ドル安の背景

大内なんでかな 投稿日:2011/02/24 06:55

やまはFX http://blog.goo.ne.jp/yamahafx/d/20110223 から無断で貼付けます。

(転載貼り付け始め)

ドル安の背景

為替 / 2011-02-23 22:56:05

リビア情勢の悪化が伝えられるにつれて、ミニ危機めいた様相となってきた。株価が下落し、円も若干買われている。金も債券も買われている。ということで毎度おなじみのリスク回避相場であるが、ちょっと気になる点がある。それは今回、ドル安になっていることである。一般に株安は現金化であって、ドル高になるのが通例なのに、今回はドル安・ユーロ高となっている。その理由は何だろうか。
 
これはちょっと考えれば、原油高が今回の問題の焦点であるからだとわかる。原油高は、ユーロ高やポンド高を招きやすいからだ。しかし、それは実は表面的なことに留まる。
 
今回のリビア危機はもちろん単独で起きたものではない。チュニジア・エジプトに起きた「革命」、バーレーン、イエメン、イランなどの争乱に続く、中東世界の地政学的な大きな変化の動きの一環である。これを数年前から予測していたLEAP/E2020のサイトでは、今回の動きの先にあるものをGEAB52号で予測している。それによれば、当然、この動きはサウジアラビアに波及するものだ。そして、それがすぐに王政が倒れることにつながらなくても、サウジの米国への不信感の増大という形をとってくると予測する。(親米政権のムバラクが、なすすべもなく、民主化プロセスによって打倒され、米国の助けもなかったことはサウジにとっては非常な驚きと打撃であった。)そして、その不信感が形をとり、サウジアラビアの原油取引がドル建てでなくなる時に、米ドルの大幅な減価が起きるとする(LEAP/E2020はそれを「ベルリンの壁の崩壊」に習って、「原油ドルの壁の崩壊」と称する)。
 
今回のドル安の背景にあるものは、そのような将来の動きのミニマムな先取りだと思う。ドル建ての原油取引というものは、中東産油国と米国との間に微妙な政治的・経済的バランスを保つ重要な要素であった。その政治的なバランスが崩れそうな現在、ドル建ての原油という、ドルの価値を支える非常に大きな要素も変化せざるを得ないのだ。もちろん、それは、今日明日ということではない。だが、10年先というほど将来のことでもないのではないか。
 
金や原油の大幅な上昇をともなったドル安が、数年のうち、あるいは年内にも、大規模に起こる可能性を、今回のミニ危機はかいまみせてくれるのだと思う。

(転載貼り付け終わり)