5.23株価急落について(上)

池辺俊樹(仮名) 投稿日:2013/05/31 23:40

ブログなどから拾ってみました。ただし、部分的に抜粋したりしていますから、詳細をご覧になりたい方は検索なさって下さい。

1,『投資日記ステーション』より:「ふりーパパ」氏
今回の15900円という日経平均の高値到達の立役者は、ユニクロ株(ファーストリテイリング)だったようです。日経平均を2500~3000円程度押し上げていた可能性もありそうです。どうやら外国人投資家はこの株を操って、日経平均を上昇させ、その後売りポジションを作って、一気に株価を下げさせた可能性が高そうです。

2,「知られざる真実」より:植草一秀氏
スピードが速すぎることに対して、調整が生じることを「スピード調整」と呼ぶが、今回の調整は、基本的にはこの種の調整である可能性が高い。
ただ、手放しの楽観は許されないと判断する。
その理由は、アベノミクスの第一の矢であるとされる金融緩和政策を実施しているにもかかわらず、長期金利がまったく低下していないことにある。
低下していないどころか、逆に上昇の傾向を示し始めているのだ。
これは、安倍政権が唱えてきたストーリーとは明らかに食い違う。
安倍晋三氏は、強烈な「異次元」金融緩和政策を断行することにより、金利低下を誘導し、その結果として経済を回復させ、株価上昇、インフレ率上昇を誘導するとしてきた。
ところが、金融緩和にもかかわらず、長期金利が低下しないと、すべてのシナリオの原点が狂ってしまう。
金利上昇が進めば、景気にはマイナスの影響が広がるし、為替レートにも円安ではなく円高圧力がかかってしまうだろう。
この場合、株価に対しても下落圧力がかかってくると予想される。
目にはさやかに見えねども、アベノミクスの歯車がずれ始めていることがはっきりし始めている。
また、米国では、経済指標が景気の堅調さを示すようになっており、いわゆる量的金融緩和政策の縮小が取り沙汰され始めている。
米国の株高を支えてきた最大の要因は量的な金融緩和政策であると理解されており、米国の金融緩和が縮小の方向に歩を進めるなら、米国株式市場には、少なからぬショックが走ると思われる。
メディアはアベノミクス絶賛を続けているが、アベノミクスの層の薄さは鮮明である。
金融政策、財政政策、成長政策の三つを、それぞれ、第一の矢、第二の矢、第三の矢と言うらしいが、普通に金融政策、財政政策、成長政策と表現するのと違いは何もない。
しかも、財政政策は13兆円規模の2012年度補正予算編成でほぼ出尽くしている。
しかも、その内容も旧態依然の公共事業と利権支出のオンパレードだ。
成長政策はいつものように会議を開いて検討しているとされているが、即効性のある具体策はほとんど何も示されていない。
となると、アベノミクスの大きな化粧箱の入っているのは、干からびた金融緩和のカードだけである。
しかも、これが「バズーカ」とか「異次元」ともてはやされた割には、実効性が乏しく、長期金利は下がらずに、上がってしまっているのだ。
株価は割安だった部分が剥げ落ちる形で上昇しているが、アベノミクスの中味が、効果が疑わしい金融緩和政策だけだとなると、さまざまな「幻想」=「期待」が剥げ落ちる展開に陥りかねないと思われる。

3.『闇株新聞』より
ところで昨年の10年国債の最高利回りは3月中旬の1.05%でした。その時は当時の日銀が「1%の物価上昇の目途(目標ではありません)」を表明し、日経平均の高値が10255円、ドル円が84円と、一時的に株高・円安となっていた時期です。
現在はそれよりはるかに円安・株高となっているため、別に10年国債利回りが0.9%でも1.0%でも「何も心配は無い」はずです。
そうならないのは、日銀が「異次元」金融緩和の発表時に「国債利回りを全期間にわたって低下させる」と強調してしまっていたからです。
もっと深刻な問題は、国債利回りは(これからの)物価上昇あるいは目標としている2%の物価上昇を織り込み始めているのかもしれません。実際には3月の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く総合指数)は前年同月比で0.5%のマイナスとなっているのですが(注)、国債利回りだけが実際の物価上昇に先行して上昇を続けるかもしれないことです。
(注)4月の物価上昇率は、5月31日の早朝に発表されます。
そして国債利回りの上昇は、日本株の投資魅力を減退させ(つまり下落させ)、銀行の貸出姿勢を減退させ、実際の物価を下落させ、当然に実体経済の回復を遅らせることになります。そして市場がこれらをすべて認識するまで、国債利回りの上昇は続くのかもしれません。