【462】守屋論文を検証するの(2)について

会員番号2054 投稿日:2024/06/21 13:04

会員番号2054です。伊藤氏による投稿について読みきれておりませんが、伊藤睦月氏の【462】守屋論文を検証するの(2)で言及されている「歴史書は門外不出」との点について反論します。
伊藤氏は以下のように論じます。

(引用はじめ)
中国の王朝交代は血筋でおこなわれるのではない。易姓革命、天命を受けた王朝が天命を失った王朝から王権を引き継ぎます。それを証明するのが、歴史書です。だから、歴史書は門外不出。皇帝とその関係者しか閲覧(見ること)できません。
(引用おわり)

伊藤氏は旧唐書・新唐書に限らず、中国の正史全般について「門外不出」と主張されていますが、そのような事実は本当にあるのでしょうか。逆に門外不出を破った例ならば「旧唐書」に見受けられます。

(引用はじめ)
引用元:専修大学ウェブサイト http://www.senshu-u.ac.jp/~off1024/nenpyoushiryou/kutoujyo/kyuu199s-647~648.htm
『旧唐書』199上 列伝149上 東夷 新羅
二十二年、眞德遣其弟國相・伊贊干金春秋及其子文王來朝。詔授春秋爲特進、文王爲左武衞將軍。
春秋請詣國學觀釋奠及講論、太宗因賜以所制温湯及晉祠碑并新撰晉書。將歸國、令三品以上宴餞之、優禮甚稱。
(引用終わり)

2054です。旧唐書によると、648年正月に金春秋は入唐し、できたばかりの『晉書』が与えられた、とあります。皇帝でもその関係者でもなく、気軽にプレゼントされている様子がうかがえます。守屋氏を批判する論拠の1つにすぎないのかもしれませんが、この点は重要です。歴史書が門外不出というのであれば、その根拠をご教示ください。どうぞよろしくお願いいたします。