ロシア「金本位制」はドル基軸通貨体制に打撃、について

かたせ2号 投稿日:2022/05/03 21:29

かたせ2号です。
この2ヶ月の世界経済の動きの中で、一番、重要だったのが、以下の出来事です。

週刊エコノミスト Onlineサイトから。
記事名:ロシア「金本位制」はドル基軸に打撃=市岡繁男
2022年4月18日配信
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20220426/se1/00m/020/019000c

この出来事(以下の記事の下線部)を起点に、世界の動きが大きく変わりました。日本のマスコミはこの出来事に一切触れませんが、これ抜きにして、今後の世界経済の動きは把握はできません。

(一部引用開始)(下線部はかたせ2号が引いた)
ロシア中央銀行は2022年3月25日、2022年6月30日までの間、1グラム当たり5000ルーブルで金を購入すると発表した。国際市場で1グラム=約62ドルで取引されている金を5000ルーブルで買い取るのだから、1ドル=約81ルーブル(5000ルーブル÷62ドル)となる計算だ。実際、3月中旬に1ドル=100ルーブルで取引されていたロシア通貨はその後、同84ルーブルと、金の買い取り価格から算出した理論値近辺まで買われた。
 為替だけでなく、金価格そのものもロシア中銀が決めた買い取り価格にサヤ寄せしている。金1トロイオンス(約31・1グラム)は15万5500ルーブルだ。ルーブルの対ドル理論値は約81なので、金の妥当値は1トロイオンス=約1920ドル(15万5500÷81)となる。だからか、最近の金価格は1930ドル近辺で推移している。
(一部引用終わり)

かたせ2号です。
そして、ロシアが今後実施するであろう「金本位制」がどのようにしてドル基軸に打撃を与えるかについて、Kan Nishidaさんが、2022年5月3日(本日)、わかりやすく説明してくださっているので、以下に内容を紹介します。よろしくご参考ください。

Kan Nishidaさんのツイッターから。
2022年5月3日(本日)のツイート。
https://twitter.com/KanAugust/status/1521330543652130819?cxt=HHwWhsCyhbaE7ZwqAAAA

(一部引用開始)
ロシアは現在ルーブルを金(と資源?)本位制に移行させようとしていますが、これはアメリカ側にとって面倒な問題となりそうな件について。
ルーブルとドルと金、ついついそれぞれの関係に目がいってしまいますが、これらを三角関係として捉えてみましょう。
(ルーブルとドルと金とを三角形でつないだ図)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521330759507845123/photo/1

現在は以下のような関係となっています。
(ドルと金は「変動」、ドルとルーブルは「変動」、金とルーブルは「固定」を表す図)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521331122696773633/photo/1

金の値段はドルベースで現在、1オンスあたり$2,000のちょっと下辺り。
ここで問題です。もし金の値段が$2,000を超えて上昇していくと、ルーブルはどうなるのでしょうか?
(グラフ:2000年からの金価格の推移(USドル/オンス))
https://twitter.com/KanAugust/status/1521331803499507718/photo/1

現在アメリカのインフレ率は8.5%。欧米はどの国でも現在大きなインフレ圧力を抱えています。放っておいたら金の値段にも上昇していく圧力があります。
(グラフ:2021年4月以降の、アメリカの月次インフレ率の推移)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521332812279861251/photo/1

金がUSドルベースで上がると、金に固定されるてるルーブルもUSドルに対してつられて上がります。金に対してルーブルはそのままですが、USドルに対しては強くなります。
(金とルーブルの価値が上がり、ドルの価値が下がる様子を示した三角形の図)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521333363122053120/photo/1

すると、ルーブルを下げたい欧米は金の値段を上げさせないようにするために、金を売りに出し介入しなければいけません(それか何らかの手段で価格操作)。すると、金本位制に向けて準備をしている中国、インドといった国はその金を買いまくるのではないでしょうか。
(グラフ:各国の中央銀行による金の保有高(単位:トン)-2022年2月時点)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521336861767176193/photo/1

それでは、欧米の金に対する介入が効かなくなり、つまり現在のインフレ圧力に耐えられなくなり、金の価格が2,000ドルを超えて大きく上がっていくとどうなるのでしょうか?
金と固定されているルーブルの世界では変化はない。
しかし、ドルの世界では金と、さらにルーブルに対しても大きく価値が下がることを意味します。ドルで取引する西側諸国は、域外からの輸入品が高くなることを意味します。
(金とルーブルの価値が上がり、ドルの価値が下がる様子を示した三角形の図)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521337623943565312/photo/1

ただでさえ食糧危機、エネルギー危機が騒がれています。中東、アフリカ、アジアの多くの国はロシアの穀物に頼っています。価値の下がっていくドルを保有し、取引に使い続けたいと思うのでしょうか。

中国は現在USドルにペッグしています。すると、中国元もルーブル、金に対して下げていくことになりますが、それを受け入れ続けるでしょうか?
(金とルーブルの価値が上がり、ドルと中国元の価値が下がる様子を示した三角形の図)
https://twitter.com/KanAugust/status/1521339150816976897/photo/1

それとも、中国も金本位制に移行するのでしょうか? それは中国のドル基軸通貨体制からの離脱を意味します。
この「ウクライナ戦争」、実は何が争われているのでしょうか? 誰が現在優位に戦っているのでしょう? 欧米メディアを見ていると、ロシアが苦しそうな印象です。
しかし、「通貨戦争」という点では、欧米のほうが苦しそうに見えます。
将棋に例えるなら、プーチンは3手先まで考えて戦っているように見えます。
それに対して、軍需産業とネオコンに乗っ取られたバイデン政権は1手先まで考えるのが限界のようです。
(一部引用終わり)

以上