うことについて、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(日米安全保障条約)、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)との関係を踏まえ、政府の見解を示されたい。
(質問5)本件と前記の福田赳夫外務大臣の答弁との整合性について、政府の見解を示されたい。
(質問7)沖縄県内の米軍基地内で訓練に参加したとされる英国海兵隊の将校の出入国審査手続はどのように行われたか、明らかにされたい。
(質問8)国連軍が日本国内で訓練を行うことについて、政府の見解を示されたい。また、国連軍が使用できる日本国内の基地等を明らかにされたい。
(質問12)この度明らかになったキャンプ・シュワブやハンセンにおける英国海兵隊の将校の訓練参加について、政府として米英両政府に対し事実確認や協議等を行った事実はあるか。また、あるのであれば、その内容を明らかにされたい。

【質問1、2、3、4、5、7、8、12への政府回答】
政府として、御指摘の「記事」については承知しているが、その内容については、現在、英国政府に確認中であり、特定の報道の内容が真実であることを前提とした質問にお答えすること並びに米国政府及び英国政府とのやり取りの内容を明らかにすることは差し控えたい。
その上で申し上げれば、我が国の提供した在日米軍の施設・区域の使用は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(1960年(昭和35年)条約第6号)第6条に基づき米軍に対し認めているものであり、米国以外の外国の軍隊や軍人が、その訓練の目的で在日米軍の施設・区域を使用することは、同条約上認められない。

もっとも、在日米軍の施設・区域内における米軍の活動に米国以外の外国の軍隊や軍人が参加することが、いかなる態様であっても同条約上禁じられているというものではなく、在日米軍の施設・区域内における米軍の活動への米国以外の外国の軍隊や軍人の参加が同条約の許容する範囲内のものであるか否かについては、個々の事案に即して判断されるべきものと考える。

 現在、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定(1954年(昭和29年)条約第12号。以下「国連軍地位協定」という。)第5条2に基づき、1950年6月25日、6月27日及び7月7日の国際連合安全保障理事会決議並びに19501年2月1日の国際連合総会決議(以下「国際連合の諸決議」という。)に従って朝鮮に軍隊を派遣しており又は将来派遣する国であって国連軍地位協定の当事国であるものの陸軍、海軍又は空軍で、国際連合の諸決議に従う行動に従事するために派遣されているもの(以下「国連軍」という。)に対して使用が認められている在日米軍施設・区域は、キャンプ座間、横須賀海軍施設、佐世保海軍施設、横田飛行場、嘉手納飛行場、普天間飛行場及びホワイト・ビーチ地区である。また、国連軍地位協定上、国連軍の使用に供する施設は、国連軍に対して十分な兵たん上の援助を与えるため必要な最少限度に限るものとされている。

(質問6)近年、日本国内において、米軍以外の外国軍隊や軍人あるいは国連軍が訓練を行った事例として政府の承知しているところを明らかにされたい。

【質問6への政府回答】
 我が国国内において自衛隊が行った「みちのくALERT2014」、「ノーザン・レスキュー2015」及び「南海レスキュー28」に米軍及び豪州軍がそれぞれ参加している。また、政府として、我が国国内において、国連軍が訓練を行った事例は承知していない。

(質問9)国連軍が日本国内において訓練等を行う際、日本政府への事前申請が必要か、明らかにされたい。
(質問10)国連軍が日本国内において訓練等を行う際、当該訓練のために日本に出入国する者の出入国審査手続はどのようなものか、明らかにされたい。

【質問9、10への政府回答】
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国連軍地位協定第三条1に基づき、国連軍の構成員は我が国への入国及び我が国からの出国が認められており、同構成員が我が国に入国する際には、我が国政府に対して適切に通告がなされ、出入国に際して適切に手続がとられている。

(質問11)駐日英国大使館の駐在武官が日本国内で訓練を行うことについて、政府の見解を示されたい。

【質問11への政府回答】
 在日英国大使館の駐在武官による我が国国内での訓練は行われていないと承知している。

(以上)