ジョージ・ソロスとヘンリー・キッシンジャーの最近の発言を記録し分析する。

かたせ2号 投稿日:2022/05/29 16:22

かたせ2号です。
表題に関連する記事(4件)を記録しておきます。
その前に、これら4件の記事から判明したことも含め、かたせ2号は以下の通り分析しましたので、よろしくご参考ください。

<分析>
(1) 対ロシア、中国潰しの作戦を立案・実行しているDSの最高責任者は、ジョージ・ソロスである。
(2) ソロスの作戦は、中露(ユーロシア大陸)の両端で戦争を引き起こし、中露を潰すというものである。
(3) ソロスが現在実行中のこの作戦を、同じくDS最高幹部であるヘンリー・キッシンジャーが真っ向から否定している。曰く
・「中国とロシアを団結させる敵対的なアプローチは愚かだ」
・「『民主』対『独裁』の枠組みでの政権交替の追求も避けるべき」
・「台湾問題を米中交渉の中心に置いてはならない」
・「小細工や漸進的過程で『二つの中国』にしてはならない」
・「ウクライナは領土を割譲してでもロシアとの和平を追求すべきだ」
(4) そもそも、このようなDS最高幹部同士の意見の食い違いが、ダボス会議を通じて世界中に発信され知れ渡るのは、かつてない醜態である。これは、DS最高幹部の実現したいことがうまくいっていないから起きているのだ。
副島隆彦先生曰く「戦いとは、勝って相手の組織をぶち割るか、負けてこちらの組織がぶち割られるかの戦いである」。この判断基準を用いるなら、プーチンが優勢、DS最高幹部側が劣勢という判断になる。
(5) DSにとっては、2つの主要目標がともに未達である。すなわち、「経済制裁によるロシア・ルーブルの通貨価値の暴落」および「EU諸国でのロシア産エネルギーの輸入停止」。ソロスは、現在、この目標未達の責任を激しく問われている。
(6) このうち、「EU諸国でのロシア産エネルギーの輸入停止」については、下掲4.の記事「ソロス氏によると、プーチン氏は2021年、ガスを欧州に輸出せずに貯蔵。供給不足を起こして価格を高騰させ、ロシアに莫大(ばくだい)な富をもたらした。だが、貯蔵施設は今年(2022年)7月に満杯になるため、ロシアは唯一の市場である欧州にガスを輸出せざるを得なくなるという。ソロス氏はこの点について説明する書簡をイタリアのマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相に書簡を送ったが、返事はないと述べた。」
かたせ2号です。
まず、ソロスの部下であるイギリスのトラス外相、ウクライナのゼレンスキー大統領を使うのではなく、ジョージ・ソロス自らが直接現場対応に当たっている。そこまでソロスは追い込まれている。また、まだ挽回できる見込みはあると周囲に説明し理解を求めているが、かなり苦しい状況であることは明らか。
そして、イタリアのマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相が、ソロスの言うこと(司令)を全く聞こうとしていない状況にあることを認めてしまっている。
ドイツやイタリアにロシア産エネルギーの輸入停止を呑ませるという作戦自体がそもそも妥当だったのか、現在のジョージ・ソロスは激しく責任追求されているだろう。

かたせ2号です。分析は以上です。

<以下、データの記録(4件)>

1.  2022年5月9日 ヘンリー・キッシンジャー

ハンギョレのサイトから。
記事名:キッシンジャー氏「ウクライナ戦争後、中ロ連帯を壊す別々のアプローチが必要」
副題:キッシンジャー元米国務長官「フィナンシャル・タイムズ」対談 
「中国とロシアを団結させる敵対的なアプローチは愚かだ」 
「『民主』対『独裁』の枠組みでの政権交替の追求も避けるべき」
2022年5月11日配信
http://japan.hani.co.kr/arti/international/43425.html?_ga=2.196707940.934420622.1653782032-224628068.1652572224

