問題はタービンだけではない、まだまだ続くよGEパワーの闇

相田英男 投稿日:2019/07/02 18:49

相田です。

色々と世の中は出来事が目白押しですが、私はこの話題で、しばらく押し通すつもりです。

この話は、私も年初の記事で見かけて気に留めていました。が、遂に交換作業を始めるみたいです。

変圧器というのは、トランスと言ったりもしますが、リング形状の鉄芯に二つの銅線コイルを巻いただけの、単純な構造の機械です。コイルの巻数を変えて電圧を変えるだけです。皆さんの周囲にある機械のどれか一つには、必ずこれが付いている筈です。この記事のような電力用になると、電流のエネルギーが桁違いに大きくなりますけど。

記事では爆発した(explosions)と書かれていますが、おそらくは絶縁に使う樹脂材などが、高温で溶けて発火したのだと思います。しかしながら、トランスという枯れた古臭い技術の装置であるにもかかわらず、こんな事故を起こすなどとは、あまりにも製造技術のレベルが低すぎるとしか、言えません。製造元はまだ責任を認めてないようですが。

評論家の野口悠紀雄氏などは、「日本は製造業に頼りすぎだ、製造業以外の産業に切り替えるべきだ」と、今でも盛んに主張されています。しかし、脱製造業化を進めるにしても、ここまで物作りの基礎レベルが、衰えてしまうのも、如何なものかと私は思えます。

目先の利益がなかなか上がらなくても、日本では基礎的な製造技術を、将来もきちんと維持し続けるべきではないでしょうか。地味に技術をつないで生き延びる事が、日本人には向いているのではないのでしょうか?

ぱっと見のカッコ良さばかり追っても、この元世界最強と謳われた会社のように、最後にドツボにはまって終わるのが、オチではないのでしょうか。

我々も他人の失敗から、賢く学ぶべきだと考えます。

(引用始め)

After explosions, Brazil power transmission companies remove GE equipment
爆発事故が続いたことから、ブラジルの変電設備会社はGE製変圧器の交換を始めた
By Luciano Costa
Reuters July 2, 2019

SAO PAULO (Reuters) – After an unusual number of explosions, several Brazilian power transmission companies have started removing a piece of equipment made by General Electric Co , a blow for GE’s Brazil unit as it battles competing suppliers from China and India.
SAO PAULO(ロイター) – 通常ではない数の爆発事故の後、いくつかのブラジルの送電会社は、GE製の変圧器の他社製品への交換を開始した。それは、ブラジルにおいて中国やインドの競合他社と戦っている、GEのブラジル事業部への打撃となる。

Brazil’s grid operator ONS recommended replacing GE’s CTH-550 transformer model after registering 53 explosions, as Reuters exclusively reported in January.
1月にロイターが独占的に報告したように、ブラジルの送電会社ONSは、53回に登る爆発事故が報告されたGE製の変圧器:CTH-550 について、他器への交換を推奨している。

ONS said then that the equipment showed “a failure rate that is superior to what is expected” for such a device.
ONSはその推奨の際に、GEの変圧器に関して「予想よりも高い故障率を示した」と、述べた。

There are close to 700 pieces of that equipment in Brazil’s grid, each costing up to 100,000 reais ($26,000). Power transmission companies have already launched tenders to buy replacement transformers while they discuss the costs and a schedule for the changes with GE and regulators.
ブラジルのグリッド(送電、変電インフラ設備)には、問題となる変圧器が700個近くあり、それぞれの交換に必要となるコストは最大10万レア(26,000ドル)となる。送電会社はすでに、交換コストとスケジュールについてGE及び規制当局と話し合いながら、交換用変圧器の購入のための入札を開始している。

In a statement to Reuters, GE said it is investigating what caused the equipment failure in Brazil.
ロイターへの声明でGEは、ブラジルでの変圧器の故障の原因を現在調査していると述べた。

“GE Grid Solutions performed a series of checks in the equipment with its clients and, as of this moment, there is no evidence that the problems were caused by the design, components or production processes,” it said.
「GEグリッドソリューションズは、顧客との間で一連の機器チェックを実施したが、現時点では問題が、設計、コンポーネントまたは製造プロセスによって引き起こされた、という証拠はない」と語った。

Brazil’s electrical energy regulator Aneel said that, after conducting a detailed analysis, it has determined the problem is with the manufacturer.
ブラジルの電力規制機関であるAneelは、詳細な分析を行った結果、問題は製造業者にあると判断した、と語った。

“The transmission companies acquired a product which, according to the reports, has presented a high rate of failure,” Aneel director Sandoval Feitosa told Reuters.
Taesa , one of Brazil’s largest power transmission companies, controlled by regional utility Cemig and Colombia’s ISA , said it has started replacing all GE model CTH-550 transformers in its networks.
AneelのSandoval Feitosa社長はロイターに対し、「製品を回収した送電会社が作成した分析レポートによると、これらの回収した機器は高い故障率を示した」と述べた。地域最大手のCemig とコロンビアのISA によって管理されている、ブラジル最大の送電会社の1つであるTaesa は、送電ネットワーク内のすべてのGEモデルCTH-550 の交換を開始した、と述べた。

Taesa’s CEO Raul Lycurgo Leite said the changes will be completed next year, adding that it will take time due to the buying process and coordinated grid work.
TaesaのCEO、Raul Lycurgo Leiteは、来年には交換が完了すると述べ、購入プロセスとグリッド調整の作業のためには時間がかかるだろう、と付け加えた。

China’s State Grid Corp , which has expanded strongly in Brazil this decade, has also confirmed plans to make the changes, but did not provide further details.
この10年間で、ブラジルで大きく拡大した中国のState Grid 社もまた、交換事業に関与する計画を確認したが、それ以上の詳細は提供していません。

Other companies such as Furnas and Copel said they have opened tenders to buy new transformers.
FurnasやCopelのような他の会社は、彼らが新しい変圧器を買うための入札を開いたと言述べた。

These companies are also negotiating with Brazil’s electricity regulator Aneel to have some fines suspended. They were fined due to interruption in the flow of power after the explosions and say they are not responsible for the outages.
これらの会社はまた、ブラジルの電力規制者Aneelといくつかの罰金の停止について交渉中である。彼らは、爆発事故後に起きた電力供給の中断について罰金を科されており、彼らは送電機能停止に対して責任がないと言っている。

(Reporting by Luciano Costa; writing by Marcelo Teixeira; Editing by Lisa Shumaker)

(引用終わり)

相田英男 拝