ロシアの平均寿命の推移 チェルノブイリ事故での影響はあったのか?
2099六城です。
ロシアの平均寿命の推移を調べていて、サイト「社会実情データ図録」に詳しい解説があったので紹介します。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8985.html
統計学者のホームページには面白いデータが掲載されています。ご存じの方も多いのですが、ロシアの平均寿命は60歳程度です。これは先進諸国で最低、発展途上国と肩を並べるほどです。ロシアは支配階級と労働者階級と二分された社会主義国家です。死因はアルコール疾患、自殺、他殺の多さが特徴です。当然ですが、ロシアに年金問題はありません。
詳しくはこのホームページかリンク先の本を読んでもらうとして、主題はチェルノブイリ事故で人口全体に影響があったかどうかです。
チェルノブイリにより汚染されたロシア・ベラルーシ・ウクライナの三国で、一番被曝した人口が多い(20%)ベラルーシの平均寿命に注目してみましょう。 原発事故は1986年ですからそれ以降の推移に注目してください。
(転載始め)
男の平均寿命の動きで、ロシアより影響度の大きい筈のベラルーシでロシアと比較して特に際立った平均寿命の動きとなっていない点、またベラルーシの男女別の平均寿命の動きで、放射能汚染の影響であれば男女に違いがないはずであるが、実際は、女の平均寿命は男のような落ち込みが見られなかった点、この2点から、平均寿命の動きに放射能汚染が影響していると見るのには無理があるだろう。
(転載おわり)
日本はやがて白血病やガンの発生率が上昇していくと風評を流す輩がいますが、平均寿命に影響することは社会制度、国家運営によることが大きいのです。国連開発計画UNDPの報告書では以下のように旧ソビエト連邦の寿命について総括されています。
(転載はじめ)
労働市場の改革、1990年代の深刻かつ長期にわたった景気後退、そして社会保障の崩壊が人々の心理的ストレスを増やす結果となったと考えられる。これは、アルコール消費量とアルコールが原因の病気に表れている。同時に、法、秩序および治安を扱う国の制度が崩壊したことに伴い、暴力的な犯罪が増加している。インフォーマルな経済活動や、暴力にものを言わせた取り立ても、平均寿命低下の原因となっている。1990年代前半だけで男性の殺人被害者は2倍に増えた。 暴力犯罪や心理ストレスだけでなく、予防可能な感染症(とくに結核、急性腸炎、ジフテリア)の蔓延は、保健医療制度に欠陥があることを示している。
(転載おわり)
原発問題など国家の寿命に与える影響は無視できるレベルです。この騒動乗じて増税と支配強化をさせてはならないと思います。