「尊厳を踏みにじる医療界(上)」

投稿日:2010/06/12 06:06

「心に青雲」から貼り付けます。

(転載貼り付け開始)

2010年06月12日 | 医療問題
「尊厳を踏みにじる医療界(上)」

《1》
 最近、医療関係にお仕事を持っておられる方お二人から、情報をいただいた。それを紹介したい。むろんご迷惑がかかってはいけないので、一部変えてあるが、医療界の実態はご理解いただけると思う。
 以下にまずは医師X氏からのメールである。
    *     *     *
 私の勤務先は某県の公立系病院で、10年前までは非常によい病院でした。役所が経営しているわけですが、鷹揚でこまかいことに口出ししませんでした。 医者は患者が増えても給料に反映するわけではないので、最低限必要なことを処置し、よけいな事はしませんでした。
 たとえば高血圧なんて、検査など殆ど必要ないので、長期処方(100日分)で、無駄な検査は一切しません。 開業医は14日分しか処方しないで、患者に頻繁に受診させる事例が多いようです。最近ではそういったことはしにくくなっているようですが……。
 その結果、患者一人あたりの保険請求額が県内では一番低い病院でした。それは良心的であることの証であり、私たちは誇りに思っておりました。 ですが、構造的に大病院は儲からないような仕組みなので、それでも慢性的に年間××億くらいの赤字でしたが、医者の給与が異常に安いので、近隣の公立病院(100億円規模の赤字)よりはましといわれていました。
 それがここ数年は、役所が稼働をあげろとうるさくなりました。稼働をあげるには保険で認められる限りの無駄な検査をしたり、必要ないのに入院させたり、必要ない薬を出したりしなければなりません。
 薬価差益はほとんどないので、薬を大量に処方しても製薬会社が儲かるだけです。当院でも、時代の流れに乗って、医者別の稼働額を毎月出して、競わせるようになりました。 それでは医療の良心が守れないと抵抗した院長はクビになりました。医者どもは本当にバカで、院長を支えるどころか、後任ポストにつられて、天下りの役人ども(またの名を宦官)におもねていました。 「分断して統治せよ」の原則どおりです。
 情けない話ですが、私の直属の上司は、天下り経営陣に気に入られようとして、とにかく数をこなすために検査の時間を短縮しろと言いました。私の部署では技師を雇う人件費を削るため、私が検査(エコー)も自分でやっていました。
 エコー検査は通常一人当たり20分くらいはかかるものですが、5分でやれと命じられました。それで見逃しをしたらどうするのだと反論すると、エコーで癌は見つけられない(そんなことはありません)と患者に説明して、少しでもあやしかったら全部CT、MRIにまわせ(そうすればさらに検査代が稼げるし)といいました。
 私は呆れて、そんな検査をするなら意味がないどころか悪ではないかと言いました。私が抵抗したら、熾烈な嫌がらせが始まりました。 当院は極端な例かもしれませんが、天下り役人がのさばる病院は、どこも似たような状況のようです。
 「心に青雲」さんのブログにからんでいた勤務医forestという人が言うように、本邦の皆保険制度による医療は、フリーアクセス、低コストで世界に冠たるものと思います。 しかし、その結果、経営のためには、薄利多売せざるをえません。 医者の技術料はきわめて低いので、結局製薬会社と医療機器会社が儲かるだけです。
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 まったく‥‥この現状には真っ暗な気分にさせられる。
 「ここ数年は、役所が稼働をあげろとうるさくなりました」とある「数年」とは、小泉・竹中政権がやらかした悪行の時期を指している。

 多くの患者は自分で病気のことや医療のことを勉強しない。マスゴミも製薬会社から広告料をもらう手前、決して製薬会社に不利になるような真相は報道しない。汚い連中である。

 文中にある「ブログにからんでいた勤務医forest」とは、本ブログ「『即自』の医師たち」(2010.2.4)で取り上げた、イカレポンチのことである。

 あのとき医師forestは、私がブログで「適正な値」を利用することで医療者が不当な利益を得ていると書いたことに対し、「少なくとも私の知る範囲においては金儲けのために薬を処方するような医師は一人もおりません」と反論してきたが、それは大嘘だ。
 見よ、金儲けのために薬を処方する医師がゴマンといるのである。

 そ~れが何より証拠には♪ 製薬会社がしこたま儲かっているではないか。

 次は、これも某公立病院に勤務する方(Yさん)からの“告発”である。
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 X医師のお話を拝読いたしました。私どもの病院は公立にも関わらず、役人は1つの企業とみなして、赤字ではしょうがないので稼働をあげろと上から命令されている状況は同じです。
 例えば本来検査技師が行うべきエコーの検査をやらされて(しかもやっても意味がない位の短時間の検査)、X医師も、さぞや医師として心の葛藤があったのではないかと思います。
 またX先生がおっしゃるように現在は薬価差益というものはほとんど無くなり、保険上医師の技術料が極めて安いというのはその通りだと思います。そこで私の勤めている病院で最近力を入れているのは治験です。治験とは医薬品の製造申請をするために行う臨床試験のことです。最近は患者を診療して稼ぐよりも、製薬会社の薬の開発に協力してお金をもらう方が割がいいからか、治験に力を入れています。

