地球の電気1

澤田 正典 投稿日:2014/08/30 13:54

澤田正典です。会員番号2953です。今日は平成26年8月30日です。

 いつも皆様の興味深い投稿を楽しんでおります。私は専門家ではないのですが、地学の分野に関連した投稿をさせていただきます。

 地学の分野では、気象学における雷や極地研究におけるオーロラ、そして地電流を除くと、「電気」の作用について論じられることが稀だったと思います。そこで、地球の電気のふるまいについて、何回かに分けて考察を試みます。どういうわけか、地学の教科書では電気がほとんど出てこないのです。

 地球中心は、重金属を含む高温高圧であり、原子間距離が圧縮されています。そのため、電子が外側へ追い出されて、地球中心に至るほどに強いプラスの電荷を持っている可能性があります。何分、直感的ではあります。ただ、電子雲みたいなふわふわしたものが、高温高圧化において、原子周辺に留まれるようには感じないのです。水をたっぷり含んだスポンジをギュッと握り締めたら、水はスポンジの外に追い出されます。(高温高圧下の物性研究はダイヤモンド製の加圧部品を用いる方法により研究室レベルで急速に進化を続けているようです。この仮説の実証は、これから可能になるかもしれません。)

 仮説を基にすれば、地球中心では電子密度が小さくなるので強いプラスの電荷を持ち、その周辺では電子密度が大きくなるので強いマイナスの電荷を持ちます。ここでは電子密度が極端に高くなることで電気抵抗が小さくなる領域が現れますので地電流が大規模に流れ続け、地磁気を発生させています。この高い電子密度を持つ領域は地球固体を表面から観察したときの電場の特徴を作りますので、地球のどこでも、基本的には大気電場は上向きになっています。海面・地面がマイナス、上空がプラスです。そして大気という絶縁体(誘電体)を介してその上空に広がる電離層では静電誘導によって下面はプラスに、上面はマイナスになります。

 以上が、地球全体における基本的な電荷・電場分布とイメージしています。(実際には境界面がまだまだ沢山、多層に存在しますし、赤道付近の電離層における電流や北極・南極域におけるオーロラ電流があると思いますので、メカニズム解明へ向けた継続した分析を必要とします。)外部からの刺激がなければ、多少の局所的な静的、動的な放電現象を起こしながら、時間とともに地球全体としては電気的な平衡状態に落ち着いていきます。
つづく

澤田正典 拝