朝鮮戦争下にある日本では、18カ国(米軍含む)からなる国連軍が、在日米軍基地施設・区域(7箇所)を現在も使用可能です。

かたせ2号 投稿日:2024/04/29 12:48

かたせ2号です。

2024年4月29日、本日、どらえもん2さんのリポストで知ったのですが、ワタシは昨日まで、以下の事実を全く知りませんでした。

みなさんは、ご存知でしたか?
「在日米軍施設・区域のうち7箇所(キャンプ座間,横須賀海軍施設,佐世保海軍施設,横田飛行場,嘉手納飛行場,普天間飛行場,沖縄ホワイトビーチ地区)を以下の18カ国の軍隊が使用することができます。

朝鮮国連軍参加国:(18か国):オーストラリア,ベルギー,カナダ,コロンビア,デンマーク,フランス,ギリシャ,イタリア,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,フィリピン,韓国以,南アフリカ,タイ,トルコ,イギリス,アメリカ,オーストラリア,カナダ,フランス,イタリア,ニュージーランド,フィリピン,南アフリカ,タイ,トルコ,イギリス」

ですので、みなさまにこれに関連する詳しい情報をこれから共有したいと思います。
(なお、引用文中の【   】は、かたせ2号による補足追記です。)

まず、昨日の報道から。

沖縄タイムズのサイト。
記事名:オランダ軍が【沖縄】県内で訓練 北部訓練場で米軍の日程に参加 識者「日米安保条約違反が常態化している」
2024年4月28日 5:00
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1350654

(引用開始)
オランダ軍の海兵隊が【2024年】3月、米軍北部訓練場で行われた米海兵隊の訓練プログラムに参加していたことが【2024年3月】27日分かった。沖縄防衛局はオランダ軍の来沖を把握していなかったが、第3海兵師団の交流サイト(SNS)が訓練の動画を流していた。在日米軍基地で米軍以外の他国軍が訓練することは日米安全保障条約で認められないが、条約を逸脱して他国が訓練に参加するといった事例はたびたび起きている。識者は「事実上の安保条約違反が常態化している」と問題視している。(社会部・塩入雄一郎)
(引用終わり)

かたせ2号です。こちらについて、より詳しい情報があるブログに記載されていたので、以下に紹介します。
2024年3月24日にブログ主(宮城秋乃さん)が上の記事の事実を発見しました。

アキノ隊員の鱗翅体験2
https://akinotaiin.blog.fc2.com/blog-entry-320.html

(引用開始)
私【宮城秋乃さん】と塩入雄一郎記者のスクープです。
オランダ軍が北部訓練場で米軍と共同で訓練をおこなっていたこと、それを沖縄防衛局が把握していなかったことを【2024年4月28日に】沖縄タイムスが報じました。
現場で見かけた際、普段見かける米軍の戦闘服やコンバットシャツではなく、フェイスペイントをしているので整備士等でもなく、他国軍ではないかと思い米海兵隊のSNSなどで情報を探しました。この日は車両がゲート間を移動し、普段とは違う動きをしていました。
他国の軍隊が北部訓練場で訓練をおこなうだけでも問題なのに、それを市民【宮城秋乃さん】からの問い合わせがあるまで日本側は把握していなかった、つまり、米軍が勝手に他国軍を日本国内の基地に入れたのは日本の主権の軽視です。
しかもオランダ軍は国連軍でもありません。
日本がこれを許せば、今後、オランダ以外の国の軍隊も入ってくる可能性があります。
米軍が訓練を行うだけでも自然環境に悪影響があるのに、他国軍まで入ってきたらより自然破壊は進みます。
周囲の住民も不安に思うことでしょう。
このとき、オランダ軍の乗った車両を短時間でも止めておいて良かったです。
今後、監視を強めます。
(引用終わり)

かたせ2号です。
このブログに掲載されていた旧ツイッター情報、以下に引用しておきます。

旧ツイッター アメリカ第3海兵師団
https://x.com/3d_Marine_Div/status/1778940141295550873
9:15 AM · Apr 13, 2024(JST)

