現在の政治状況の中国は尖閣諸島をいつでも実効支配可能である

岡山アキラ 投稿日:2010/12/14 04:06

国家公務員をしている岡山アキラ(会員番号1603、筆名。筆名で記述している理由については最後の(お断り)をご覧ください。)です。
尖閣諸島沖漁船衝突事件及び尖閣ビデオ流出事件の方は、最近、大きい進展がないようです。
そこで、タイトルとおり「現在の政治状況の中国は尖閣諸島をいつでも実効支配可能である」ということを少し書いて、尖閣諸島関係の話をひとまず終わりにしたいと思います。

それでは以下、タイトルについて、「である」調で述べます。

[12]以降の私の一連の投稿で、主に日本の右翼の人達(例えば http://www.nipponkaigi.org/activity/archives/1589 のようなサイトに集う人達)が心配していると思われる「尖閣諸島自体について、今後も日本は実効支配し続けることができるか否か」ということについて私は一言も書いていなかった。
それは、明白だからである。

つまり、タイトルとおり「現在の政治状況の中国は尖閣諸島をいつでも実効支配可能である」からだ。

中国国内法からいうと、尖閣諸島は1992年に制定された中国の領海及び接続水域法第2条には以下のとおり中国の陸地領土には尖閣諸島最大の島である魚釣島(中国名「釣魚島」)を含むものとすでに規定されており、同法に基づき、中国人は、魚釣島を中国の領土と見なすことができる。

中国の領海及び接続水域法第2条
(前略)
中華人民共和国の陸地領土には中華人民共和国及びその沿海の島嶼、台湾及び釣魚島を含む付属の各島、澎湖列島、東沙群島、西沙群島、中沙群島、南沙群島並びにその他一切の中華人民共和国に属している島嶼を含むものとする。
(後略)
(岡山の仮訳)
(参照URL: http://law.law-star.com/showtxt?
multiSearch=&dbsType=chl/lar/iel/scs/hnt/eag/cas&dbsText=&isopen=1&keywords=&dbn=chl&fn=chl027s054.txt&file=&upd=1 )

そして、中国は共産党の一党独裁国家である。

したがって、すでに中国国内法上自国の領土となっている土地へ、中国共産党・・・その一部の者は、子息、お金等の理由で米国影響下にあるだろう・・・が望めば、その土地が隣国支配下にあろうがどうか関係なしに、その軍あるいは中国共産党がコントロールしている人間を、基本的にはいつでも進ませることができるのであり、実質的にその邪魔をする者は、中国人にはいない。

もっとも、その状態を中国が維持できるかは別問題である。

日本政府が普通の国の政府のように、例えば、1982年イギリスが自国領のフォークランド諸島に上陸したアルゼンチン軍を、軍で排除したように、中国軍を派遣したならば、自衛隊を出して、尖閣諸島に上陸した彼らを排除してしまうかもしれない。

民間人を派遣したならば、2004年に尖閣諸島に上陸した香港人等への対応と同様に、日本政府職員が彼らを逮捕、排除してしまうかもしれない。

そしてそれをやった後の日本を含む他国との関係、とりわけ日本のみならず米国とも戦争状態になってしまうかもしれない・・・・。

こうした中国の国外的要素があるので、実際は、これらと国内的要素を比較考量して、尖閣諸島の実効支配を試みることが中国共産党(中国国民ではない)に利すると中国共産党が判断したとき、中国はそれを行うことになるだろう。

実際、以下のウェブサイトに記載されているように1978年に一度試みられている。

中国の武装海上民兵は過去に尖閣諸島に来ている・その1
http://blog.zaq.ne.jp/blueocean/article/670/
中国の武装海上民兵は過去に尖閣諸島に来ている・その2
http://blog.zaq.ne.jp/blueocean/article/671/
中国の武装海上民兵は過去に尖閣諸島に来ている・その3
http://blog.zaq.ne.jp/blueocean/article/672/

ところで、1978年のころのように数百隻の中国漁船が尖閣諸島にやってきて、領海侵入して操業するというのは、[12]の5.で述べたように、現在では、恒例になっているようである。

よって、もしこの先、中国が尖閣諸島の実効支配を試みるとしたらその第一段階は、1978年と同様の手法で中国漁船が日本の巡視船を脅しすことから始まるだろう。
そして、巡視船がまごついている内に、領海侵犯した数十隻の中国漁船から武器を持った「民間人」である中国漁船員が尖閣諸島に上陸するというようになるのではないだろうか。ちなみに韓国が竹島を奪取、不法占拠した際も、以下のウィキペディアの頁に記載されているとおり、韓国の「民間人4人」を含む義勇隊がそれを行っているのである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/独島義勇守備隊

(お断り)
本来は、副島先生のいうとおり実名で文章を発表するべきでしょう。しかし、やはり副島先生が「ぼやき」で述べている事情のとおりで、左遷にはなりたくないので、公務員でいる間は、学問道場には、筆名で投稿させていただきたいと思います(とはいえ、私が本投稿等インターネット上において記述している文章の内容は、すべてネットからの引用等で国家公務員法でいう秘密はないので法律上はまったく問題ないはずです。)。

実名投稿でなければならないということであれば本投稿を削除して頂いて結構です。