ロシア産天然ガス輸入に関するEU諸国の対応について

かたせ2号 投稿日:2022/05/03 10:24

<表題に関する結論>
DS最高幹部の意向が通り、2022年5月3日以降、EU諸国ではロシア産天然ガスの代金をルーブルで払えなくなります。ドイツの意向はこれで一旦、完全に抑え込まれました。
このため、今月(2022年5月)の下旬以降、ポーランドやブルガリアのように、その他の国でも、ロシアからの天然ガスの供給がストップする可能性が高くなりました。

かたせ2号です。
以降、時系列に沿って、関連記事を並べて提示しますので、ご参考ください。

1.まとめ(2022年4月29日まで)

J Satoさんのツイートから。
2022年4月29日のツイート。
https://twitter.com/j_sato/status/1519992329448218625?cxt=HHwWgoCjoY2-jJgqAAAA
(引用開始)
西側諸国がロシアを国際決済SWIFTから排除。「金融版の核兵器/ロシア制裁の最終兵器」という触れ込み
 ↓
ロシアがSWIFT回避のため、ガス料金をロシアの銀行にルーブルで払うように要求
 ↓
欧州委員会「絶対応じない」
 ↓
結局、多くの国がロシアの要求に従う
 ↓
ユーロ/ルーブルが75円台、ルーブルが侵攻前より2割上昇
(引用終わり)

2.2022年4月28日(EU)

ロイター通信サイトから。
記事名:欧州の一部業者、ロシア産ガス代金のルーブル支払い開始=関係筋
2022年4月28日配信
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-europe-gas-idJPKCN2MK1K8

(引用開始)(下線部はかたせ2号が引いた)
欧州の一部の業者がロシアへのガス代金をルーブルで支払い始めていると、関係者2人が2022年4月28日、ロイターに述べた。
関係者によると、5社以上がルーブルでの支払いを始めたもようだが、大口顧客は含まれていないという。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会はこの日、天然ガスの代金をルーブルに換金すれば対ロシア制裁措置に違反すると警告。ただ、ロシアが提示した新たな支払いシステムに対し明確な対応を打ち出せていないことで混乱が広がっており、EUは2022年5月2日にエネルギー相会合を開き、対応を協議する。
ロシアの新たな支払いシステムの下では、業者はガスプロムバンクの口座にユーロまたはドルを預けることが義務付けられ、ガスプロムバンクはそれをルーブルに換金してから国外の業者が所有する別の口座に入金し、業者はこれを使ってガスプロムにルーブルでガス代金を支払う。
ただ、EU高官は、ロシア産ガスを購入している業者がユーロまたはドルで支払った時点で支払い完了を宣言すれば制裁違反にならないが、ガスプロムバンクにルーブルの口座を開設すること自体がEUの制裁に抵触する可能性があると指摘。業者がガスプロムバンクにユーロを預けた時点で支払いが完了したと宣言すれば、ガスプロムバンクにルーブルの口座を開設する必要はないとした。
一方、ロシアは代金がルーブルに換金された時点で支払いが完了したと見なすとしている。
欧州のガス業者の一部がすでにルーブルの口座を開設したとの情報もあるが、欧州委関係者によると、欧州のガス購入業者がルーブルの口座を開設したとの報告は受けていないという。
ガスプロム、およびガスプロムバンクからコメントは得られていない。
ロシア大統領府によると、プーチン大統領が新たな支払い方式を発表した後に供給された天然ガスの支払いは2022年5月に始まる。関係筋は匿名を条件に、2022年5月20日に支払いが「検証」されるとの見方を示した。
(引用終わり)

3.2022年4月29日(EU,ドイツ)

ロイター通信サイトから。
記事名:EU、ロ産ガス代ルーブル支払い巡り混乱 エネ相会合で協議へ
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-eu-gas-idJPKCN2ML1Q9
2022年4月30日

