地球の電気5

澤田 正典 投稿日:2014/09/03 20:56

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年9月3日です。

つづき
 地震のメカニズムを把握する上で、地殻内部における電気の流れ方が重要になります。地殻は半導体です。電気抵抗が大きいので、大きな電圧がかからないと電荷が移動できません。

 最初に述べたとおり、地球の中心は強力なプラスの電荷を持っており、その周辺には電子が高密度に集まっているとの仮説に立てば、地殻は下側に強力なマイナスの電荷を抱えていることになります。そして大気上空には電離層が強力なプラスの電荷を持っています。対流圏の内部も、プラスの電荷のイオンが優位的になっています。

 つまり、地殻には上下方向に強い電場が加わっていると考えられます。この力により、地殻内部においては電気抵抗が大きいながらも、上下方向においては、一方向限定とはいえ、やすやすと電荷が移動できる仕組みになっています。対して、水平方向には電場が掛かっていませんのでほとんど移動できません。

 大気中を漂うプラスの電荷が地表に到達したとき、地殻表面から電子を奪っていきます。電子を奪われた地殻表面は、電圧を受けていますから、奪われた分だけ地殻内部から電子を引き出します。この電子の動きは地殻深部へ向けて連鎖していき、やがて、地下に潜んでいる、極めて電気抵抗の大きな層に到着します。この層の地表側において、プラスの電荷は捉えられて蓄電されていきます。

 プラスの電荷が地下へ移行するといっても、たとえば何らかの物質が地下にもぐりこんでいくわけではありません。大気中を漂っていた、プラスの電荷を持つイオンが、地殻表面の電子を引き抜いた分だけ、地殻内部に電子密度の低下した領域が発生し、時間と共にその領域が地下深部へと移行していくことを意味します。
つづく

 澤田正典 拝