副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(12):準備(4)近藤誠医師の本を読んでみる(その2)

伊藤 投稿日:2025/01/17 10:34

伊藤睦月です。前回の続き

8 近藤医師は、「早期発見、早期治療」に懐疑的だ。早くがんが見つかれば、早く治るものではない。むしろ藪蛇だと言う。

9 また、余命4か月というのは根拠がない、昔はステージ4は余命3か月と言っていたけど、死ななくなったので、4か月としているだけ。

10 5年生存率も統計学的に意味のある数字ではない。治療5年後に半分が生き残っている確率を指しているだけ。

11 標準治療も全部だめ。手術は身体的負担が重すぎる。(だから、乳がん保存術を提唱し、今では標準となっている。ほかのがん手術は命を縮めるだけ)

12 抗がん剤は猛毒なのでもってのほか。自殺行為だ。

13 放射線は、部位によっては有効(ん?点が甘いぞ)しかし、日本の放射線照射スキルで、自分(近藤)ほどのレベルはいないので、危険。

などと、がん検査、標準治療をめった切りにしておいて、近藤のいうことをうのみにするな。統計データで判断せよ。最後は自分で決めろ。

14 伊藤睦月です。近藤センセイ、無理っす。がんと宣告されて動揺しているところに、専門家がたたみかけてくる、素人が抵抗できるものか。

15 だから、結局は検査しない、治療しない、黙って逃げ出す。こういうことができる人が何人いるのか。近藤医師の意見はすべて正しいが、ただ、無理っす。(近藤医師は、自覚症状が出るとアウトだから、「放置」する前に、ホスピスと事前契約しておきなさい、という。ごもっともだが、そんな病院、どこにあるの?教えていただく前に、近藤先生は旅立たれてしまった・・・・(2022年心不全で永眠)

16 生前の近藤医師と親交があった、和田秀樹医師(老人医療の専門家、我々世代には、受験の神様、で有名)は、経験上、老衰でなくなる老人の3分の1は死後、がんが見つかる。だから、がんにあまり神経質にならない方がよい。自分(和田)は高血圧、高血糖のコントロールはしているが、がんと宣告されたら何もしない、と自著(『どうせ死ぬんだから』だったと思う)で主張している。これも正論だが、無理っす。

17 和田医師は自分で処方箋が書けるからよいけど、我々はできない。医者から、検査・治療を勧められたら、抵抗するのはむつかしいと思う。

18 それじゃ、病院を変えればよいのだが、自由診療ならともかく、保険診療医に頼らざるを得ない現状では、無理っす。

19 自由診療と言えば、「免疫療法」や「代替療法」があるが、近藤医師は全否定する。統計的に有意な結果が出てないからだ。

20 丸山ワクチンも同じ理由で、完全否定。「インチキ」と断定する。長年、丸山ワクチンを使用し続けている、インタヴュアーを前に、そこまで言う?と驚愕したが、「近藤先生のオピニオンだから」と平然と受けながす、この人もなかなかの人物だと思う。しかし、自分には無理っす。「自分で考える」なんて、このレベルの人しか無理なのではないか。

21 「免疫療法」といえば、近藤医師は、保険適用の「プラシーボ」の危険性を警告する。この薬を使い続けている、と公言している(自由診療で年間数百万かかる)森永卓郎氏はどうするんだろう。

22 自由診療で標準治療と免疫療法の併用を勧める医師に対しては、「詐欺師」「裏切者」とまで非難する。私の地元の「免疫療法」の病院はみんなそうなんだけれど。どうせ私には無縁の話だが。

23 ということで、結局、「自分で考え、自分で決めろ」ということらしい。じゃ、そうしますわ、と考えて、外来に向かった。それについては、次回にします。

以上、伊藤睦月筆