ブチャ事件の「ダーツ」(フレシェット)の記事が、世界中で「幻」になった経緯を解明する。<関連記事掲載編>

かたせ2号 投稿日:2022/05/08 09:45

<関連記事掲載編>

かたせ2号です。
以下に、関連記事が全部で4つあります。時系列に沿って並べます。
この4つの情報を元に、後の「謎解き」につなげていきます。

1. 2022年4月4日(アメリカ、ニューヨークタイムズ)

ニューヨーク・タイムズ紙が、ロシア軍が撤退する前の2022年3月19日の時点でブチャ市内の通りに遺体が散乱していると主張しました。現在でもこれが、ブチャの事件を引き起こしたのがロシア軍であるという主張の大きな根拠になっています。

日テレNEWSサイトから。
記事名:ニューヨークタイムズ紙「露軍撤退前に遺体散乱」
2022年4月5日配信
https://news.ntv.co.jp/category/international/060dc4b0caf74109b8bff9c18d84ea31

(一部引用開始)
2022年4月4日付のアメリカのニューヨークタイムズ紙はブチャの衛星写真を分析し、ロシア軍が撤退する前の2022年3月19日の時点で、市内の通りに遺体が散乱しているのが確認できるとしています。また、衛星写真では、2022年3月10日の時点で、集団墓地をつくるために教会の近くに穴を掘っているとみられる様子が確認できるとしていて、ロシア側の説明と矛盾していると指摘しています。
(一部引用終わり)

2. 2022年4月18日(アメリカ、ワシントン・ポスト)

ワシントン・ポスト紙

コリア・エコノミクスのサイトから。
記事名:露軍はフレシェット弾を使用か 数千個の釘を広範囲に降らせる非人道兵器
2022年4月20日配信
https://korea-economics.jp/posts/22042004/

(引用開始)
ウクライナに侵攻中のロシアがキーウ郊外のブチャを攻撃した際に、非人道的武器の一つである「フレシェット弾」を使った情況が明らかになった。
2022年4月18日、米ワシントンポスト(WP)によると、ブチャ地域のある住民は「2022年3月末ロシア軍が撤収する数日前に頭の上で砲弾が破裂し数千個のダーツが散った」とし「一部は車両を覆っていた防水布に落ちたが、まるで誰かが釘を打ったかのようだった」と明らかにした。
WPは「現場取材を出た記者たちも数多くのフレシェットが散乱していることを確認した」と伝えた。フレシェット弾による死者はまだ確認されていない。
鉄製のフレシェットは、3cm程のサイズの小さなダーツのような形で、フランス語でダーツを意味するフレシェットに由来し、矢弾と呼ばれることもある。フレシェットで満たされた爆弾は、空中で爆発すると最大サッカー場の3倍の広さに数千~数万個の小さな矢状の釘(フレシェット)を散らす。
そのため、広く開けた場所に集結した部隊への攻撃に主に使用され、人口密集地域では民間人も被害を得る。
フレシェット弾の使用は無差別の殺傷が懸念されるため、国際人権団体から批判を受けている。国際アムネスティは「民間人が多い地域で使われてはならない」と主張している。使用禁止条約はまだ成立していない。
WPはフレシェット弾が第一次世界大戦の際に飛行機から投下されたことや、米国がベトナム戦で使用したことを伝えた。イスラエルは2014年にパレスチナガザ地区への攻撃の過程でフレシェット弾を使用したが、非難を受け、その後使用を中断した。
ブチャ地域のフレシェット弾はロシア軍の122mm 3Sh1砲弾から発射されたと推定されている。
(引用終わり)

3.2022年4月24日(イギリス、ガーディアン)

イギリスのガーディアン紙のサイトから。
記事名:ロシア砲の金属弾で数十人のブチャ市民が死亡した。法医学者が集団墓地から発見された遺体から、現代戦ではほとんど使用されていないフレシェットを発見。
2022年4月24日配信
https://www.theguardian.com/world/2022/apr/24/dozens-bucha-civilians-killed-flechettes-metal-darts-russian-artillery

