「ゴールド投資の記録」ブログの記事を引用する。

かたせ2号 投稿日:2022/04/05 15:15

かたせ2号です。
「ゴールド投資の記録」ブログの記事を引用する。
このサイトの記事は内容がよくまとまっていると思う。

1.
http://goldcollector.blog.fc2.com/blog-date-20220327.html

(引用開始)
「ロシアの金準備も標的「制裁逃れ」阻止へ」2022-03-27

 G7とEUは2022年3月24日、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁として、ロシア中央銀行が保有する金準備に関連した取引を禁止すると表明しました。(ロシアの金準備も標的「制裁逃れ」阻止へ:時事通信 2022年03月25日14時39分配信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032500819&g=int

 先日実施した外貨準備の凍結と違い「取引の禁止」。なぜならロシアは金準備の殆どをロシア国内に保管しているからです。効果の程はさておき、今回の米国を中心とした西側諸国の措置というのは、G7・EU以外の国々の「西側システムに対する深刻な不信」を惹起することになったと思います。米国に従属出来なければ、意に沿わなければ外貨準備を凍結されるし外貨送金を禁止される。外国と貿易出来なくなる。そういう酷い目に遭わされる様を見せ付けられた。つまり西側システムに依存している限り、生殺与奪の権利を相手に委ねていることになる。そういった恣意的な運用をされることを懸念していたからこそ、中露はSWIFTとは別の外国送金システムを整えたのだし、金準備を国外に預けず国内保管としたのだと思います。もしロシアの金準備がニューヨークやロンドンに預けられていたら、最初に凍結の対象とされていたことは疑いありません。これを見て他国はSWIFTだけじゃなく、保険として中国のCIPSにも接続しておこうと考えませんか?あるいはゴールドを米国に預けておこうと思いますか?引き出して自国で保管しておこうと考えませんか?これは全ての銀行が恐れる取り付け騒ぎです。そしてそういう動きが強まったときに、米国は引き出しに応じられるだけの現物のゴールドを本当に持ち合わせているのでしょうか。
(引用終わり)

2.
http://goldcollector.blog.fc2.com/blog-entry-1052.html

(引用開始)
ロシア中央銀行、ゴールドを固定価格で買取開始 2022-03-30
ロシア中央銀行がゴールドに関する声明を発表しました。3月28日から6月末までの間、ゴールドをグラム5,000ルーブルで買い取ります。

ロシア中央銀行による国内市場における金の購入に関する情報
http://www.cbr.ru/press/PR/?file=25032022_192430DKP25032022_182539.htm

 「ロシア中央銀行は、国内貴金属市場における需給バランスを確保するため、2022年3月28日から信用機関から金を固定価格で購入します。2022年3月28日から6月30日までの価格は、1グラムあたり5,000ルーブルです。確立された価格水準は、金の安定供給と今年の金鉱業の中断のない機能を保証することを可能にします。この期間の後、金の購入価格は、国内市場における需要と供給の新たなバランスを考慮して調整することができます。」

 中央銀行がゴールドを固定した価格で買い取る政策を実施するのは極めて異例です。今のところ期間限定ですが、ルーブルとゴールドを紐付けることによってルーブルの通貨価値を安定化させることを狙ったと考えられます。また2022年3月26日、ロシアは今後、非友好国とのガス代金の決済をルーブルでのみ行なうことを発表しました。

 ロシアの声明に対してG7は2022年3月28日夜、緊急でエネルギー相会合を開き、契約違反だとして拒否で一致しました。これに対しロシア連邦大統領のドミトリー・ペスコフ報道官は「ロシアは慈善事業をして、ヨーロッパに無料でガスを供給することはないだろう」と述べました。プーチン大統領は2022年3月31日に、天然ガス代金のルーブルによる支払状況について報告を受ける予定としています。

https://tass.ru/ekonomika/14208643?utm_source=t.co&utm_medium=referral&utm_campaign=t.co&utm_referrer=t.co

 ロシアは米国のドル覇権システムのど真ん中に楔を打ち込んできました。これがリビアやイラクといった小国なら米国は軍事力を行使して力ずくで破壊しているところですが、これまで滅ぼされた国とは異なるのはロシアは6千発以上の核兵器を持つ軍事大国という点。

 ところでロシアが契約違反なのかと問われれば確かにそうです。しかしロシアとしては制裁で外貨準備は凍結されるし、SWIFT遮断で送金が著しく困難にされている。海外との決済に使えないのだからドルやユーロを受け取っても意味がない。無料でガス供給をするのと同じことになってしまいます。では欧州がルーブル払いを断固拒否し続けたら?ロシアはガス栓を閉めるでしょう。契約は破棄となりますが、この場合どちら側がより困ることになるのかという話。

 私が思うに欧米はロシアに対してやり過ぎた。NATO拡大の件もそうだし、ロシアを囲むようにミサイル防衛網を敷いたり、ウクライナの政権転覆を裏で糸を引いていたのもそうだし、ネオナチが政権中枢に食い込んでいるのを知っていながら武器の供与を続け、ナチの行状をずっと見て見ぬ振りをしている。米国がウクライナ国内に兵器転用が疑われるバイオ研究所を多数運営しているのもそう。

 ロシアの武力行使は確かにやってはならないことですよ。ただ、欧米の度を越した挑発行動が戦争を引き起こし、責任の全てをロシアに押し付けようとしている。エネルギーや食料でロシアに依存していながら共存共栄する配慮や努力を怠った。ロシアの立場ならモスクワのすぐ下の国で、反ロシアかつネオナチが政権に食い込んでいるのがどう見えるか。第二次世界大戦ではロシアはナチス・ドイツとの戦いで2千万人以上の人命を失い祖国存亡の危機に立たされた。ロシアでは第二次世界大戦ではなく”大祖国戦争”と表現している所以です。そのネオナチが核武装を目指していると言っているのを看過出来ると思います?侵攻当初、ロシアは「我々はこうなるように追い込まれた」と言っていましたが、この言葉に嘘偽りはないと思っています。

 ガス取引のルーブル払いをG7が契約違反だと強弁していますが、契約なんてものは双方が信義則に従って行動するだろうという前提があって成り立つものです。相手のことが受け入れられない、嫌いで仕方がないというなら、それを契約なんかで相手を縛ることは出来ません。袂を分かってそれぞれの世界で生きていく他ないでしょう。

 それでは今後、日本を含む非友好国がロシアからガスを買うには、どうやってルーブルを調達するのか。以下の内容を予想します。
(1)ロシアとの貿易でルーブルを獲得する
(2)ロシア中央銀行からルーブルの融資を受ける
(3)ロシア中央銀行にゴールドを差し出しルーブルと交換してもらう。この場合、基本的に現物取引で、金の預かり証に代える場合、中国など友好国の預かり証は受け入れますがニューヨークやロンドンの預かり証は拒否されるでしょう。

 ルーブルはゴールドと紐付けられ、非友好国とのガスの支払いはルーブルで受け付ける。そしてこの取引はガスに止まらず、穀物や肥料、パラジウムなどの希少金属を含む全ての物品へ拡げていく可能性が高い。やはりロシアは金本位制の復帰を目指しているのでしょうか。ドルを切り離した経済圏を作ることに本気で動き出したかに見えます。次に動きがあるのはプーチン大統領がルーブル払いについて報告を受ける2022年3月31日になるのかな。要注目です。
(引用終わり)