「戦いとは、勝って、相手の組織をブチ割るか、負けて、こちらの組織がブチ割られるか、の戦いである。」(その1)
私、かたせ2号は、副島隆彦先生の思想から多くのことを学んだ者である。
学んだことの一つが、次のモノの見方だ。
「戦いとは、勝って、相手の組織をブチ割るか、負けて、こちらの組織がブチ割られるか、の戦いである。」
言い換えるなら、「組織がブチ割られつつある方が劣勢」という見方である。
シンプルだが強力な分析道具である。
以下、これを使って、かたせ2号なりに、ウクライナ情勢の動きを概観する。
<以下、概観開始>
2022年2月24日に、ロシアによるウクライナでの軍事行動開始。
この時の、対ウクライナ・ロシア作戦のDS最高指揮官はジョージ・ソロス。
ソロスは主に、以下の2つの行動を通じて、ロシアを経済的破綻に追い込もうとした。
(1)2022年2月28日に、西側諸国の金融機関にある、ロシア連邦中央銀行、国家福祉基金、財務省ドル資産を凍結(ロシア連邦中央銀行、国家福祉基金、財務省とのドル決済等、全ての取引の禁止)。2022年4月5日のイギリス、トラス外相の発表によれば、ロシアの外貨準備高6040億ドル(約74兆円)のうち、3500億ドル(約40兆円)以上が凍結された。
(2)2022年4月、ブチャの事件のプロパガンダ開始。これにより「ジェノサイド」された民族の代表者であるゼレンスキー大統領の「威光」を使って、ドイツを主な標的として、ロシア産エネルギー(天然ガス含む)の年内輸入停止をさせようとした。ロシアの主要輸出品である天然ガスの輸出先をなくすことで、ロシアの輸出産業に経済的打撃を与えるのが目的。
しかしながら、上記二つの作戦が失敗に終わったことが、2022年5月の中旬には明らかになった。
これを受け、DS最高幹部であるヘンリー・キッシンジャーを中心に、作戦の中止・変更を求める声が大きくなった。田中宇さんの言葉を借りるなら「開戦以来、事態を傍観してきた米諜報界の古株たちが、もうこれではうまくいかない、もうやめろ、とタオルをリングに投げ込んでいる。」(田中宇サイト記事「ロシアの優勢で一段落しているウクライナ」から。2022年6月4日)
2022年5月23日ダボス会議での、キッシンジャーによる痛烈なソロス批判により、このDS内2陣営の対立は世界中に明らかとなった。
DS陣営が二つに割られたのだから、「この時点で、プーチンが優勢、DSが劣勢は明らかになった」と、かたせ2号は判定する。
そして、本日(2022年6月19日)の時点において、この2陣営の分裂は、より明確に、以下のようなヨーロッパ陣営の分裂になって、表れている。
ここでも、組織が割られたのはヨーロッパの側だから、「プーチンが優勢、DSが劣勢」と判定する。
<DS最高幹部>ジョージ・ソロス 対 ヘンリー・キッシンジャー
<ロシアの国益へのスタンス>
ロシアを崩壊させるまで一切妥協しない 対 ロシアの国益を考慮して妥協点を探る
<ウクライナへの命令内容>
全ウクライナの領土からロシア軍を追い出せ 対 ロシアへの領土割譲も前提にロシアとの停戦交渉を進めろ
<国家>イギリス(こちらが格上) 対 フランス・ドイツ・イタリア(こちらが格下)
<DS中堅幹部、各国の政治的指導者たち>
イギリスのジョンソン首相、トラス外相 対 フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、イタリアのドラギ首相
<組織>NATO(こちらが格上) 対 EU(こちらが格下)
<ロシアエネルギー輸入へのスタンス>
断固輸入停止(停止しても困らない) 対 輸入継続(停止すると国家経済に大打撃)
かたせ2号です。
現時点のヨーロッパは、ナチス・ドイツのヒトラーがパリを占領していたころの勢力分布(対立構図)とほぼ同等であると判定します。
以上