【至急】ここで、下條さんにコメントを求めます。
伊藤睦月です。下條さんのご著書、『物理学者が解き明かす邪馬台国の謎』169頁「第5章日本文化の礎を作った卑弥呼」のなかで、岡田英弘氏は『日本史の誕生』で日本古代史の真実を明らかにした、と題し、日本史の誕生(弓立社)の表紙写真、岡田英弘氏の顔写真、とあわせ、9行ほどの説明文を載せています。そこには、(引用開始)「・・・重要なのは、聖徳太子の非実在性中国史から明らかにした点である。・・・後年大山誠一氏などの歴史家は、この指摘をしりながら、引用せず、あたかも別の説として、聖徳太子=厩戸皇子説を作り上げていった。・・・」とあります。(引用終わり)
伊藤睦月です。これは現時点では、非常に不適切な個所です。大山氏らに対する誹謗中傷に近い。
では、次の個所をご覧ください。
(引用開始)さて、本文の各所で述べているように、『日本書紀』によると、女帝である推古天皇と聖徳太子がいた時代、中国の正史である、『隋書』では、男の倭国王がいたという。どう考えても『日本書紀』の記述のほうが怪しいので、聖徳太子が実在したかどうか、様々な議論が起こっている。最近になって私は、聖徳太子は実在したという考えを取るようになった。ただし、『日本書紀』のいう時代でなく、もっと後の時代だったと考える。(以上、引用終わり)『日本史の誕生』348-9頁、文庫版あとがき、ちくま文庫2008年)
伊藤睦月です。このように岡田先生は、2008年以降は、条件付きとはいえ、「聖徳太子実在説」に、改説されています。下條氏が採用しているのは、1994年の単行本ですが、本書が2022年発行だとしますと、岡田先生が14年も前に改説されたという事実を踏まえない、2022年発行の書物の記述は、話になりません。
上記記事及び大山氏への「筆誅(という風に読んで感じました)」は、たとえそれが事実であっても、現時点においては、明らかに当を得ません。もっとも、大山氏が「無断引用した」というのならわかりますが、「無断で引用しなかった」という指摘は、実証や反論しようがないと思われ、意味わかりません。岡田先生は、大山氏らの存在を十分知りながら、上記コメントしているのは、文脈上明らかです。なお、大山誠一氏らについては、現在、東大系の学会主流と思われる学者から反論がなされていますが、それについては、後で紹介します。
この本の記事を誰が書いたのか知りませんが、それが誰であれ、この本の文責は、著書である、下條竜夫氏にあると考えます。下條氏におかれては、上記について、可及的速やかに、コメントされることを強く求めます。
以上、伊藤睦月筆
追伸:下條さんの本、感心もし、好きだったのに、残念です。最後にちゃぶ台返しあうとは・・・・