医療ビジネスの闇

崎谷 博征 投稿日:2012/04/01 17:15

学研から出版いたしました『医療ビジネスの闇』をお読み頂いた現役の外科医から以下のメールを頂きました。転載の許可を頂きましたので、ここに掲載させて頂きます。医師も今までのように近代医学(「サイエンス」ではない)に洗脳されているだけの存在でなく、自分の腹で考える人が増えてくることを期待しています。

(転載開始)

崎谷先生

一読者からの拙いメールに丁寧にご返信いただきまして
ありがとうございます。

この震災があるまで自分が嫌になるほど世間を疑わずに来ました。
新聞、テレビがうそを言うはずがない、健全なジャーナリズムが 機能している、官僚は(天下りなどをしているが)国の危機には立ち上がるはずだ(僕の高校の同級生や知り合いは東大文一→官僚 コースのものが多かったですが、
まともな人ばかりだったと思います。)。

しかし震災の後処理、原発の問題など情報がネットで流れてくるものとテレビ新聞の内容に驚くほどのギャップがあることがわかり驚愕しました。

この国はおかしい・・・
僕の知っている日本人が支配階級にはいないのでは?
恐ろしい疑念を払拭することが日に日にできなくなってきました。
そして先生の本を投了した際にいてもたってもいられなくなりメールをした次第です。

10年後、20年後の日本が心配です。
自分がどうすればいいのか?自分の小さな子供を見ながら毎日考えています。
このまま気がつかない振りをしてすごしてもそこそこの間は変わらず生活できるでしょう。
でも日本のことを考えていない政治家、官僚にTPPを決められ、アメリカ型の医療、保険が導入されたらどうなってしまうのか?

僕は2年前まで大学で働いていました。
その時ダビンチという医療ロボットが日本で購入され始めた時に
そのライセンスをとるために韓国に行きました。

韓国ではやっている術者もどんなメリットがあるかわからないけど、
この手術がいいことは疑いない、これからはロボット手術だと言っていましたが、1回の手術に100万以上の持ち出しの必要のある手術なんてとても採算があわないし普及するはずもない。

でも韓国ではすでに100台以上導入されていると聞き、やはり韓国はアメリカの植民地なのだなと漠然と思っていました。
しかしいつの間にか日本でもそこら中の大学病院で購入されているではないですか。しかも先進医療に通ってしまう可能性もあると聞き、これはおかしいぞと気付きました。

日本でも明らかに外圧で保険がねじ曲げられている。
日本の将来を考え、医療費を考えたら今の保険で収載されているものにかなりの無駄があり、現役の臨床家なら有効的に削ることなど雑作ないとわかるのに逆行した動きが加速している気がします。

このままロボットをそこらの病院で購入させられ、それに伴って混合診療の全面解禁などが起こった場合、完全にアメリカの格差医療のコピー状態に陥る危険があるのではと真剣に心配しております。

(転載終了)

今回の『医療ビジネスの闇』は、昨年夏に仕上げた原稿の前半部分で、後半部分を言いたいがための導入部分でした。しかし、優秀な編集長の勧めがあり、前半部をまず出版することになりました。

中には「ロックフェラーとファイザーやエクソンモービルは関係がない」「ビルゲイツとロックフェラーの関係は推測にすぎず、本の信ぴょう性を落としている」との批判もありました。

しかし、本当に大きな事実を追求していくのには個人の調査能力の限界があることと共に、状況証拠を重ねることで推測していく手法以外はないのではないかと今回の執筆でも強く感じました。ここは今後の課題として謙虚に受け止めています。

また他にも現場の医師からご連絡を頂いておりますので、随時ご紹介させて頂きます。医師の中にも、一般の国民と何ら変わりなく、この国の行く末を真剣に憂う方が存在していることをお伝えできればと思います。