(引用開始)(下線部はかたせ2号が引いた)
ロシア産ガス代金のルーブル払いを巡り、欧州連合(EU)域内では各国の温度差が見られ、混乱が広がっている。EUは週明けに緊急のエネルギー相会合を開き対応を協議し、ロシア産ガス購入が対ロシア制裁措置に違反しないようより明確なガイダンスを提示する見通し。
ロシアのエネルギー大手ガスプロムは2022年4月27日、ルーブルでの支払いがなかったとし、ポーランドとブリがリアへのガス供給を完全に停止した。
ロシア産ガスへの依存度が高いドイツは2022年4月29日、ユーロもしくはドル建てによる送金であれば、エネルギー業者がガスプロムバンクに特別口座を開設し代金を支払うことは可能で、対ロシア制裁違反にならないという認識を示した。
しかしEUの制裁には、企業がロシアの要請に応じこのような対応を取ることやルーブル口座の開設が可能かどうか明記されていない。
関係筋は2022年4月28日、欧州の一部の業者がロシアへのガス代金をルーブルで支払い始めていると明らかにした。
デンマークのオーステッドは他の通貨での支払いについてコメントを避けつつも、ルーブル口座を開設する意向はないとした。イタリアのENIもルーブル口座は開設していないとした。
フィンランドのトゥップライネン欧州問題相は28日、ロシアが天然ガスの代金をルーブルで支払うよう求めていることについて、応じない方針を明らかにした。
(引用終わり)

4.2022年5月1日(ハンガリー)

Almayadeen(レバノンに本拠を置く、汎アラブ主義の衛星放送会社)のサイトから。
記事名:ハンガリー:他のEU諸国9カ国がロシアの銀行に口座を開設
2022年5月1日配信
https://english.almayadeen.net/news/economics/hungary:-9-other-eu-countries-have-opened-accounts-in-russia

(引用開始)(下線部はかたせ2号が引いた)
ハンガリー首相府によると、自国以外に欧州の9カ国がガス代支払いのためにロシアの銀行に口座を開設しているという。
ハンガリー首相府のゲルゲリー・グリヤス長官は日曜日に、ガス代金をルーブルで受け入れるというロシアの計画に従って、ハンガリー以外の9つのヨーロッパ諸国がロシアの銀行に口座を開設したと述べた。
ハンガリーのペーテル・シジャルト外務大臣は、金曜日に、ロシアへのヨーロッパのガス供給国数社は、ルーブルでの新しい支払条件に合意しているが、この件に関するハンガリーの態度について誤解を招く情報を流している、と述べた。
ハンガリーはユーロ口座を開設しており、ガス代はユーロで入金され、銀行がルーブルに変換している。ハンガリーの他に9カ国が同じことをしているが、彼らは同じことをしていることを認めていない。なぜなら、ヨーロッパでは今、『ヨーロッパにとって良いこと』とは、その国の指導者が国民や国際的に正直に話していないことを意味するからだ」とグリアスはハンガリーの放送局コスートラジオに語った。
ロシアのガスプロムによると、ヨーロッパのガス購入者4社はすでにロシアからのガス配送の代金を支払い、ロシアのガスと引き換えにルーブルのみを受け取るというクレムリンの決議を遵守しているとのことである。
モスクワが提案した新しいスキームでは、ガスプロムバンクは外国人顧客向けに特別な外貨とルーブルの口座を開設する予定である。ガス購入者は、ガス契約で指定された通貨で資金を送金することができる。ガスプロムバンクは、その資金をモスクワ取引所で売却し、ガス購入者のルーブル口座にルーブルを振り込み、購入者はその資金をガスプロムへの支払いに充てる。
(引用終わり)

5.2022年5月2日(EU)

ロイター通信サイトから。
記事名:ロシア産ガス代金のルーブル支払い制度利用は制裁違反=EU
2022年5月3日配信
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-eu-gas-idJPKCN2MO158

(引用開始)
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のカドリ・シムソン委員(エネルギー担当)は2022年5月2日、域内企業がロシア産ガス代金を支払う際にロシアがルーブルに換金できる仕組みを利用することは、EUの制裁措置に違反すると述べた。
EUエネルギー相会合後の記者会見で「ガスプロムバンクに2つ目の専用口座を開き、ロシアの公的機関が管理する換金メカニズムを通じて(ロシア産ガス代金を)ルーブルで支払うことは制裁措置に反しており、容認できない」とした。
(引用終わり)

以上