副島先生、私の胃袋は、いまだ健在です!(11):準備(3)近藤誠医師の本を読んでみる(その1)

伊藤 投稿日:2025/01/16 14:31

伊藤睦月です。

1 ネットで病院のHPをいくつか見た後、近藤誠医師(1948-2022)の本を読んでみた。アマゾンの電子書籍で「がん患者よ近藤誠を疑え」を購入した。これを読んだ私の感想を書く。退院後、紙の本も購入したが、あえて、参照しない。当時の私が、この本のどこを読み、どう受け取り、考え、決断したかを書く。誤読したならそれをそのまま、記した方が、良いと考えている。

2 『がん患者よ近藤誠を疑え』(日本文芸社)という、タイトルが気に入った。「疑え」とは、なんて素敵な言葉だろう。昔、副島先生も「すべてを疑え、まず副島隆彦を疑え」とよく言われていたな。近藤医師の本は、これまで十数冊出ていて、この本の初版は、2016年。少し前だが、まあいいだろう。

3 この本は、大腸がん患者で切除手術後、アフターの抗がん剤療法を拒否して、丸山ワクチンを十年以上続けている、というジャーナリストによるインタヴュー記事がベースとなっている。これも読みやすく、素人にもよいのではないか。

4 以上のようなことを考えて、読み始めた。私の理解内容は大体以下のとおり。

4-(1)大前提として、がんは治らない、と認識。他の医師は「治る」ということを前提にしているが、間違い。

4-(2)がんには治るがんと治らないがんがある。

4-(3)治らないがんは、転移するがん。どんなことをしても、転移し、進行する。治療するだけ無駄。寿命を縮めるだけ。

4-(4)治るがんは、がんもどき。転移しないし、何も悪さしないし、治療しなくてもなんら支障がない。

4-(5)本物のがんかそうでないかは、事前にはわからない。自覚症状が出れば、がん。自覚症状が出ないのに検査でわかるがんは、がんもどきの可能性が高い。

4-(6)だから、「がんは治療するな」、放置療法を勧めるゆえん。

 伊藤睦月です。「がんは治らない」という基本認識を明言しているところが、近藤理論の特色。他の医師は「治る」という前提で話をする。もしくは、そう断定せずににおわせて説得する。逆に「治療しないとがんが再発しますよ」と言って、抗がん剤治療を勧める。(実際、他の患者にそう説得しているのを見聞した。大部屋だとよく聞こえるのです。

5 以上のことから、大事なことは「検査をするな」「検査をして疑いが出れば、説得される」

6 もし、検査して治療を勧められたら、「黙って去れ、連絡を取るな。うっかり反論すると逆に説得される」

確かにそんなやりとりを聞いたことがある。私には穏やかだった先生がああも高圧的な口ぶりになるのか。

もちろん、主治医は、良かれともって、使命感を持って情熱的に説得しているのだろう。だから余計きついし、断りにくい、私だったらずるずる説得されるだろうな。

7 近藤医師は、放射線治療のベテランだったそうだ。しかし、放射線をいくら浴びせても、転移してしまう患者に遭遇。しかし、患者の方から、もっと強力な治療を希望してくる。それに耐えられなくなって、患者にあなたはもう治らない、もう治療は無駄だからやめて、残り少ない人生を過ごした方がよい、と通告(告白か)。するとその患者は、怒るどころか、「やっと本当のことを言ってくれた。ありがとう」と言って安らかに旅立ったそうだ。それから、近藤医師は、周囲の反対を押し切って、すべて正確に伝えることにしたそうだ。1980年代のこと。今では近藤方式が標準になっている。彼は筋金入りのドクターだと思った。

小休止、伊藤睦月筆