ブレイク:歴史サイエンスのトリセツ(1)
伊藤睦月です。あけましておめでとうございます。
今年の9月8日は、全国各地で皆既日食がみられるそうだ。昨晩のEテレのカウントダウン番組で知った。
古代では、こういう天変地異がおこると、為政者に対する、天の怒り、警告、と考えられていて、
それを、観測、予測、意味を読み取る、できれば予防する、という研究(呪術)が盛んであった。日本では、「陰陽道」として体系化されたが、元は中国の占星術、道教がルーツだ。下條竜夫氏の『物理学者解き明かす、邪馬台国の謎』が面白い。
かつて、石原慎太郎は、東日本大震災を指して、「天鑓(てんけん)」と呼んで、被害者に対して、「天罰がくだった」とは何事か、とメディアからたたかれた。しかし、石原にとっては心外だったろう。民に対する天罰じゃなくて、為政者(当時の管民主党政権)に対する、天意(批判、警告)が下されたのだ。それを指摘して何が悪い、ということだ。でも、メディア、ひいては、国民一般には、そんな教養はないから、通じなかった。教養のギャップの問題、として片づけられてよいものではない。今でも、こういう古い知識が、日本人に無意識に刷り込まれているとしたら、これを意識下に置く、つまり知識として持っておく、というのは、意外と大事なことではないかと思う。
2000年代にはいって、もっと言えば、2010年以降、歴史研究、特に古代史分野において、新しい手法で、研究を進展させる、ことが、トレンドになりつつある。
学会でも世代交代が進み、寛容度が高まっているのかもしれない。時間かかりすぎだとは思うが。
歴史学には、大きくは、文献学と考古学があるが、数理統計学、天文学、地質学、土木学、建築学、気象学、物理学、化学、生物学、農学、水産学、冶金学、航海学、遺伝子工学、放射線学などの手法から得られた知見で、従来の定説に修正を迫ってきている。考古学分野において著しい。またこれらの分野を専門とする人たちが、日本古代史研究に参入してきている。(下條氏をはじめとする、副島先生の理系のお弟子さんたちもその流れのなかにいる)彼らは、査読付きの英語論文も参照する。もうここまで来ている。
伊藤睦月です。以上こういった、従来セオリー以外のやりかたを「歴史サイエンス」と呼ぶことにする。
そして、これらの動きについて、私のわかる範囲で、紹介しようと思う。もとより、理数ダメ、英語ダメダメの典型的な「偏差値50の私立文系」人間なので、間違い、不適切なものがある、ありまくりだと思う。どうぞご指摘ください。できるだけぼろがでないように、頑張ります・・・(冷や汗)
それでは、今年もよろしくお願いいたします。
伊藤睦月拝