副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(9):準備(1)「終活」をする。

伊藤 投稿日:2025/01/14 16:45

伊藤睦月です。

1 がん専門病院への外来の前に、しておくことがあった。いわゆる終活。入院・手術となれば、万が一のこともあるし、その後の抗がん剤治療もある。転院してもがんのあるなしの判断は変わらないだろう。いつの間にかそう思い込んでいた。

2 終活、とっても子供たちに残す財産はない。葬式代程度の生命保険があるくらい。むしろマイナスの方が多いかもしれない。だからと言って、何も言わずに死んでしまっては申し訳ない。

3 そこで、死んでからの初手続きについて、メモを作った。前年に実母と実弟が亡くなって、各種手続きを行ったので、その時の記憶をもとにメモを作った。

4 項目としては、

(1)マイナンバーカードの、パスワード

(2)スマホのピンコード

(3)預金口座の暗証番号(残高確認。正規手続きをしようとするとかなりややこしい)

※金融機関に死亡届を出すとその瞬間、預金が凍結される(マイナンバー登録している口座はすべて)支払いのめどがついてから、届けるのが賢い。

(4)サブスクの暗証番号

(5)公共料金の顧客番号

(6)生命保険等の顧客番号(これとマイナンバーがあれば、証書がなくても請求できる)

(7)葬儀社の指定(小さなお葬式、家族葬プランを、オプションの指定)

※葬儀は、いわゆる葬儀屋に払うものとは別に火葬屋に払うものがある。通常の「葬儀費用」とは、葬儀屋に払う費用のこと。それ以外に火葬場に払うものがある。地域によって、違う。例えば東京では、火葬場は民営で、骨つぼとか指定(つまり彼らから購入しなければならない)してあったりする。葬儀屋にあれこれ聞いたら良い。葬儀屋の支払いはクレジット払いができるが、火葬場は現金払いが原則。意外と盲点。お金に余裕がないなら、なりふり構わず聞くしかない。

(8)それ以外の注意事項

(9)一般論的には、市販のガイドブックに大体書いてあるので、1冊は読んでおくこと。

(10)相続放棄の手続きのポイント(アトランダム)

①まず、所管地方裁判所に、「期間延期申請」をする。(これは、ガイドブックには載っていない)

②通常、死亡後3か月だが、「被相続人の債務調査」という理由で、3か月なら無条件に延長できる。それ以上なら具体的な理由が必要みたいだ。

③その間、遺産等整理をして、負債が資産を上回れば、放棄の手続きをすればよい。なければそのままにして期間が過ぎるのを待つ。

④手続きは司法書士や弁護士に頼めばやってくれるが、有料。裁判所職員に相談すれば、無料でいろいろ教えてくれる。申請書には、書き方の注意点まで書いてある。

⑤これに限らず、役所系は、手続き完了まで、1か月くらい、かかるので、すぐに相談に行く。

(12)その他。

⑥年金関係(社会保険事務所)も同様。早めに動く。

⑦役所関係の手続きは、まず、葬式が終わったら、市区役所の窓口にすぐに行くこと。受付部署を含め、いろいろアドバイスしてくれる。ぼんやりしている暇はない。

⑧相続放棄の可能性があるなら、早めに相談するのがよい。司法書士や弁護士に依頼するかどうかは、自分で調べてから、判断すること。

⑨例えば、相続財産になるものとならないものがある。(金額の多寡ではない)うっかり受け取ると相続したものとみなされ、放棄できない場合がある。

⑩きょうだいなど、相続人が複数あると、一人だけ放棄すると、他の相続人が被ることになるので、そこは、関係者全員で手続きが必要。そういう細かい話も、裁判所職員に相談する。裁判所の彼らは教えたくてうずうずしている人が多い。下手(したて)に出てうまく教えてもらうとよい。

⑪ あ、それから、郵便局への転送届。用紙は窓口にある。窓口で手続きするのは、本人でないとできないので(亡くなっているのでできない)、本人名義で、指定の住所に、郵送で依頼するのが、コツ(葬儀屋からおしえてもらった。弁護士などがやっているそうだ。彼らは正規だと思う)請求書など、1年間は、指定の住所に届く。ガッツな悪知恵。

以上、アトランダムに書いた。特にスマホのピンコードは盲点。恥ずかしい動画の視聴がばれるかもしれないが、どうせ死んだ後だ。かまうものか。

もちろん、お金に余裕のある人は、弁護士任せにするとよいが、一応勉強はしておいた方がよい。後見人とかが絡んでいる場合は、素人では間違えやすいので、専門家に任せるのが、吉。いずれにしても、やることが多い。嘆き悲しむのは、手続きがすべて終わってからでよい。1周忌が目途。

以上、伊藤睦月筆