(引用開始)
冷戦で米国が勝利を収めた決定的なきっかけとなった「デタント」を実現した戦略家のヘンリー・キッシンジャー元国務長官(98)が、ウクライナ戦争が終わった後、米国は中国とロシアの連帯を「弛緩」(弱体化)させる別々のアプローチを取らなければならないと忠告した。
 キッシンジャー元長官は、2022年5月9日付の英国紙「フィナンシャル・タイムズ」米国版の編集者エドワード・ルース氏との対談で、1970年代に中国とロシアの連帯を壊し米中和解を主導した自身の経験を回想し、「中国とロシアの同盟は固定された利害ではない。今はそれが作られているが、私には本質的に永遠の関係であるようにはみえない」と評した。キッシンジャー元長官は、冷戦期にイデオロギー論争と領土紛争で悪化した中ロ間の亀裂に入り込み、中国と奇跡的な和解を実現した。米中の関係改善で孤立したソ連は、結局は1980年代末に崩壊の道を進むことになる。
 キッシンジャー元長官は、「ウクライナ戦争が終わった後、地政学的な状況は重大な変化をもたらすだろう」とし、「中国とロシアが、すべての予測可能な問題で同じ利害を持つということは自然でない」と指摘した。さらに「私たちが(意図的に中ロ間の)意見の違いを作りだすことはできないが、状況によってはそのようなことは可能だ」とし、「二人のライバルを一つにまとめさせるやり方で敵対的な立場を取ることは、賢明ではないと思う」と述べた。米国は、中国とロシアに別々のアプローチをして、両国関係に亀裂を入れなければならないという主張だ。
 これに先立ち、ホワイトハウス国家安全保障会議のカート・キャンベル・インド太平洋調整官は、ウクライナ戦争勃発直後の2022年2月28日、米国が「同時に二つの紛争地域に深い関与を継続しなければならない時期に入ったようだ」と述べた。米国がアジアで「中国の浮上」に対応するために、クアッド(QUAD)やオーカス(AUKUS)などを通じて同盟国や友好国をまとめる過程で発生した今回の戦争では、欧州戦線でロシアとも敵対せざるをえなくなった「戦略的な苦境」を示した言葉だった。キッシンジャー元長官のこの日の発言は、米国が「二つの戦争」で中国とロシアを同時に相手にしてはならず、両国に異なるアプローチをし、長期的には二つのうち一つとの関係を友好的に変えなければならないという意味だと読み取れる。彼は「中国とロシアのうち、どちらか一つの国が西側の親密な友人になるはずだということではなく、特定の事案において私たちが別々のアプローチを取る選択肢があるということを意味する」とし、「今後、ロシアと中国をひとまとめにしてはならない」と繰り返し忠告した。
 キッシンジャー元長官はさらに、人類は現在、民主主義と権威主義が競争する「変曲点」上にいるとするジョー・バイデン大統領の認識に対しても、批判的な立場を示した。彼は「技術の進化と現在存在する兵器の途方もない破壊力を考えると、私たちは政権交替の追求を避けなければならない」と述べた。
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席に対する個人的な経験と評価も示した。キッシンジャー元長官は、過去15年間、プーチン大統領に1年に1回は会ったと述べ、「彼の基本的な確信は、ロシアの歴史に対する神秘的な信念のようなもの」だとしたうえで、「(かつてソ連の影響下にあった東欧の)全領域がNATO(北大西洋条約機構)に吸収されるということに脅威を感じたため傷ついた」と語った。さらに、「プーチンは、自身が国際的に直面する状況を誤算し、ロシアの能力を確実に誤算した」とし、「解決の時期が来た時、そうしたことを考慮する必要がある」と指摘した。習主席に対しては、「いかなる中国の指導者であっても、プーチンが直面したような状況を避け、いかなる危機でも自分たちが不利な立場に陥らない案を講ずるものとみられる」と述べ、中国が台湾海峡などでウクライナ戦争のような危機を作ることはないと診断した。
(引用終わり)

2.  2022年5月23日 ヘンリー・キッシンジャー(台湾問題) 

記事名:キッシンジャー氏「台湾問題を米中交渉の中心に置いてはならない」…懸念を再度表明
副題:ダボス会議で「一つの中国」の原則固守を要求、「小細工や漸進的過程で『二つの中国』にしてはならない」
2022年2月25日配信
http://japan.hani.co.kr/arti/international/43560.html?_ga=2.26312949.934420622.1653782032-224628068.1652572224