(翻訳して引用開始)
ウクライナの都市ブチャのロシア占領中に死亡した数十人の市民は、ロシアの大砲が発射したタイプの砲弾の小さな金属の矢によって殺されたと、法医学者が発表した。
キエフの北、占領下のロシア軍が残虐行為で告発されている地域の集団墓地で見つかった遺体の検死を行っている病理学者や検視官は、フレシェットと呼ばれる小さな金属の矢が人々の頭や胸に埋め込まれているのを見つけたと語った。
ウクライナの法医学者であるVladyslav Pirovskyi氏はガーディアン紙に、「私たちは男女の遺体から本当に細い釘のようなものをいくつか見つけたし、この地域の他の同僚たちも同じだった」と語っている。「遺体からそれらを見つけるのは非常に困難です。これらの遺体の大部分は、ブカ・イルピン地域から来たものです。
ガーディアン紙が見た、遺体から見つかった金属の矢の写真を確認した独立した武器専門家は、第一次世界大戦中に広く使われた対人武器であるフレシェットであることを確認した。
この小さな金属の矢は、戦車や野戦砲の砲弾の中に入っている。砲弾1発につき、最大8,000個の閃光弾を込めることができる。発射された砲弾は、時限信管が爆発し、地表で炸裂する。
通常、長さ3cmから4cmの閃光弾は、砲弾から放出され、幅300m、長さ100mの円錐形のアーチを描いて散布される。被害者の体に当たると、矢は硬度を失い、鉤状に曲がり、4枚のヒレでできた矢の後部はしばしば折れて、2度目の傷を負わせる。
ブチャの多くの目撃者によると、フレシェット弾は2022年3月末に軍が撤退する数日前にロシア砲兵によって発射されたという。
ブチャの住民であるスヴィトラナ・チュムットさんは、自分の車に数発の釘が打ち込まれているのを見つけたとワシントンポスト紙に語った。
人権団体は以前からフレシェット弾の禁止を求めているが、この弾薬は国際法上、禁止されていない。しかし、人口密度の高い民間地域で不正確な殺傷兵器を使用することは、人道法違反である。
目撃された発射薬の写真を確認した英国のFenix Insightグループの兵器専門家Neil Gibson氏によると、ロシアの大砲が使用している122mm 3Sh1砲弾を含み、その中にはフレシェット弾が充填されているとのことだ。
「もう一つの珍しい、めったに見られない発射体」とギブソン氏はツイッターで述べた。「今回は、米国の「蜂の巣」シリーズの対人地雷(APERS)弾のロシア版だ。本当の榴散弾のように作動するが、閃光弾とワックスバインダーで満たされている」。
フレシェットは第一次世界大戦中から弾道兵器として使用されていた。当時としては画期的な飛行機が歩兵を攻撃するために投下し、ヘルメットを貫通するほどの威力を持った金属製の弾丸である。第二次世界大戦ではあまり使われなかったが、ベトナム戦争でアメリカはプラスチックカップに詰めたフレシェット弾を採用し、再登場した。
アムネスティ・インターナショナルによれば、「フレシェットは、密生した植物を貫通し、多数の敵兵を攻撃するために設計された対人兵器である」。「市民区域では決して使ってはならない」「ロシアがブチャで戦争のルールを無視したことは、兵器の専門家でなくても理解できる」とブチャの市長、アナトリー・フェドルクは言った。「ブチャはチェチェン・サファリと化し、市民に対して地雷を使用したのです。衛星画像は、ウクライナのブチャにある聖アンデレ教会とピエルヴォズヴァノーホ・オールセインツ教会の近くにある集団墓地です。」
ロシアはブチャの殺害の代名詞になったとゼレンスキーは言う。
ロシア軍は、2022年2月の侵攻開始から数日後、激しい戦闘の末にキエフの北西18.5マイル(30キロ)にあるブチャを占領した。2022年3月末に撤退命令が出され、その後、虐殺されたと思われる数百人の遺体を含む集団墓地が明るみに出た。
フランス国家憲兵隊の法医学部門の18人の専門家チームは、キエフの法医学調査チームとともに、1カ月にわたる占領期間中に市民に加えられた恐怖の記録を取り始めた。
ピロフスキー氏は、「私たちは、多くの切断された(醜い)遺体を目にしています」と語った。「手を後ろに縛られ、後頭部を撃たれているものも多い。自動小銃の場合もあり、犠牲者の背中に6~8個の穴が開いているようなケースもあった。そして、犠牲者の体にクラスター爆弾の成分が埋め込まれているケースもいくつかあります。
ガーディアンがブチャ、ホストメル、ボロディアンカを訪問した際に収集した証拠と、独立した兵器専門家による検討の結果、ロシア軍は人口の多い地域で、世界の多くの地域で禁止されているクラスター弾と強力な無誘導爆弾を使用し、少なくとも8つの民間建物を破壊していることが判明しました。
フレシェットは、イスラエル国防軍(IDF)がレバノンやガザ地区での軍事作戦で定期的に使用し、民間人を殺傷した以外には、現代戦ではほとんど使用されていない。
2008年3月、ロイターのパレスチナ人ジャーナリスト兼ビデオグラファーのファデル・シャナ氏が、イスラエル軍の戦車が発射した砲弾の破片で死亡した。後にレントゲン写真で、シャナの胸、脚、そして装甲のない防弾チョッキに金属の弾丸が埋め込まれているのが確認された。
(翻訳終わり)

