2025年度に年金や税などの業務に関する自治体の基幹システムを全国で統一化する政府方針に地方反発とのこと
地方紙で報道があったので、転載します。要旨は次のとおり。
共通化の対象となるのは、住民基本台帳や健康保険、児童手当など20業務におよぶ地方自治体のシステム。(共通化というより、中央集約化では?)
実務を行うこととなる地方自治体は財政負担や技術者の不足などを懸念(正気ですか?)。
国は2025年度統一を法律で義務付け、補助金の基金も補正予算で積み上げ、着々と環境を整えている(本気らしい。)。
あと2年ですね。国も自治体も担当者は大変そうですし、受注する企業も働き方改革のなかでできるのでしょうか。
オリジナルの西日本新聞のホームページの記事は会員専用とのことで読めませんでしたが、Yahoo!に転載された記事がまだ読めますので、そちらを転載します。
出典URL https://news.yahoo.co.jp/articles/3493ad83fcc24c97fd7ad10dfdf6605c0f564eaa
(ここから引用)
システム移行費用「国が全額負担を」 行政事務統一に地方反発
12/22(金) 7:05配信 西日本新聞
年金や税などの業務に関する自治体の基幹システムを、2025年度を目標に全国で統一化する政府の計画を巡り「財政負担が大きい」と地方が猛反発している。既存システムからの移行が法律で義務付けられたが、移行経費は数十億円に上る自治体もあり、政府の想定とは背離する。国は移行補助の既存基金を5千億円以上積み増したものの、自治体が求める全額補助は不透明な状況で、両者のあつれきが深まっている。
行政事務の統一は岸田文雄首相が注力するデジタル行財政改革の柱。自治体がそれぞれ運用しているシステムを共通化し、業務効率化や維持管理コストの低減を図る考えで、国は補助金の財源確保のためデジタル基盤改革支援基金を創設し1825億円を計上した。
地方側のネックとなるのが移行に伴う初期投資だ。共通化の対象は住民基本台帳や健康保険、児童手当など20業務におよび、作業量と移行経費は膨大になる。
中核市市長会が今夏に全62市の移行経費を調査したところ、平均18億1千万円だったのに対し国の補助上限額は平均3億4千万円にとどまった。10月にまとめた国への要望では「到底移行経費全体を賄えず、非常に重い財政負担を強いられる」と不満を噴出させた。指定都市市長会も経費が補助上限の3~16倍になると試算。全国市長会は補助上限が経費の1割にも満たない自治体もあると訴えた。
地方の突き上げを受け、総務省は23年度補正予算で基金を5163億円積み増しし、計6988億円確保した。同省デジタル基盤推進室は「自治体側の移行経費を試算し必要な財源を確保した。今回の上積みで足りるはずだ」と説明する。
それでも不安は拭えない。特にシステムの仕様が未確定の政令市は経費の規模が見通せない。手出しを強いられる懸念があり福岡市の担当者は「国が全額負担するべきだ」と主張する。
さらに法律では基金の設置を25年度末までと規定し、それまでに移行できない場合、補助金が交付されない可能性もある。技術者不足など課題がある中、期限内の移行をごり押しする国への不信は増すばかりだ。
立命館大の平岡和久教授(地方財政論)は「25年度までの移行が難しい自治体は多く、制度の早急な見直しが必要。国策として進める以上、国が全額負担するなど自治体の不安を解消するべきだ」と指摘している。 (御厨尚陽)
西日本新聞
(引用おわり)