(引用開始)
米国がジョー・バイデン大統領の東アジア訪問を通じて中国包囲網の構築を強化するなか、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が、米国の中国に対する政策を再度批判した。
 キッシンジャー元国務長官は2022年5月23日、スイスのダボス会議でのオンライン形式の演説を通じて、米国と中国は両国の緊張した外交関係の中心に台湾を置くことを避けなければならないと求めた。CNBCが報じた。
 キッシンジャー氏は「米国は小細工や漸進的過程で『二つの中国』というものを開発してはならない」と述べ、最近米国で生じている「一つの中国」の原則を廃棄する動きを直接批判した。彼はまた、「中国は、これまで発揮した忍耐をこれからも発揮し続けるだろう」と述べ、中国は両国関係を害する挑発的な措置は取らないと見通した。
 キッシンジャー氏は「直接的な対決は避けなければならず、台湾は交渉の中心にはなりえない」としたうえで、「台湾は中国と米国の間にあるからだ」と指摘した。
 キッシンジャー氏はこの日の演説で「米国と中国は、少なくとも一定範囲の協力的な努力を許容できる対立的な関係を作りだす原則を話し合うことが、交渉の中心として重要だ」と述べた。米国と中国が敵対的な関係にあるとしても、一定範囲の協力は可能な原則を作り、破局を避けなければならないという要求だ。彼は「両国のこのような対立的関係を緩和することが、米国と中国、世界の全般的な平和のために重要だ」と再度強調した。
 キッシンジャー元長官は1970年代初め、米国と中国の関係正常化を主導した人物だ。彼は2022年5月9日に報じられた英国紙「フィナンシャル・タイムズ」のインタビューでも、「ウクライナ戦争が終わった後、地政学的な状況は重大な変化をもたらすだろう」としたうえで、「二人のライバル(中国とロシア)をひとまとめにする形で敵対的な立場を取るのは賢明ではないと考える」と述べた。米国は中国とロシアに別々のアプローチをして、両国に対する関係を再設定しなければならないという勧告だ。
 キッシンジャー氏がダボス会議で、米国が「一つの中国」の原則を守らなければならないと語った日、バイデン大統領は、台湾防衛のために米国が軍事介入することは可能だと述べ、波紋を広げた。バイデン大統領は、日本の岸田文雄首相との会談後の共同記者会見で、「台湾を防衛するために軍事的に関与するか」という質問に、「イエス、それが我々の約束だ」と答えた。バイデン大統領は、「我々は中国と『一つの中国』政策に合意した。しかし、台湾を武力で占領できるという考えは適切ではない」としたうえで、「(台湾侵攻は)地域全体を混乱に陥れ、ウクライナ問題と同様の反応があるだろう」と付け加えた。また、台湾周辺での中国軍用機の武力誇示について、「軽率で危険なことをしている」とし、米国は「中国が台湾に武力を使うことができないよう、日本など他国と連携する」と述べた。
 バイデン大統領のこの発言について、ホワイトハウスの関係者は、台湾に対する米国の政策に変わりはないとすぐに釈明した。ある関係者は「バイデン大統領は、米国の『一つの中国』政策と台湾の平和と安定性に対する約束を再確認した」とし、「改めて、台湾防衛のために、軍事的手段を提供するという台湾関係法に対する我々の約束を再確認したもの」だと述べ、鎮静化を図った。
 米国は、1979年に制定された台湾関係法に従い、台湾に軍事装備を提供している。しかし同法は、中国が台湾を侵攻した場合、米国が軍事的に介入することは要求していない。ただし、台湾関係法は台湾が自衛のための資源を保有し、中国の一方的な統一を防ぐことを保証する政策を米国が追求するよう規定している。
 この日のバイデン大統領の発言は、台湾関係法の規定を越える水位だ。中国外交部は即座にこの発言について「強い不満と断固たる反対」を表明した。
(引用終わり)

3.2022年5月23日 ヘンリー・キッシンジャー(ウクライナ問題)

時事通信サイトから。
記事名:キッシンジャー元米国務長官が「領土割譲」提案か ウクライナは猛反発
2022年5月27日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022052600977&g=int

