アメリカ国務省のサイトから2022年5月5日に削除された「台湾は中国の一部」「アメリカは台湾の独立を支持しない」の文言が先週、「復活」した。

かたせ2号 投稿日:2022/06/13 18:14

かたせ2号です。
この投稿を通じてご報告する下記の状況変化を見ると、ヘンリー・キッシンジャーが、ジョージ・ソロスがこれまでやってきたことをジワジワと覆しつつあると考えます。

<この投稿で報告する事実のまとめ>
アメリカ国務省の台湾に関する立場を表明するサイトから、それまであった、「台湾は中国の一部:Taiwan is part of China. 」「アメリカは台湾の独立を支持しない:The United States does not support Taiwan independence.」の文言が2022年5月5日に「こっそり」消された。そのことをキッシンジャーはきちんと認識している(遠藤誉)。そして、2022年6月6日から6月10日にかけて、これらの文言は「復活」した。

<参考文書>

(文書1)
Yahoo news サイトから。遠藤誉による記事。
記事名:ウクライナの次に「餌食」になるのは台湾と日本か?―米政府HPから「台湾独立を支持しない」が消えた!
2022年5月12日
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220512-00295668

(文書2)
Yahoo news サイトから。遠藤誉による記事。
記事名:キッシンジャーがバイデン発言を批判「台湾を米中交渉のカードにするな」
2022年5月25日
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220525-00297750

(文書3)
プラウダのサイトから。
記事名:アジアで冷戦が起きても、NATOとの同盟を望む日本
2022年6月11日配信
https://www.pravda.ru/world/1717846-kholodnaja_voina/

<経緯>

(1)2022年5月3日
アメリカ国務省のサイトには「台湾は中国の一部」「アメリカは台湾の独立を支持しない」の文言があった。

(文書1から引用開始)
2022年5月3日付のアメリカ政府のウェブサイトには、台湾との関係のページで、以下の文言があった。( )内の日本語は筆者(遠藤誉)。
Government of the People’s Republic of China as the sole legal government of China, acknowledging the Chinese position that there is but one China(一つの中国) and Taiwan is part of China(台湾は中国の一部). The Joint Communique also stated that the people of the United States will maintain cultural, commercial, and other unofficial relations with the people of Taiwan. The American Institute in Taiwan (AIT) is responsible for implementing U.S. policy toward Taiwan.
The United States does not support Taiwan independence(アメリカは台湾の独立を支持しない). Maintaining strong, unofficial relations with Taiwan is a major U.S. goal, in line with the U.S. desire to further peace and stability in Asia.
(文章1から引用終わり)

(2)2022年5月5日
アメリカ国務省のサイトから「台湾は中国の一部」「アメリカは台湾の独立を支持しない」の文言が「こっそり」消えた。

(文書1から引用開始)
今年(2022年)5月5日に更新されたアメリカ政府のウェブサイトにおける台湾関係のページをご覧いただきたい。このページには、以下の二つの文言がない。
●Taiwan is part of China
●The United States does not support Taiwan independence
すなわち「台湾は中国の一部」という言葉と「アメリカは台湾の独立を支持しない」という言葉が削除されてしまっているのだ。それでいて
●one China
という言葉だけは残っている。これは何を意味しているかといえば、中国は「中華人民共和国」なのか、それとも「中華民国」なのかという違いはあるが、少なくとも「一つの中国」で、アメリカは場合によっては「中国=中華民国」として、「一つの中国」を認める可能性があることを示唆している。
(文書1から引用終わり)

(3)2022年5月23日
ヘンリー・キッシンジャーは、アメリカ国務省のサイトから「台湾は中国の一部」「アメリカは台湾の独立を支持しない」の文言が「こっそり」消えたことを問題視した。