4. 2022年4月25日以降(全世界)

かたせ2号です。
2.と3.の記事でわかるように、ワシントン・ポストとガーディアンが連携・準備して、ロシア軍の残虐さをアピールするために書いた記事にもかかわらず、DS最高幹部は上の3.の記事に一切触れようとしません。その方針は現在も継続しています。そのため、世界に情報が流れず、世界のほとんどの人々は、この記事の内容を知りません。

まず、ロイターをはじめ、世界中の通信社がこの3.の記事を配信していません。
「フランス国家憲兵隊の法医学部門の18人の専門家チームは、キエフの法医学調査チームとともに、1カ月にわたる占領期間中に(ブチャ)市民に加えられた恐怖の記録を取り始めた」内容の結果報告にもかかわらず、です。不思議ですね(笑)。
(補足:上の3.の記事、実は共同通信が配信していて日本の地方新聞、日刊ゲンダイには掲載されていますが、世界への影響力はないので、ここでは話を省略します)

次に、ウクライナのゼレンスキー大統領も、一切触れていません。これだけお膳立てしてもらって出てきた記事なのに。これも不思議です。

最後に、イギリスのトラス外相。2022年2月24日にイギリスでこの情報が流れたわけですから、ウクライナ情勢に詳しいはずの外相が、3.のガーディアン記事を知らないはずはない。にもかかわらず、トラス外相の言動(twitter等含め)で、この情報に言及した箇所は皆無です。
2022年4月27日の演説においても、
「ウクライナの戦争は我々の戦争、全員の戦争だ。ウクライナの勝利は、我々全員の戦略的急務になっているからだ」
「重火器、戦車、戦闘機……倉庫の奥まで探し回って、生産能力を高める必要がある。そのすべてをする必要がある」
「私たちは慢心できない。ウクライナの運命はまだ拮抗(きっこう)している。はっきりさせておきたいのは、もしプーチン大統領が成功すれば欧州全体に甚大な悲劇が起こり、世界中に恐ろしい影響が出るということだ」
と単に煽るだけの、無内容な発言に置き換わっていますね。
(BBCサイトから。記事名:トラス英外相、ロシアを「ウクライナ全土から押し出すべき」。
2022年4月28日配信)
https://www.bbc.com/japanese/61253110

結局、DS最高幹部としては、3.の事実を「なかった」ことにしています。これが最近、ブチャの話題が世界で流れなく(流せなく)なった本当の理由です。
以上で記事内容の説明編を終わります。

では、なぜ、この3.の記事にDS最高幹部は触れようとしないのでしょうか?
以下、「謎解き」編に進みます。謎解きは2つあります。