(引用開始)
ウクライナ情勢に関するキッシンジャー元米国務長官の発言が、波紋を呼んでいる。「ウクライナは領土を割譲してでもロシアとの和平を追求すべきだ」という趣旨に受け止められ、ウクライナ側は猛反発している。
 キッシンジャー氏は2022年5月23日、スイス東部ダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加。ウクライナ情勢について「今後2カ月以内に和平交渉を進めるべきだ」との見解を示すとともに、「理想的には、分割する線を戦争前の状態に戻すべきだ」と述べた。また「ロシアが中国との恒久的な同盟関係に追い込まれないようにすることが重要だ」と強調した。
 この「戦争前の状態」という言葉が、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島や、親ロ派勢力が支配する東部ドンバス地方の割譲を意味するとの受け止めが広がった。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は、2022年5月25日のビデオ演説で、キッシンジャー氏の発言に「『偉大な地政学者』は普通の人々の姿を見ようとしない」と反発。「彼らが和平という幻想との交換を提案する領土には、普通のウクライナ人が実際に住んでいる」と訴えた。
 同国のクレバ外相もダボスでの記者会見で「この戦略は、2014年から主要国が使ってきた。『譲歩しろ。そうすれば戦争を防ぐことができる』と。それは失敗した」と批判した。
 キッシンジャー氏は2022年5月27日で99歳。1970年代のニクソン、フォード両政権で国務長官を務め、冷戦下での米中接近を主導した。
(引用終わり)

4.2022年5月24日 ジョージ・ソロス

記事名:ロシアのウクライナ侵攻、文明存続の危機か ソロス氏
2022年5月25日 16:25 発信地:ダボス/スイス
https://www.afpbb.com/articles/-/3406552?cx_part=search

(引用開始)
米投資家ジョージ・ソロス(George Soros)氏は2022年5月24日、ロシアのウクライナ侵攻は第3次世界大戦の始まりかもしれず、人類文明存続の危機かもしれないと警鐘を鳴らした。一方、天然ガスに関しては、欧州は思っている以上にロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に対して有利な立場にある可能性があるとの見方を示した。
 ソロス氏はスイス・ダボス(Davos)で開かれている世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席。これに合わせて開催された夕食会恒例のスピーチで、ロシアのウクライナ侵攻について、「欧州の根幹を揺るがしている」「第3次世界大戦の始まりかもしれず、人類文明は乗り越えられないかもしれない」と述べた。
「われわれはウクライナ戦争の早期終結に向けて総力を結集しなければならない。人類文明を維持する最善かつ唯一であろう方法は、一刻も早くプーチンを打ち負かすことだ」
 ソロス氏は欧米諸国のウクライナ支援を称賛する一方、欧州が依然としてロシア産ガスに「過剰に」依存していると指摘。主な原因は、ロシアとガス供給に関する「特別な取引」をしたアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)前独首相が追求した重商主義的政策だとの見解を示した。
 欧州連合(EU)はロシアからのガス輸入量を今年中に3分の2削減することを目標としているが、ドイツが消極的なため、禁輸には至っていない。ロシア産石油の禁輸も、ハンガリーの反対で難航している。
 ソロス氏はプーチン氏について「ガス供給を止めるとして非常に巧みに欧州を脅迫してきたが、実は虚勢を張っているにすぎない」「実際は危機的状況にあり、ぎりぎりのところで欧州を脅してきたにすぎない」との見方を示した。
 ソロス氏によると、プーチン氏は2021年、ガスを欧州に輸出せずに貯蔵。供給不足を起こして価格を高騰させ、ロシアに莫大(ばくだい)な富をもたらした。だが、貯蔵施設は今年(2022年)7月に満杯になるため、ロシアは唯一の市場である欧州にガスを輸出せざるを得なくなるという。
 ソロス氏はこの点について説明する書簡をイタリアのマリオ・ドラギ(Mario Draghi)首相に書簡を送ったが、返事はないと述べた。
「(プーチン氏は)窮地に立たされている。ガスを使って何かをしなければならない」「欧州は認識している以上に有利な立場にある」
 ソロス氏は中国の習近平(Xi Jinping)国家主席にも言及。習氏とプーチン氏を「独裁者」、中国とロシアを「オープンソサエティー(開かれた社会)に対する最大の脅威」と呼んだ。
 ソロス氏は中ロの指導者について「無制限の同盟関係で結ばれている。脅迫によって支配し、その結果として信じられないような過ちを犯すなど、多くの共通点もある」「プーチン氏はウクライナで解放者として迎えられると期待していた。習氏は持続不可能なゼロコロナ政策に固執している」と非難した。
(引用終わり)

以上