(引用開始)
Our Marines with 4th Marine Regiment, U.S. service members, and Dutch Marines participate in Jungle Leaders Course on Okinawa, Japan.
第4海兵連隊の海兵隊員、米軍兵士、オランダ海兵隊員が沖縄でジャングル・リーダーズ・コースに参加。
(引用終わり)

かたせ2号です。
ジャングル・リーダーズ・コースの紹介動画のリンクは以下の通り。
これは明らかに「視察」ではなく「訓練」です。
https://www.youtube.com/watch?v=p6gB0IxkSMM

ここから話が細かくなります。

沖縄タイムズの、この事件に関する法的な見解(主張)は以下の2点に集約されます。
2点とも「オランダ軍の、米軍北部訓練場でのジャングル・リーダーズ・コース参加には法的根拠がない」。

まず、
(1)日米安保条約。
沖縄タイムズの記事一面(2024年4月28日)から。

(抜粋開始)
在日米軍の施設・区域の使用は日米安保条約第6条で米軍には認められているが、それ以外の軍隊や兵士が訓練目的で使用することは認められていない。
【2016年8月、日本】政府は、米軍の訓練に他国の軍隊が参加することは「いかなる態様であっても日米安保条約上禁じられているものではない」と閣議決定。条約の許容範囲か否かは、個々の事案に即して判断されるとする例外を設けた。
日米安保問題に詳しい東京工業大の川名晋史教授(国際政治学)は「閣議決定では、政府として訓練で使うのはだめと言っており、視察なら許容の範囲ではと示している。今回の事案が訓練なら閣議決定でも認められないし、視察だとしても日米安保条約上の根拠を示すのは難しい」と指摘している。
(抜粋終わり)

続いて同じ沖縄タイムズのサイトから。
本日、2024年4月29日 5:01
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1350994
(抜粋開始)
英国海兵隊の将校がキャンプ・シュワブやハンセンで訓練に参加したことが2016年の本紙報道で明らかになった。これに対し防衛省は当初、従来の政府見解をなぞり「第三国人の訓練使用は安保条約上認められない」と述べていた。
 しかし約1カ月後、安倍政権は「いかなる態様であっても日米安保上禁じられているものではない」とする答弁書を閣議決定。条約の許容範囲か否かは、「個々の事案に即して判断される」と解釈を変更した経緯がある。
 今回の訓練について沖縄防衛局は「承知していない」とする。であれば政府機関のどこが「判断」したのか。
(抜粋終わり)

かたせ2号です。
沖縄防衛局は「承知していない」のであれば、将棋でいうところの「詰み」(日本政府は論破された)です。

次に、
(2)国連軍地位協定。

かたせ2号です。まず、こういう地位協定が、いまだに日本に適用されているのをワタシは全く知りませんでした。

「日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定」本文
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000358947.pdf

国連軍地位協定第5条(抄)
国際連合の軍隊は,日本国における施設(当該施設の運営のため必要な現存の設備,備品及び定着物を含む。)で,合同会議を通じて合意されるものを使用することができる。
国際連合の軍隊は,合同会議を通じ日本国政府の同意を得て,日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基づいてアメリカ合衆国の使用に供せられている施設及び区域を使用することができる。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/fa/page23_001541.html
「国連軍地位協定締約国(12か国):日,オーストラリア,カナダ,フランス,イタリア,ニュージーランド,フィリピン,南アフリカ,タイ,トルコ,イギリス,アメリカ」

沖縄タイムズの記事一面(2024年4月28日)から。
(抜粋開始)
国連軍については【沖縄】県内では普天間飛行場、嘉手納基地、ホワイトビーチの3カ所を日本と国連軍地位協定を結ぶ11カ国が使用できる。だがオランダ軍とは国連軍地位協定を結んでいない上、北部訓練場は国連軍基地ではない。
(抜粋終わり)