(文書2から抜粋開始)
 アメリカのキッシンジャー元国務長官が、2022年5月23日、リモート講演を行った。
キッシンジャーは概ね以下のようなことを言っている。
 ●ワシントンと北京は、台湾を中心にすえたような緊張した外交関係を避ける道を求めなければならない(=米中は台湾をカードにして対立を深めることをやめなければならない)。
 ●世界の二大経済大国が直接対決を避ければ、それは必ず世界平和に貢献することになるだろう。
 ●アメリカは「ごまかし(ペテン)」や「(ひっそりと)徐々に進める方法」によって、何やら「二つの中国」まがいによる解決を展開すべきではない。中国はこれまでと同じように、忍耐し続けていくだろう。
 キッシンジャーが言うところの「二つの中国」とは何かを、少し具体的に説明しなければならない。まず、その前提となる「ごまかし(ペテン)」とか「(ひっそりと)徐々に進める方法」などが、何を指しているかを深堀してみよう。
 それは、アメリカ政府が台湾関連のウェブサイトから、「ひっそり」と
 ●台湾は中国の一部である。
 ●アメリカは台湾の独立を支持しない。
という二つのキーフレーズを削除したことを指している。
 なぜこれが、キッシンジャーが言うところの「ごまかし(ペテン)」とか「ひっそりと徐々に進める方法」に相当するかというと、台湾関連のウェブサイトから「ひっそりと」削除しただけであって、誰もそのことに気が付かなかったら、気が付かないままに月日が過ぎていったかもしれないからだ。
 じわーっと変化させておいて、「削除しましたよ」とは公表しない。
 誰かが気が付いたら仕方ないが、言い訳はまだできるようにしてある。
 それは「一つの中国(one China)」という言葉だけは残してあるからだ。
1992年に共通認識として、中国大陸と台湾政府の間で確立された「九二コンセンサス」では、「一つの中国」を中国大陸側が「中華人民共和国を指している」と認識し、台湾政府側が「中華民国を指している」と心の中で位置付けるのは「自由だ」という、共通認識なのである。要は「中国は一つしかない」と認識するのであれば、それでいい、という、妥協的とも偽善的ともいえる「九二コンセンサス」なのである。
 この解釈に関しては、筆者は1990年代半ばに国務院台湾弁公室の主任を取材し、長時間にわたって議論をしたので、まちがいないだろう。
 そこでアメリカ政府のウェブサイトには「一つの中国」という言葉だけは残しておけば、これは
 ●中国大陸から見れば「中華人民共和国」
 ●台湾政府から見れば「中華民国」
という「九二コンセンサス」精神を考えると、
 ●台湾は中国の一部である。
 ●アメリカは台湾の独立を支持しない。
を削除しさえすれば、「二つの中国」を暗に認めることにつながる。まるで「手品のような手段」なので、元国務長官だけあり、キッシンジャーは、この「インチキ性」と「まやかし」に敏感に気が付いたのだろう。
(文書2から抜粋終わり)

(4)2022年6月6日から6月10日
アメリカ国務省のサイトから「台湾は中国の一部:Taiwan is part of China. 」「アメリカは台湾の独立を支持しない:The United States does not support Taiwan independence.」の文言が「復活」した。確かに復活しています。以下のリンク先をご確認ください。
http://web.archive.org/web/20220503165930/https://www.state.gov/u-s-relations-with-taiwan/

(文書3から、機械翻訳抜粋開始)
日本は、ロシアの特殊作戦が、アジア全般、特にインド太平洋地域の安全保障問題から米国の目をそらさせていると考えている。東京によれば、後者は「放置」された中国が力づくで台湾を「奪還」し始める可能性があり、「戦場」と化す可能性があるという。
しかし、バイデン政権は、日本のパラノイアを共有していないようだ。そうでなければ、今週(2022年6月6日から6月10日までに)、国務省が台湾に関するニュースレターを変更し、1カ月前に削除した「台湾独立を支持しない」という一行を戻したことを、他にどう説明するのか。
(文書3から、機械翻訳抜粋終わり)

以上