「ひとり」にまつわるアンソロジー
件名_「ひとり」にまつわるアンソロジー
かたせ2号です。
さて、人間なんて、お互いが出会った瞬間に、どちらが「上か下か」を値踏みしあうのが、人間に課せられた「業=制約条件」であること、これは厳然たる事実。
ただし、
本来は、お互いがお互いに値段をつけ合って値段の大小を競うのは意味のないことです。
わたしの人生とあなたの人生とは交換ができませんから。
そして、この2つの、相反する動きと思いの間を行ったり来たりするのが、
人類の歴史の経糸と横糸ではあるんでしょう。
両方とも、人間にとっては大切な動きなんでしょう。
(だから、ワタシは、
SMAPの「世界にひとつだけの花」の歌詞が好きにはなれない。どうせ、この歌詞の内容だけでは、世の中は出来上がらないから。不十分。)
なお、自分自身の中の「本物の値打ち」を感じたいなら、
わたしの人生とあなたの人生とは交換ができない、
という絶望をくぐっておく必要はあるでしょう。
小説家、森見登美彦氏の日誌の名前は
「この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ」
そうやって、(自分自身への他人からの評価が「すべて、自分の期待値の遠く及ばない」ことを確認し、完全に絶望できた後に)、そうではあってもトボトボと進んでいく覚悟を決める。人生なんて所詮「人生に不思議の負けあり」ですから。
それが「ひとり」であることの効用です。
そして、少しだけ話を変えますが、
こういう悲しい「輪廻」をする人間の世の中をかろうじて成り立たせているのは、
「自分の子どもをかわいいと思える、親としての自分自身の気持ち」なのかな、
と最近は痛感します。
これは、努力の果てにつかみとる種類のものでは決してない。
人間の世を成り立たせているのは、
「南極の地の猛吹雪の中で、卵を、腹の下でオス・メス交代で温め続けるコウテイペンギンのつがい」
と同じもの、同じキモチのはずです。
ペンギンが努力してこの境地をつかみとった、とか考えるのはバカバカしいですよね。
この「親ばか」の気持ちを成り立たせるための、家族であり、異性であり、性であり、なのかな。。
だから、人間も、他の哺乳類と変わらない動物の一種という、厳然たる事実から、目をそらして、
勝手な目標を設定して努力しても、その果にあるのは、絶望だけでしょう。
そういう失敗の典型が、イエズス会であり、プラトニズム(=原始共産主義)、神秘主義、かな?
さらに付け加えるならば、「親ばか」の気持ちを、「愛着」というタームでもって、執着の一種として、否定的な評価を下す結果になってしまっているブッダの思想も、意図的かどうかはしりませんが、あまり、良くないですね。
1. 一遍上人
「生(しょう)ぜしもひとりなり、死するも独(ひとり)なり
されば人と共に住(じゅう)するも独りなり、
そいはつ(添い果つ)べき人なき故なり」
【解釈】
「生ぜしもひとりなり」生まれてくるときも独り、双子でも別々に生まれてくる
「死するも独なり」死んでいくときもひとり
「人と共に住するも独りなり」人々や家族と生活していても孤独である
「そいはつ(添い果つ)べき人なき故なり」結局 人間は孤独であり添い果たすような仲はない
2. 渡辺美里 (Long Night)
「一人になるために街を歩いた
飛び交うクラクションが切なく響くよ
うれしい時にしか泣きたくない
誰より熱い鼓動鳴らし続けてる
たったーっの夢が見えるから
たった「一人」(になること)も
勇気にかえたい
昔のままではいられない」
3. 尾崎放哉
「咳をしても一人」
4. 勝海舟
「行蔵(こうぞう)は我に存(そん)す、毀誉(きよ)は他人の主張、我に与(あず)からず我に関せずと存候(ぞんじそうろう)。各人へ御示(おしめし)御座候(ござそうろう)とも、毛頭(もうとう)異存(いぞん)これ無く候(そうろう)。」
5. 「仏説無量寿経」
「人、世間の愛欲の中に在りて、独り生れ、独り死し、独り去り、独り来る。」
(番外)
辛気臭くなったので、「劇団ひとり」のつっこみ動画で、締めておきます。
【神回】太田上田恒例!!劇団ひとりが暴れまくる爆笑回!必見です笑
【神回】太田上田恒例!!劇団ひとりが暴れまくる爆笑回!必見です笑
以上