外にも出よ 触るるばかりに 春の月

かたせ2号 投稿日:2025/03/27 09:47

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外にも出よ 触るるばかりに 春の月
                     中村汀女

(とにもでよ ふるるばかりに はるのつき)

意味・・赤みを帯びたそれはそれは大きな月が山の端に
    上りました。それを見つけた作者は人々に呼び
    かけます。こんなに佳(よ)い月が上がっている
    のに、家に籠っているなんてもったいない。外
    に出て共に月を仰ぎましょう!

    単に外出するというだけでなく、自分の殻から
    出ませんか?という意味が含まれているように
    も思えます。いつもの場所、いつもの自分から
    飛び出して、月に花に親しんでみませんか?
    そこには思いがけない出会いや答えが待ってい
    るかもしれません。

作者・・中村汀女=なかむらていじょ。1900~1988。
    高浜虚子に師事。

出典・・句集「花影」(黛まどか著「あなたへの一句」)