 記憶に新しいのが新型インフルエンザワクチンの件です。昨年秋、前任の病院にいる時に「新型インフルエンザワクチンの治験」がありました。医師や看護師や事務職員が病院の講堂に集められ、新型インフルエンザワクチンの接種を受けました。昨年の冬は新型インフルエンザが流行すると言われて、広く国民にワクチンを接種する前に国立病院の職員に接種して副作用がないか確かめる目的でした。

 もちろんワクチン代は無料でしたが、私は「心に青雲」のブログを読んで、インフルエンザワクチンというものは怪しいものだと知っていましたから、接種は受けませんでした。
 その後、今年の春になって、その治験の協力費として病院に振り込みがありました。正確な金額は知りませんが、結構高額な金額だとのことです。
 製薬会社は儲けているのだなと感じました。

 私は事務職ですので、医療や治療に関しては素人ですから、以下は素人の感じた事として読んでいただけたらと思います。

 ワクチンに関しては最近、新しいワクチンがマスコミにより宣伝され接種され始めています。(アクトヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチン、口蹄疫ワクチンなど)
 ブログ「心に青雲」に以前ありましたが、「製薬会社の立場に観念的に二重化」してみると、意図的に流行を作り出してワクチンを売りさばこうという製薬会社の計画があるのではないかと思えてきます。

 今回の新型インフルエンザワクチンに関しては、初期は品不足で国民の不安を煽り、流行の末期にはワクチンの大量の在庫を残してしまいました。
 これもマスコミを使った情報操作やワクチンの流通の出し惜しみがあったのではないかと思いました。

 MRIやCTといった検査機器は数千万円から1億円もする高価な機械ですが、メーカーはフィリップスやシーメンスといった外資系の会社です。日本は人口1人あたりのこうした検査機器の設置の割合が世界一高いと言われていますが、これもメーカーがマスコミを使ってそうした需要を作り出しているのではないかと思います。
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 医者だけでなく、まともな事務方も見るべきものは見ている。
 あるサイトにあった話であるが、このMRIやCTといった検査機器も大変なことになっているそうだ。中町クリニックのホームページというところで見つけた情報である。
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 コラム:MRI検査点数の下げについて
 2002年4月の保険点数改訂により、MRIの検査料は30%以上の異常ともいえる引き下げに遭いました。MRI検査が盛んになって医療費が増大するために、減額できそうなところから大幅に削ろうという、毎度の厚労省の方法です。患者さんにとっては、安い費用でMRI検査が受けられるようになって良いことずくめのようですが、そうではありません。 もともと日本のMRI検査料はスタート時点からかなり低く設定されており、諸外国の1/3~1/10程度の値段でした。機械が数億もかかるだけでなく、維持費も年間数百~数千万円もかかります。スタート時の検査料でも、損益トントンという状態でしたが、いまや当時の半分以下の点数になってしまっており、MRIは導入しても赤字を生み出すだけの機械となっています。
 大病院ではMRIは病気の診断のために必要不可欠な機械ですから、トータルで儲けが出れば良いという事で何とか維持しています。しかし、今まで10年以内には機械の更新をしていたのが、さらに数年以上は使うようになり、画像診断の精度は落ちる事になってしまいます。
 新しくMRIを増やす事は不可能となり、大病院での数ヶ月の待ち時間はさらに長くなると思われます。MRIを気軽に受けるというような事はこれからは不可能になってくると思われ、病気の発見が遅れることが出てくるでしょう。
 私のクリニックでは、MRI検査が収益の柱でしたから、打撃は尋常ではありません。MRI画像診断をメインにやっていたクリニックは日本中で数カ所しかありませんから、大局的にはどうでもよい事なのでしょうが、検査をしても赤字が膨らむだけの現状です。まもなく現有のMRIにも寿命がきますし、その時点で残念ですかMRセンターは店をたたむしか無いと思っています。
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 ここまでひどい状況に医療界を追い込んだのは、自民党であり、官僚である。とくに小泉・竹中の亡国政権が際立っていた。
 マスゴミは、民主党政権を倒してもういちど、あの小泉・竹中路線に戻して、自分らもおいしい夢よもう一度、と願っているのだ。自分が病気になったら、家畜のように扱われ、人間としての尊厳も踏みにじられるとも思わずに。

※本稿後半は来週月曜日に掲載します。

(転載貼り付け終了)