ジャック・ボーの論説を紹介する(その1)
かたせ2号です。
ジャック・ボーの論説を紹介します。その第1回目。
なお、ジャック・ボーの論説をきちんと最初に紹介した日本人インフルエンサーは以下のお二人です。記して感謝します。
・田中宇さん:https://tanakanews.com/220421kramatorsk.htm
・岩上安身さん:https://iwj.co.jp/wj/open/archives/504779
<フランス語原文から英語文への翻訳したデータ>
Postil Magazineのサイトから。
記事名:The Military Situation In The Ukraine April 1, 2022
https://www.thepostil.com/the-military-situation-in-the-ukraine/
<日本語への翻訳文>
世相徒然ブログから。
https://ameblo.jp/docomo1923/entry-12740288218.html
かたせ2号です。ここのブログ主さんによる解説文(のみ)を以下に引用します(翻訳文そのものは上記リンク先を参照ください)。また、日本語に翻訳くださったブログ主さんに感謝します。
(一部引用開始)
このブログでも幾つか紹介したように海外発信された論考は優れたものが多く、正しくウクライナ戦争の原因を突いている。
そんな中、ブログ「阿幾左与庵」Akiさんから、とても分かりやすく優れた分析の論考を紹介していただいた。
ジャック・ボー「ウクライナにおける軍事情勢」(2022.4.25)である。
(表題が少し大人しすぎる。「ウクライナ戦争の正体)又は「ウクライナ戦争の真実」がいいかも)
ジャック・ボー氏は、67歳のスイス陸軍の元大佐、戦略アナリスト、諜報とテロリズムの専門家で、NATOの勤務経験がある方だ。だから現場を知って中立的な分析が可能な信頼できる評者だといえる。
この論考はウクライナ侵攻せざるを得なかったロシアの事情、特に2014年以降のウクライナドンバス内戦やゼレンスキー内閣やNATOの動きから説く。
ボー氏の分析はその経歴からロシア寄りではなく非常に客観的であると捉えてよいだろう。
ロシアに理解を示したからといってそれはロシアのプロバガンダではないのだ。
長めの論考は三部に分かれており、第1部: 戦争への道、第2部:戦争、第3部 結論という構成である。
まず、ウクライナ紛争の根源から説き始める。そしてウクライナ軍の実態からウクライナ軍がなぜナチ化していったか。そのナチ化への米英の関わり。第2部では戦争の勃発として、ほとんど知られていないウクライナ政府の動きが暴きだされている。つまり、ロシア軍のウクライナ侵攻以前にもうウクライナ側はドンバス地方を攻めようとちょっかいを出していたのだ。アメリカのプロパガンダを信ずる者は見たくない不都合な真実だろうが。
ここでプーチンは岐路に立たされる。軍事介入すれば経済制裁や熱い戦争になりうるし、介入しなければドンバス地方の住民を見捨てることになる。そこで決断がなされたのだった。
そのため、プーチンは作戦を2つの目的に限定した。ウクライナの「非軍事化」と「非ナチ化」だ。つまり、ウクライナを征服するのではなく、おそらくは占領するのでもなく、破壊するのでもない。これがロシア軍の戦い方だった。(しかし、このことがアメリカ・ウクライナ側のプロパガンダにいいように利用されてしまうのだ)
一方ゼレンスキー・ウクライナの戦い方について、ボー氏は鋭い指摘をして批判する。
「軍の指揮系統とは、軍隊の本質であり、武力の行使を目的に向けて方向付ける機能である。現在のように無計画に市民を武装させることで、市民を戦闘員にしてしまい、結果的に市民を潜在的な標的にしてしまうことになるのだ。さらに、指揮もなく、作戦目標もなく、武器を配ることは、必然的に決闘や盗賊行為、効果的というより致命的な行動につながる。戦争は感情の問題になる。武力は暴力となる。
…EUは、ベルリンの戦いの最後の時間における第三帝国の悲惨な経験を繰り返そうとしている。
戦争は軍に委ねられ、一方が負けたときには、それを認めなければならない。そして、もし抵抗があるならば、それは指導され、組織されたものでなければならない。しかし、私たちは正反対のことをしている。私たちは市民に戦場に行くよう促し、同時にFacebookでは、ロシアの兵士や指導者の殺害を呼びかけることを許可しているのだ。」
日本の保守の一部は熱狂して、ウクライナの義勇軍化と徹底抗戦を愛国的と称賛するが、軍事専門家ボー氏に言わせればとんでもないことなのである。
「戦争は軍に委ねられ」ねばならず、そうでなく「市民を戦闘員にしてしまい、結果的に市民を潜在的な標的にしてしまうことにな」り、「指揮もなく、作戦目標もなく、武器を配ることは、必然的に決闘や盗賊行為、効果的というより致命的な行動につながる。戦争は感情の問題になる。武力は暴力となる。」という混沌とした悲惨な状況が現出してしまうとの指摘だ。
こう言えば、恐らく有本らの興奮した右翼は、「侵略を許せと言うのか、抵抗してはいけないというのか」と吼えるだろう。しかし、ウクライナ戦争の経緯をキチンとみれば必ずしもその愛国心は正しいとはいえないことがわかるだろう。
結論部分では、「欧米の政治家の中には、明らかに紛争が起こることを望んでいる者がいる」とボー氏はいい、戦争は政治の延長であるというものの、余りの政治優位つまり戦争を泥沼化したい米英のためにそして当亊者ゼレンスキーがロボットのため、停戦に持ち込めない状況に陥っている。
ボー氏は「プーチンの非難は、私たちへの非難でもある」と言う。
「…明らかに、この紛争は私たちをヒステリーに導いている。もし、我々が交渉し、承認したミンスク合意をウクライナに遵守させるよう主張していれば、このようなことは起こらなかっただろう。プーチンの非難は、私たちへの非難でもある。もっと早くから行動すべきだったのだ。」と。
この戦争を世界の人々は終わらせたくても、終わらせたくないアメリカとEUとウクライナがいる。戦争を泥沼化させたい勢力!ヘタをすれば第三次世界大戦!もう少しは突入しているのだが。
アメリカのプロパガンダに賛意を示す人々もまたこのウクライナ戦争を長引かせることに貢献しているのだ。
本当の気持ちは、早く戦争を終わらせたいはずなのに、ロシアが悪というプロパガンダを鵜呑みにして、戦争長期化に心ならずも加担しているのだ。
そして罪なきウクライナ人を結果的に死に追いやっている。死神ゼレンスキーと同じように。
そこから抜け出すには、正しい認識が必要だ。このジャック・ボー氏の論考はそのための一助になるはずだ。
ロシア寄りの論考なんて信用できん、と言わずに、まずはじっくり読んでから、それからテレビの毎日のプロパガンダを聞いてみよう。見方が変わっているに違いないのだ。ナザレンコ・アンドリーの嘘はたちどころにわかること請け合いなのだ。
前置きが長くなってすみません。ではどうぞ。
(一部引用終わり)
以上