かたせ2号です。
ここでも、「詰み」(日本政府は論破された)です。

(3)ここまでの(1)(2)が沖縄タイムズの説明でしたが、じつは、もう一つあります。
それが最初に述べた「朝鮮国連軍」。これについて、さらりとコメントしているのがどらえもん2さん。
さすがです。
https://twitter.com/matsudadoraemo1/status/1784538125009916395
8:00 PM · Apr 28, 2024
(引用開始)
「朝鮮国連軍」は、現在も日本に駐留しています。米軍横田基地内に朝鮮国連軍の後方司令部隊がいます。朝鮮国連軍には、米英蘭など18カ国が参加して、国連軍地位協定も適用されます。
「国連軍旗」米軍横田基地にたなびく国連旗。それは、朝鮮国連軍の後方司令部隊がそこに存在することを示す国連軍旗でもある。
(引用終わり)

かたせ2号です。
外務省HPから抜粋します。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/fa/page23_001541.html

(抜粋開始)
(1)朝鮮国連軍は,1950年6月25日の朝鮮戦争の勃発に伴い,同月27日の国連安保理決議第83号及び7月7日の同決議第84号に基づき,「武力攻撃を撃退し,かつ,この地域における国際の平和と安全を回復する」ことを目的として7月に創設された。また,同月,朝鮮国連軍司令部が東京に設立された。
(2)1953年7月の休戦協定成立を経た後,1957年7月に朝鮮国連軍司令部がソウルに移されたことに伴い,我が国に朝鮮国連軍後方司令部が設立された(当初キャンプ座間に置かれたが,2007年11月に横田飛行場に移転した。)。
(3)現在,在韓朝鮮国連軍は,朝鮮国連軍司令部本体と同司令部に配属されている軍事要員からなっており,在韓米軍司令官が朝鮮国連軍司令官を兼ねている。
(4)横田飛行場に所在する朝鮮国連軍後方司令部には,司令官他3名が常駐しているほか,9か国(オーストラリア,イギリス,カナダ,フランス,イタリア,トルコ,ニュージーランド,フィリピン,タイ)の駐在武官が朝鮮国連軍連絡将校として在京各国大使館に常駐している。
(抜粋終わり)

かたせ2号です。
じつは、この朝鮮国連軍の枠組みで、日本政府側からの「説明がつく」かもしれません。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/fa/page23_001541.html
(抜粋開始)
朝鮮国連軍参加国:(18か国):オーストラリア,ベルギー,カナダ,コロンビア,デンマーク,フランス,ギリシャ,イタリア,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,フィリピン,韓国,南アフリカ,タイ,トルコ,イギリス,アメリカ
(抜粋終わり)

かたせ2号です。オランダがしっかり含まれています。すなわち、オランダが沖縄北部訓練場で訓練してよい枠組みがあるのでは?

あらら、沖縄タイムズ危うし!?

というわけでも実はなく、同じ説明箇所に
(抜粋開始)
現在,朝鮮国連軍は,国連軍地位協定第5条に基づき,我が国内7か所の在日米軍施設・区域(キャンプ座間,横須賀海軍施設,佐世保海軍施設,横田飛行場,嘉手納飛行場,普天間飛行場,ホワイトビーチ地区)【のみ】を使用することができる。
(抜粋終わり)

とあります。ですので、オランダ軍は確かに朝鮮国連軍に含まれているけれども、それでも、沖縄北部訓練場で訓練に参加できる法的資格はありません。

以上の(1)日米安保条約 (2)国連軍地位協定 (3)朝鮮国連軍、いずれの枠組みにおいても、
オランダ軍兵士の沖縄北部訓練場での訓練参加は条約違反(法的根拠がない)となります。

これが結論です。

最後に。
以下、ワタシの「仮説」に過ぎませんが、

「(2)と(3)が存続するために、北朝鮮と韓国は決して、朝鮮戦争を終わりにはできない(休戦状態が永遠に続く)」のではないでしょうか。キッシンジャーが周恩来に表明した「びんのふた理論」(日本の軍事的封じ込めを最優先)が、東アジアのHigh Politicsにおける「真実」だと考えます。

ただし、その辺りの「動機」の真偽はさておいても、
朝鮮戦争は、いまだ日本国内において継続中であり、かつ、(ワタシを含む)「本土」の日本人は、そのことを知らない。
このことは確かなようです。

以上